日本や欧米などの海外メーカーの独壇場とされてきた水処理の分野でも、中国メーカーが存在感を増している。その筆頭格が、大学発の研究開発型企業、天津膜天膜(モティモ)科技である。 日経ビジネス2011年1月31日号の特集「急速浮上!中国エコカンパニー」でも紹介した同社は、長年かけて培った技術力を武器に、海外市場の開拓にも乗り出した。その実力と戦略に迫る。 人間が生きていくために欠かせないものといえば水である。世界を見渡すと、飲料水だけでなく、生活用水までもが慢性的に不足しているという現実は、水資源が豊富な日本にいては実感しにくいだろう。 生活に欠かせない水資源の確保に一役買ってきたのが、日本や欧州メーカーの水処理技術である。中でも水メジャーと呼ばれる欧州メーカーの存在感は、世界的に見ても際立つ。海水淡水化に使われることが多い逆浸透膜(RO膜)など、高機能な水浄化膜の市場では、日東電工や東レなどの