365日、ナイフ作りに精魂込める日々を送る相田氏。多くのナイフ愛好家・プロフェッショナルに支持されるアイダ・ナイフはどうやって作られるのか。ものをつくるということはどういうことか。そして相田氏にとってナイフを作るということは──? 職人魂に迫った。 ナイフ作りっていうのは引き算なんだよね。つまりね、頭の中でイメージしたことを足して作るんじゃないんです。どっちかというと木彫のように削り出していくわけ。ひとつの立方体の中からね。その中に形が見えないと彫れないでしょ。引き過ぎちゃダメだし引かな過ぎてもダメ。その感覚っていうのは器用・不器用って話じゃなくて、最終的にどういう形で仕上げるか、というイメージがあるかないかだけなんだよ。 以前、アメリカのある会社からナイフのデザインを頼まれて、その本社に行ったことがあったんだけど、そこのスタッフはコンピュータでナイフのデザインをしてた。「あ、この会社は