土星探査機カッシーニから撮影したエンケラドス。手前には縞模様を描く地表が見える。奥には、氷から立ち上る水蒸気も。水蒸気は内部海から発生していると考えられ、この星が生命の存在に適した環境であることが示唆される。(PHOTOGRAPH BY CASSINI IMAGING TEAM, SSI, JPL, ESA, NASA) 土星の衛星エンケラドスには、地球外生命が存在してもおかしくないと考えられてきたが、その説を後押しする新たな発見が、3月12日付『Nature』誌に発表された。 米コロラド大学のシャンウェン・スーほか東京大やJAMSTECらの研究チームが投稿したこの論文は、エンケラドス表面の分厚い氷の下にある「内部海」から噴出する微粒子について報告している。フランス・ナント大学のガブリエル・トビーは、同論文の付随論評において、その粒子の化学的性質は、「地球で最初の生命体が誕生した場所」とよ