発売から遅れること一年、ようやくウェブオペレーションを読んだ。 この本はウェブサイトの運用にまつわるさまざまなトピックを扱ったエッセイ集だが、アプリケーションプログラマにとっても得るものが多い。キャパシティプランニングや監視など、普段の仕事では馴染みの薄いことがらについて初歩的な知識を身につけるのに向いている。もっと抽象的な、姿勢や考え方について述べたエッセイも多くあり、目指すエンジニア像のお手本集としても読み応えがある。 ぼくが特に良いと思ったのは四章、十二章、そして十五章だ。四章は「リーン・スタートアップ」で一躍時の人となったエリック・リースによる継続的デプロイの話だが、思想面で見習うべき点が多かった。個人的に「リーン・スタートアップ」のブームには懐疑的で、大げさにもてはやしすぎじゃないかとちょっと白けているのだけど、エリック・リースその人自身はさすがに経験豊富な起業家であり技術者でも