飯塚事件 黒塗りの死刑執行文書 元死刑囚の遺族が開示求め提訴

国が遺族に開示した「死刑執行始末書」。執行過程が記載されている部分は黒塗りだった=福岡市中央区で2024年12月27日午後7時31分、志村一也撮影
国が遺族に開示した「死刑執行始末書」。執行過程が記載されている部分は黒塗りだった=福岡市中央区で2024年12月27日午後7時31分、志村一也撮影

 再審請求の準備中に、なぜ死刑は執行されたのか――。福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で2006年に死刑判決が確定し、08年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の遺族に対し、国が開示した執行の関係資料は大半が黒塗りだった。無実を訴えていた元死刑囚に代わって再審請求した遺族側は「早すぎた執行」の真実を探るため、黒塗り資料の開示を求める民事訴訟も起こし、国と闘っている。

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 「早く再審請求しないと執行されてしまうおそれがある」。死刑確定から約2年後の08年9月、福岡拘置所の面会室。弁護団の岩田務、徳田靖之両弁護士が告げると、久間元死刑囚は自身も含めた確定死刑囚の名前と判決確定日が記されたリストを透明の仕切り板越しに示した。執行済みの死刑囚は横線で名前が消されていた。「まだ真ん中ぐらいだから大丈夫。時間はあるので再審請求お願いします」。久間元死刑囚はそう言って面会室を後にした。

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