安倍晋三政権が検察庁法改正案の今国会成立を断念した。直後に発覚した賭けマージャン問題にも驚いたが、改正案を巡る展開もまた予想外だった。 要約すれば、この法案は検察幹部の定年を政府の独自判断で延長できるようにするもので、実現すれば検察の政治的中立性が脅かされる懸念があった。人事を握られた検察が「政権に都合の悪いことは捜査しない」組織になってしまう恐れがある、ということだ。 ほとんどのメディアや野党がこの法案を批判する中、当初安倍政権は今国会で強引に成立させる姿勢を見せてきた。しかし、会員制交流サイト(SNS)ツイッターの一会員が「検察庁法改正案に抗議します」と投稿したのを皮切りに、歌手や俳優など有名人の投稿、さらにそれを見た一般人による同意の投稿が激増し、大きな世論を形成した。 結果的に安倍政権は一転して見送りを表明。賭けマージャンのスキャンダルに目が行きがちだが、「1強」の安倍政権下で、世