ソニーがISSCC 2006で発表したCMOSセンサは,ものすごい撮像素子である。640万画素の画像を,毎秒60枚撮影できる。HDTVのいわゆる1080pの4倍弱に匹敵する情報量の動画を撮れるばかりか,撮影した一コマ一コマを写真として切り出せる。同じ撮像素子で5行に1行の画素だけ読み出すようにすれば,毎秒300回の撮影が可能だ。本誌の2月27日号に掲載する,この素子で撮った写真には,水風船が破裂する瞬間が鮮明に写っている。ソニーは,この撮像素子を2007年にも量産するという。狙いは民生機器への搭載だ。 この撮像素子の話を初めて聞いたとき,筆者は耳を疑った。かつて本誌でデジタル・カメラとビデオ・カメラが融合するという趣旨の特集記事を書いたことがある。そのときの推定は,静止画ならば500万画素,動画は130万画素,30フレーム/秒で撮れるカメラが,2006年に実現するというものだった。現実はこ