(この記事は数理物理 Advent Calendar 2018 - Adverter 12日目の記事です.) 普段は代数幾何学と統計的学習理論についてやっているのですが, 何かしらでアドベントカレンダーを書きたいなと思っていたところにちょうどよいものを発見し参加させていただいた次第です。数理物理がテーマということで, うまく物理学と関連付けられないかなと考えた結果, 少し前から勉強し始めた情報幾何学とその統計物理学への応用について簡単に書いていこうと思います。(自分自身の勉強メモという側面もあるので一部厳密性を損なった書き方をします...) 概要 確率分布全体の集合を幾何学的空間とみなし情報幾何学の概念を用いて, 「一様分布についてハミルトニアンの期待値が一定になるという制約条件下でエントロピーが最大になる確率分布はカノニカル分布である」ということを導きます。すなわち最大エントロピー原理を