ビルボードの年間1位アルバム「DAMN.」 ケンドリック・ラマーは、今アメリカでもっとも影響力のあるアーティストだ。ビルボードが発表している年間アルバム・チャートでは2017年に1位を獲得。第60回グラミー賞(2018年)では5部門を受賞した。 さらに「現代のアフリカ系アメリカ人の人生の複雑さを捉えている」として、報道や文学などに与えられるピュリツァー賞(2018年)をヒップホップ歌手としてはじめて受賞。 デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏は、ラマーを「今のアメリカの音楽シーンでもっともアメリカらしい人だ」と語る。人種差別、地域格差など社会的な問題を啓発し、それがビジネス的にも成功することを証明した第一人者だから、というのがその理由だ。 一方で、ラマーの作る歌詞は、人種や出生といった本人のアイデンティティと結びついていることが多く、日本ではその世界観が伝わりづらいことも多い。