太平洋戦争

徴用船「まるで特攻」 92歳の元乗組員

徴用船に乗船していた吉田香一郎さん=大阪府吹田市で2018年8月2日、梅田麻衣子撮影
徴用船に乗船していた吉田香一郎さん=大阪府吹田市で2018年8月2日、梅田麻衣子撮影

撃沈3度、死と隣り合わせ 仲間、いまだ海の底

 太平洋戦争では、国家総動員体制の下、兵隊や武器などの輸送のために民間船が徴用され、多くの船員が命を落とした。徴用船の乗組員だった吉田香一郎さん(92)=大阪府吹田市=も、連合国側の攻撃によって乗っていた船が3度沈没し、多くの仲間を失った。「ほとんど丸腰で危険な海に出され、まるで特攻に行くようだった」と振り返る。

 吉田さんは戦時中、日本郵船で経理関係の仕事をしていた。しかし、戦局の悪化で船員が不足し、1944年1月に海上勤務を命じられた。当時はまだ18歳。戸惑いはあったが、「同じ年ごろで軍隊に取られている人もいるのだから、仕方がない」と受け入れた。

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