SEBASTIAN Xからニュー・アルバム『POWER OF NOISE』が届いた。早いものでこれがもう5作目(フル・レングスでは2作目)。制作面で新しいアプローチに挑みながら、誰もが求めるSEBASTIAN Xらしさも見事に捉えた、まさにこの5年間の賜物というべき力作だ。彼女たちは結成時の勢いを失わないまま、今も前進し続けている。
そういえば、彼女たちのデビュー作『ワンダフル・ワールド』がリリースされる際、僕はこのバンドのフロントウーマンである永原真夏をこう紹介した。「リリックそのままの、いつも頭の中を言葉が駆け巡っているような、どこか落着きのない、聡明な女の子」。うん、確かにまなっちゃんのイメージって今もそんな感じだな。同時に、作品を重ねるたびに少しずつ表現者としての自我に目覚めていった彼女は、もはや「天真爛漫であかるいまなっちゃん」だけではなくなったようにも思える。少なくとも新作『POWER OF NOISE』には、そうしたイメージに留まらない、彼女の知られざる側面が捉えられているのだ。
そこで、今回のインタヴューではあえて永原に欠席してもらうことにした。代わりに登場してもらったのが、飯田裕と工藤歩里、沖山良太という、永原に引けを取らないパンチの効いたキャラの3人。彼らに聞きたかったのは、ずばり「実際のところ、まなっちゃんってどういうやつなの?」ということなのだが…。さて、まなっちゃんはこれをどう読んだのかしらん。
インタビュー&文 : 渡辺裕也
写真 : 塚田亮平
2ndフル・アルバム『POWER OF NOISE』
SEBASTIAN X / POWER OF NOISE
【配信形態】 mp3、WAV
【配信価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム購入 2,000円
WAV 単曲 220円 / アルバム購入 2,200円
【Track List】
01. POWER OF VITAL / 2. DNA / 03. ヒバリオペラ(ALBUM ver.) / 04. 三日月ピクニック / 05. サマー・ハネムーン・ビート / 06. MY GIRL(姫君へ捧ぐ) / 07. 光/男/カメラ / 08. サマタイム・キル / 09. つきぬけて(ALBUM ver.) / 10. MIC DISCOVERY
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INTERVIEW : SEBASTIAN X(飯田裕(Ba)、沖山良太(Dr)、工藤歩里(Key))
私の知っているこの10年間の真夏が、たぶんいままでで1番素直に表れてるんです
工藤歩里(Key)(以下、工藤) : え、もうそんなに? なんか逆に緊張する(笑)。
――なので、まずは各々のことも訊いてみたくて。今回のアルバムは制作工程がいつもと少し違っているそうですね。
工藤 : 基本的なところはいつも通りなんですけど、新しいアプローチはいくつかありました。たとえば私がMacOSXにバンドルされているAppleのGarageBand(音楽制作ソフトウェア)でトラックをあらかじめ用意していって、そこに真夏が歌を乗せてみたり。楽器陣でループをつくる作業からはじめてみたり。
――まなっちゃんのアカペラから作りはじめるのがこのバンドの基本だったもんね。
飯田裕(Ba)(以下、飯田) : そうなんです。それが今回の“サマー・ハネムーン・ビート"なんかは、歩里がイニシアティヴをとってて。特に最近はみんなで「せーの」からつくることが多かったから、誰かが主導権を握ってやるのは珍しかった。あの曲に関しては作業に迷ったら歩里に判断を委ねようっていう気持ちでやってました。それはいままでになかったよね。
――そのアプローチは前々から試したいことだったの?
工藤 : というより、今回の制作に入る前の段階で「みんなが曲を作れるといいね」と話してて。それぞれが思いついたアイデアはどんどん出していきたかったんです。
飯田 : そうしたら歩里が真っ先に作ってきたんだよね。そこで俺は割とのんびりしちゃってたから、完全に乗り遅れた(笑)。
――飯田君は「もっと自分にやらせろ!」みたいな気持ちじゃなかったの?
飯田 : いや、めちゃくちゃやりたかったんですよ。ところが今回はちょっと出足で遅れちゃった(笑)。自分のその乗り遅れた感じのせいで、一時期はちょっとうまくいかなかったんです。でも、そこで「じゃあ、今回のアルバムはあんまり出しゃばらずにベーシストとしてちゃんと仕事しよう」と割り切ったら、ようやくスムーズに進みはじめて。
――飯田君は気持ちが乗りはじめるまでに時間がかかったんだ?
飯田 : まあ、そうですね。
沖山良太(Dr)(以下、沖山) : 鍵盤とドラムで歌を合わせている段階で、まだベースがぜんぜんできてこないっていう状態でしたね。
飯田 : うん。僕は曲の根幹をつくる部分に携わりたいっていう気持ちがすごく強くて。で、それはいまでも変わらないんだけど、今回はちょっとだけ引いたところからやってみようと思ったんです。つまり、プレイヤーとしてやろうと。そうなったらやっと気持ちが盛り上がってきて。で、盛り上がってくると、最後のほうでだんだんと欲もでてきて、結局はがんがん意見を出してました(笑)。
――結局はそうなったんだ(笑)。じゃあ、沖山くんは今回どういうモチヴェーションで臨んでいたんですか。
沖山 : 僕もスタンスとしては飯田くんと近くて。派手なことをやらないというか、なるべく今回はシンプルにしました。曲そのものにはパワーを込めたいと思いつつ、自分の演奏に関しては無駄に手数を増やさず、抑制させて、芯のある強さを出したかった。というか、自分がちゃんとそれをやれるのか、試したかったんです。シングルの「ヒバリオペラ」からそういうことは意識しはじめていたので、今回はその延長線上で作ったアルバムだと思います。
飯田 : うん、俺もそういうつもりだった。でも、沖山君はそれが遂行できたけど、俺の場合はやっぱり前に出たくなっちゃって(笑)。でも、スタート地点で一歩引いてたおかげで、以前よりメリハリがはっきりしたと思う。トータルの手数でいうと今回は少ないんですけど、それでもすごく満足感がありますね。
――みんなのそういう変化って、まなっちゃんの気分に呼応した結果みたいなところもあるのかな。
工藤 : ああ、それはあるのかも。今回のアルバムって、メンバー全員の素直な性格が表れたアルバムだと思ってるんですけど、それって私からすると真夏の歌詞から受けた影響も大きくて。今回のアルバムには、私の知っているこの10年間の真夏が、たぶんいままでで1番素直に表れてるんです。いいところも悪いところも含めてぜんぶ(笑)。パブリック・イメージとは違う、素に近い彼女がでている感じがする。で、その歌詞を見たら、それに音をぶつけていく自分が素じゃなかったら失礼な感じがして(笑)。そういうところで変なプライドを持ちたくなかった。真夏の素直な歌詞に自分も寄り添っていきたいなって。
――つまりそれって、まなっちゃんの実像とパブリック・イメージがすこしずれてきた感じもしてたってことなのかな?
工藤 : いや、もちろんみんなからのイメージ込みの彼女だと思ってますよ。みんなが思っているような真夏もたしかに彼女のなかにはあるんです。ただ、そこはやっぱり人間だし、真夏もその一辺だけではないので。みんなが知らない真夏の姿もここには込められている。そういう感じなんです。
――まなっちゃんのイメージをざっくりいうと、天真爛漫で明るくてパワフルっていう感じだよね。それとは違う、彼女のもう少し影のある部分がこのアルバムからは見えるってことなのかな。
工藤 : そうですね。影もあるし、もっとやんちゃな部分もあるし(笑)。プンプン怒っているところもある。
あんな人間、見たことなかった。とにかくパワーがすごくて。
――そもそも歩里ちゃんとまなっちゃんはなにがきっかけで仲良くなったの?
工藤 : 高校一年でクラスが一緒になったんです。私は小中高一貫で通ってたんですけど、真夏はそうじゃなかったから、誰も知り合いがいなかったんですよね。そこで真夏が「私、誰も知ってる人いないんだ」って話しかけてくれて。それで私も合わせて「私も」とか言って(笑)。それからはなにかと一緒になるタイミングも多くて、友達になりました。
――最初から好印象だったんだ?
沖山 : さすがだ。最初から空気を読んでない(笑)。
工藤 : そんな人がいきなり登場したもんだから、まわりからすれば「え、あの子は何者?」ですよね。あんな人間、見たことなかった。とにかくパワーがすごくて。
――その時点でいまのキャラができあがってるね(笑)。沖山くんと飯田くんが初めて会ったときもそんな感じだった?
沖山 : テンション的にはそうだったかも。あとはとにかく見た目が派手だった。僕らが初めて会ったときは金髪だったし、舌にピアスもあったし(笑)。
飯田 : コピバンをやるってことで、俺が友人からまなっちゃんを紹介してもらうことになったんです。それではじめて待ち合わせで会ったときは、衝撃的だったね。とにかく派手でうるさいやつがいた(笑)。
沖山 : 化粧もいまより濃かったよね(笑)。
飯田 : あれはなんだったんだろうね。パンクスでもないし、ギャルでもないし。
――当時から独自のスタイルがあったんだね(笑)。
飯田 : 見たことがないタイプの人でしたね。
――そこですぐにおもしろい人だと思った? それともちょっと引いたのかな。
飯田 : ぶっちゃけ半々でした(笑)。でも、とりあえず1回コピー・バンドをやろうくらいの話だったから。まさかここまで深い付き合いになるなんて、とても思ってなかった。
沖山 : たしかに怒ってたね(笑)。
飯田 : 怒ってたというよりは、尖ってたんじゃない?
工藤 : でも、いまよりもはるかにキレる沸点が低かったよね(笑)。
飯田 : 確かに(笑)。でも、いまはよほどのことがない限り、めったに怒らないよね。
――まるくなったな、と(笑)。
飯田 : それは本当に思いますよ。なんだかすごく大人というか、俺がいうのもおかしいけど、成長したよね。
沖山 : 当時って、ライヴハウスの先輩とか、年上の人たちと遊ぶことが多かったんですよね。それがSEBASTIAN Xをはじめたことによって、自分たちよりも若い年齢の子がライヴを見に来るようになった。それで自分の見られ方を自覚したんでしょうね。「もっとちゃんとやらないと!」みたいな責任感が生まれてきたんだと思う。そのへんからいろいろ変化していったような気がします。
――まなっちゃんも「私、けっこう姉御肌なんで!」って言ってた。
飯田 : (笑)。でも、出会ったころはそういうイメージじゃなかったな。それこそ天真爛漫というか。でも、いまはすごくまわりに気を回すんだよね。昔はもっとわがままだった。
工藤 : そういえば、「DNA」の歌録りのとき、真夏といろいろ話してたんです。「録った歌に納得がいかない。なにか足りないんだ」と真夏が言ってたから、私は「ちょっと大人になりすぎたんじゃない?」って。それこそ、真夏は怒りみたいな負の感情に蓋をしすぎてたと思うんです。明るいパワーは大切だけど、それとは違うダーク・サイドのパワーを出してもいいんじゃないかって。彼女はいろいろ考えすぎてたんですよ。「自分が先走り過ぎたら、他の3人はどうするんだろう」とか。プロモーションとかエンジニアの仕事についてもいろいろ気をまわしてた。でも、そこはもうちょっとこっちに頼ってほしかったんです。真夏には曲にパワーを集中させることだけ、考えてほしかった。
沖山 : たぶん、彼女の中では相反したものがあって。「これは私にしかできない」と思っている一方で、「なんで私がやらなきゃいけないんだろう」っていう気持ちも、きっとあったと思うんです。そこをサポートする役目を各々で考えたのが、今回のアルバムなのかも。
――飯田くんはどう?
飯田 : いま歩里の話を聞いてて、さすがだなと思った。だって、俺はむしろまなっちゃんに気を使わせちゃってた方だからさ。たしかに彼女は姉御肌で頼りになるところがあるので、そこで俺が気負わせたところはあったと思う。それにいま気づきました(笑)。
――でも、まなっちゃんも飯田君にはのびのびやってほしいと思ってるんじゃない?
飯田 : どうなんですかねえ。
工藤 : バランスは取れてると思うよ(笑)。
今回のアルバムをつくるときに、初めて「真夏ってなんだろう」と考えたような気がする。
――そういえば、初めてみんなに取材させてもらったとき、まなっちゃんがみんなの役割をたとえてくれたことがあって。
飯田 : あった! 服の着せ方ですよね(笑)。
――そうそう。裸のまなっちゃんに服を着せるのがこの3人だと。そこでオシャレにしてくれるのが歩里ちゃんで、飯田くんは機能性重視。で、そのふたりが外見を決めてくれたあとに「肌着くらいは着たほうがいいよ」と言ってくれるのが沖山くんだって。
工藤 : その話ウケるわー(笑)。
――その関係性ってどう? 変わった?
工藤 : そこは変わってないよね。
飯田 : 基本はそうだね。でも、当時はそれだけで乗り越えられたけど、いまはもっとほかの側面も出てきたというか、もっと複雑になったと思う。それこそ俺がまなっちゃんを気負わせちゃったこともあるわけだし。だから、その話が僕らの関係性を象徴しているのかというと、いまはそうじゃないのかもしれない。
工藤 : だって、真夏がどういう人物かなんて、これまで考えたことなかったもん。私たちは近くにいすぎたからさ。今回のアルバムをつくるときに、初めて「真夏ってなんだろう」と考えたような気がする。それもやっぱり、彼女の詞を読んだことがきっかけなわけだし。
――ちなみに、歩里ちゃんがどの曲の歌詞がいちばん「真夏らしいなあ」と思ったのかな?
工藤 : え! それは難しいなあ。どれだろう…。
沖山 : 僕は正直、制作中に歌詞のことはあまり考えてなくて。むしろできあがったものを聴きながらようやく読むんですよね(笑)。で、まさに昨日それをやってたんですけど、そこで思ったのが、僕らが自主で初めてつくった『LIFE VS LIFE』の感じに少し似ているってことで。なんとなくだけど、あそこに戻ってきているような感じはしてます。
――結成して5年半で一周まわってきた感じがしてるんだ?
沖山 : そうなのかもしれないし、自分たちが変化したことを受け止めたうえで、もう一度最初の自由な状態に戻ったのかなって。ちょっと頑張りすぎてたころもあったと思うし。そういう意味では、今回はがんばりすぎてないというか(笑)。変に根を詰めすぎずに楽な気持ちで臨めた。今回も焦りはあったんですけど、レコーディング直前でいい感じに開き直れたというか、変な自信が沸いてきちゃったんですよね(笑)。2~3日前までは「やばい、やばい」って言ってたんですけど。
飯田 : 一周した感じは『ひなぎくと怪獣』に表れてたと思う。その一周した強みに新しい要素を加えたのが今回のアルバムなのかな。
――なるほど。さて、歩里ちゃん。なにか思い浮かびましたか。
工藤 : はい(笑)。ちょうどいまの話とつながりそうなんですけど、「つきぬけて」と「DNA」ですね。レコーディングで「つきぬけて」を最初に合わせたときが、本当に鳥肌ものだったんですよ。それが今回のアルバムの片鱗になってる。いいも悪いもすべてひっくるめて突き抜けるっていうあの曲のパワーが、「DNA」につながったと思う。で、「DNA」は「すべては連なっている」みたいなことがテーマだと思うんですけど、それで思い出したのが、高校生のときに真夏と話したことで。真夏、「いま持ってるお金を自分のものだと思ってない?」って私に話しかけてきたことがあって。そこで私は「え、どういうこと?」と(笑)。そうしたら「それはまわり回っているもので、誰のものでもないんだよ。みんなのもの。自分のものだと思うな!」って(笑)。
――まなっちゃん、おもしろいやつだなあ(笑)。
工藤 : そういう精神が当時からいままでずっと変わってないんですよね(笑)。ぜんぶがぜんぶ、つながってるって。
沖山 : そういうことを言っておきながら、ちゃっかり奢ってもらったりするしたたかさも昔から変わってないよね(笑)。
飯田 : でも、確かにまなっちゃんってそういうところあるよね。個人の欲望とかはどうでもいい、みたいな。自分の欲に囚われず、物事を広く見ていると思う。でも、それがまなっちゃんの根本なのかな。正直、俺にはまだまなっちゃんの深いところがわかってないのかもしれない。「彼女は彼女、自分は自分」みたいなところが俺にはあるから、そこまで彼女の内面にこだわってないんですよね。
――でも、SEBASTIAN Xって、そのまなっちゃんと飯田君のあいだで生まれるテンションが面白いよね。飯田君にしかわからないまなっちゃんもあると思うし。
飯田 : それはきっとそうですね。
――あと、まなっちゃんがここ何年かで変わったのは、フロントマンとしての意識だよね。昔は「私、別にロック・スターになりたいわけじゃない。まなっちゃんでいたい」と言ってたんだけど。そこはみんなから見てどうかな。
沖山 : そこは変わりましたよね。特に08~09年頃って、自分の顔がTVやお店のポップに映るのもすごくいやだって言ってたし。それから考えると、いまはだいぶ変わりましたよね。
工藤 : いろんな時期を経て、ようやくどこでも真夏らしく振る舞えるようになったんだと思う。それに伴う責任感もあると思うけど、いまはすごく自然体でやれてるよね。
飯田 : だから、本当に大人になったんだよ。出会ってから今日にいたるまでの流れをひとことで言い表すと、それに尽きると思う(笑)。
いまは「ちょっとこいつには敵わないな」と思ってる(笑)。
――結論は「まなっちゃんは大人になった」か(笑)。じゃあ、そろそろ締めに入ります。それぞれ「まなっちゃんの頼もしいところ」を教えてください。
工藤 : 統率できるところですね。みんなの意見をまとめてひとつにできること。それは他の3人にはできないから。
――やっぱりリーダー感があるんだね。
沖山 : でも、こうして長い付き合いになってきたからわかるんだけどさ。バンドをはじめたころはまなっちゃんのリーダーシップに基づいた形で進めていかないと、まなっちゃん自体がその集団を維持できなかったと思う(笑)。たとえば民主的に多数決ですべて決めるような感じだったら、きっとまなっちゃんは崩壊してたよね(笑)。彼女のやる気をキープするためにも、みんなで彼女が引っ張っていきたい方向にいったというか。だから、彼女にリーダー的な素質があったかどうかはわからないけど、彼女のリーダーシップがこの長い活動期間を経て培われたものであるのは間違いないですね(笑)。僕らも彼女が大人のリーダーになることに少なからず関わっているというか。
飯田 : ホントそうだね(笑)。そういう意味では、前は本物のリーダーではなかったのかもしれない(笑)。でも、いまは素直にそう思ってますよ。前からすごい人だと思ってたけど、僕はそれ以上に彼女への対抗意識も強かったんです。でもいまは「ちょっとこいつには敵わないな」と思ってる(笑)。でも、俺も、もっとがんばらなきゃなって。
沖山 : あと、やっぱり単純にステージ上の彼女は頼もしいんですよ。彼女の歌への信頼は一度も揺らいだことがないんですよね。歌い手としてすごくタフ。咽喉もこわさないし、体調もあまり崩さないから。
飯田 : フィジカル面は頼もしいよね(笑)。たしかにライヴでまったく声がでなかったことなんてないもんな。あと、なんだかなんだ言いつつ、困った時に俺のことを助けてくれるんですよね(笑)。俺が落ち込んだときとか、ホント「姉御肌だな」って思うことが最近は増えたなあ。
沖山 : 精神的なレベルで差がつけられたね(笑)。
――じゃあ、最後におまけで。まなっちゃんは「そろそろなにか楽器をはじめます」とずっと言い続けていますが、いまだにその気配がありません。そこに関してみんなはどう思ってますか。
工藤 : あれ、人に貸したまんまになってるんだよ(笑)。
飯田 : もう、絶対にやらないよね(笑)。でも、微妙にちょっとずつピアノは触れるようになってきてるよね?
工藤 : そうだね。そういえば、この前も「ギターやる!」って言ってたよ?
沖山&飯田 : 絶対にない! (笑)
永原真夏より、3人には秘密でメッセージをもらいました!
3人がわたしについて語るインタヴューということで、どれほど讃え持ち上げてくれるのか、あるいはどれほど罵詈雑言をブチ撒けてくれるのか、楽しみ半分、不安半分で待ち望んでおりました。
が、文字に起こされたインタヴューを実際読むと、そこには等身大の自分が居たのでした。
わたしの音楽人生のほとんどを共に過ごしてきた彼らが云うんだから、おそらくこの内容に間違いは無いんでしょう。3人とも正直者だし。下手な情報操作をしないくらいには、善良な人たちです。
これを読んで。そうだなあ。
日本一天真爛漫なリーダーリップを誇り、良くも悪くも沢山の遊びを知っている大人として、歌いながら指揮をとっていこうと思います。これからもよろしく。
(SEBASTIAN X /永原真夏)
SEBASTIAN Xの過去作はこちら!!
LIVE INFORMATION
SEBASTIAN Xワンマンライブ
2013年8年24日(土) @吉祥寺WARP
SEBASTIAN Xツアー2013 POWER OF NOISE
2013年9月14日(土)@札幌COLONY
w / うみのて、本棚のモヨコ 、オトノエ
2013年9月20日(金)@高松DIME
w / THEラブ人間、ユナイテッドモンモンサン and more
2013年9月27日(金)@広島4.14
w / パスピエ、SuiseiNoboAz、ガール椿
2013年9月28日(土)@岡山ペパーランド
w / パスピエ、うみのて、SuiseiNoboAz
2013年9月29日(日)@米子AZTiC laughs
w / キュウソネコカミ、うみのて、森山らきあ、BIBA FREE
2013年10月4日(金)@新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
w / きのこ帝国、パスピエ and more
2013年10月5日(土)@水戸SONIC
w / チーナ、チャラン・ポ・ランタン、POCALIS
2013年10月26日(土)@福岡Graf(ワンマン)
2013年11月9日(土)@仙台PARK SQUARE(ワンマン)
2013年11月16日(土)@名古屋アポロシアター(ワンマン)
2013年11月17日(日)@梅田シャングリラ(ワンマン)
2013年11月22日(金)@恵比寿リキッドルーム(ツアー・ファイナル・ワンマン)
RUSH BALL 15th
2013年9月1日(日)@泉大津フェニックス
GLICO LIVE "NEXT"
2013年9月16日(祝月)@大阪Music Club JANUS
BEPPU MUSIC Fes Vol.8
2013年10月12日(土)@大分 別府 立命館アジア太平洋大学 スチューデントホール(E棟2F)
DIVING ROCK 2013 in KANAZAWA
2013年10月13日(日)@金沢Eight Hall / AZ / vanvan V4 / ミリオンシティ
たぬき♨音楽祭
2013年10月20日(日)@島根 来待ストーン
PROFILE
SEBASTIAN X(セバスチャン・エックス)
沖山良太(Dr)@okymd
永原真夏(Vo)@manatsu_injapan
工藤歩里(Key)
飯田裕(Ba)@SEBA_iida
2008年2月結成の男女4人組。2009年11月6日に初の全国流通盤となる『ワンダフル・ワールド』をリリース。その後も2010年8月に 2nd Mini Album『僕らのファンタジー』、2011年10月、1st Full Album『FUTURES』、 2012年7月、3rd Mini Album『ひなぎくと怪獣』とコンスタントにリリースを続ける。 独特の切り口と文学性が魅力のVo.永原真夏の歌詞と、ギターレスとは思えないパワフルだけど愛らしい楽曲の世界観が話題に。ライブパフォーマンスとキャッチーなキャラクターも相俟って、シーンでも一際目立ちまくっている存在になっている。そして、2013年4月に初のシングル『ヒバリオペラ』、そして同年8月、フルアルバムとしては2年ぶりとなる『POWER OF NOISE』をリリース。
>>SEBASTIAN X Official HP
>>SEBASTIAN X Facebook
>>SEBASTIAN X Twitter
SEBASTIAN X OTOTOYの特集記事を総復習!
2013/04/10 『ヒバリオペラ』リリース! 春告ジャンボリー開催!
2012/07/10 新作完成記念! 永原真夏と巡る高円寺・古着屋の旅
2012/04/03 SEBASTIAN X presents『TOKYO春告ジャンボリー』インタビュー
2011/09/28 『FUTURES』リリース記念 永原真夏×ヌケメ対談
2011/01/26 配信限定シングル「光のたてがみ」インタビュー
2010/07/28 2ndアルバム『僕らのファンタジー』インタビュー
2010/07/04 今、東京インディー・シーンで起こっていること
2009/11/05 『ワンダフル・ワールド』 インタビュー by 渡辺裕也