剥き出しの熱情を鳴らすライヴバンドはいま何を思う? ──突然少年 × 西村仁志(新代田FEVER代表)
2014年、都立高校の軽音楽部で結成されたロック・バンド、突然少年が新アルバム『心の中の怪獣たちよ』をリリースした。本作は、2020年7月に加入した新ドラマー、岩本斗尉が加入してはじめての音源作品だ。新たな気持ちで音楽に取り込む彼らの抑えられない熱が込められた力強さが詰まった作品となった。日本全国津々浦々のライヴハウスをホームに、生粋のライヴバンドとして活動する彼らが、「いまできることはなんだろう?」という問いに真正面から向き合って完成した今作のリリースを記念して、今回はライヴハウス新代田FEVERの代表、西村仁志との対談をお届けしよう。
バンドとして、いまできることを詰め込んだ全9曲
INTERVIEW : 突然少年 × 西村仁志(新代田FEVER代表)
剥き出しの衝動を武器に音を鳴らすロック・バンド・突然少年。彼らは年間150本近くのステージに立つ、正真正銘のライヴバンドである。一方、西村仁志は下北沢SHELTERの店長を経て、現在は新代田のLIVE HOUSE FEVER(以下、FEVER)の代表を務め、これまでに数々のバンドのステージを見届けてきたロック・シーンにおける重要人物。今回はそんな2組に「ライヴハウスのステージに立つ者」と「ライヴハウスを守る者」の視点で、対談を行ってもらった。いまコロナ禍の影響で満足にライヴが行えない状況を両者はどう見ているのだろう? そして、これからどこへ向かっていくのだろうか。
インタヴュー&文 : 真貝聡
写真 : 宇佐美亮
泥臭い挑戦とかいままでになかった試みも「やってみようよ」と言ってくれる大事な場所なんです
──今日は突然少年とFEVERの代表・西村さんの対談ですけど、2組の出会いから教えてください。
西村仁志(以下、西村) : はじめてウチ(FEVER)に出たときのことって覚えてる? 俺、あんまり記憶がハッキリしていなくて。
カニユウヤ(ラヴアンドギター / 以下、カニ) : ええっと……。
戸田源一郎(ベースコーラス / 以下、戸田) : 神々のゴライコーズと2マンをしたときかな?
大武茜一郎(ヴォーカルギター / 以下、大武) : どうだっけ……。
西村 : まあ、みんなわからないということで(笑)。僕が突然少年というバンドを認識したのは、ステージを観たとかじゃなくて噂話からなんですよ。「〈閃光ライオット〉で優勝したバンドはレーベルと契約するのが通例なんだけど、それを突っぱねたバンドがいるらしいよ」という話を聞いたのが最初で。
大武 : あ、そんな話が流されていたんですか(笑)。
西村 : うん。それがはじめて突然少年の名前を認識した時。その後、〈RR– COFFEE TEA BEER BOOKS –〉(FEVERに隣接するコーヒー・ショップ)で店長をやっている彩(西村の妻)が突然少年のライヴを観に行って「あのバンド良かったよ」と教えてくれたんだよね。
大武 : だからなのかな。僕が〈全感覚祭〉のボランティアに参加した時、隣にRRも出店していたんですけど、僕に対して彩さんがすごく優しく接してくれたんですよ ね。それはライヴが良かったからなんですかね?
西村 : アハハハ、そうかもしれないね。振り返ると、俺は下北沢SHELTERの店長を20代前半から10年近くやらせてもらって、33歳の頃にこのFEVERを作った。気づけばライヴハウスのキャリアも長くなってきたけど、昔から音楽知識が長けているわけでもないし、ギターが弾けるわけでもなくて。プレイヤー側じゃないから終演後に「どうでしたか?」と聞かれるのも好きじゃないし、「今日のライヴはこうだったね」と言うのも好きじゃない。ライヴハウスの人って熱い人間が多い中、自分はドライなタイプだと思ってて。だからバンドの印象を直接伝えることはなかったですけど、突然少年に対しては泥臭いことをやっているのが良いなと思ったし、ちゃんとライヴを観るようになって、実は今の時代にいそうでいないバンドだと思っているかな。
──突然少年の皆さんから見て、西村さんの印象は?
大武 : えっと…… 今日は対談だから目を見て話してますけど、普段は目を見られないくらい緊張します。
戸田 : 1990年代後半から2000年代の映像でbloodthirsty butchers、キウイロール、HUSKING BEEやゆらゆら帝国…… 言い出したらキリがないですが僕らの大好きなバンドの多くに下北沢SHELTERでライヴしているものがたくさんあって。学生の頃からよく見て漁ってはメンバーと共有していたんですけど。その頃に店長をやられている方は誰だったんだろうと調べたら西村さんが出てきたんです。前に西村さんとKEN YOKOYAMAさんが対談されている記事も読んでいました。本当に昔から一方的に知っている方だから、はじめてお会いした時はすごい緊張したのを覚えてます。
大武 : いまでこそ、都内のライヴハウスの中でもFEVERはめちゃくちゃお世話になってて。コロナ禍で僕らがはじめて配信ライヴをやったのもココでした。西村さんが僕らに対して「泥臭くやっている」と言ってくれましたけど、そんな泥臭い挑戦とか、いままでになかった試みも「やってみようよ」と言ってくれる大事な場所なんですよね。あと個人的な話ですけど、今年に入ってから僕はFEVERでアルバイトをさせてもらってて。今日は突然少年としてもいろいろ聞きたいし、イチアルバイトとしてもいろいろ聞きたいなって(笑)。
──FEVERでは、基本的にバンドマンをアルバイトに採用しないそうですね。
西村 : そうです。とある時からバンドマンは採らないと決めていたんですけど、採っちゃいましたね(笑)。やっぱりバンドマンって何よりもバンドが1番じゃないですか。いまは昔と違ってカッコいい音楽をやりながら、カッコいい仕事をしている先輩も増えてはいますけど、アルバムを出したらリリース・ツアーで全国を飛び回るから、雇ったとしても数ヶ月間はバイトに入れなくなってしまう。それって雇う側としては、やりにくいのがあって。あるタイミングからバンドマンは難しいかなと思うようになりました。
──理由は納得できます。では、どうしてせんちゃん(大武)をスタッフに採用したんですか?
西村 : ウチで主にブッキング担当をしている浦本という人間が、前々から突然少年のことを気にかけていて。ある日「突然少年のメンバーがバイト先を探してて、FEVERで働きたがっているらしいです」という話を聞かされたんです。浦本が良いと言うなら雇ってみようかなという感じで。かなり久しぶりにバンドマンを採用することにしました。
──じゃあ、今回は特例なんですね。
西村 : AAAくらい特例です。バンドマンがダメって言うと誤解を生むかもしれないですけど、バンドマンにはバンドを頑張ってもらいたい。だからお店のスタッフじゃない方が純粋に応援しやすいという理由からなんです。ただ、せんちゃんが入ったタイミングは1人でも欠けたらヤバい、という状況じゃなかったから、どうにかなるかなというのと、楽しく働けたら良いかなと思って。「履歴書を持ってきてね」と言ったら、次の日くらいに用意してきてくれて、その場で採用したと思います。働いてみてどう?
大武 : スタッフのほとんどが男の人たちなので、すごく居心地良いです。変に可愛い子がいたら…… 恋をしちゃったりするんで(照)。
──アハハハ。仕事どころじゃなくなっちゃう。
大武 : その心配がないので、すごく働きやすいです。
──突然少年のライヴについてはどう見てますか?
西村 : 彼らはなんとなくバンドをやって、なんとなく名前を広げていったバンドじゃないことはライヴを観たら一発でわかります。今後も良い意味でやりたいことを表現してほしいと思います。先日はウチで配信ライヴをやりましたけど、そのときも「突然少年が突然少年しているな」って印象でしたね。
戸田 : ありがとうございます。配信ライヴをやらせていただいて、やっぱりライヴハウスで音を鳴らすことは気持ちいいなって思いました。
──みなさんにとってライヴハウスは、どういう場所ですか。
戸田 : ライヴハウスって友達に会いに行く感覚なんですよね。対バンのときには戦うライバルになったりもしてしまいますが。一番はじめの入り口は先輩や友達のライヴを観に行ってそこに行けば仲間がいて。僕にとって今も変わらず唯一の遊び場です。
西村 : 自分たちのライヴがないときも、ほかのバンドの演奏を聴きに行ったりしてた?
戸田 : してましたね。それこそFEVERもそうですし、SHELTERにもよく行ってました。はじめてSHELTERに行ったのは今でも忘れない、高一の頃にせんちゃんと行った脳性麻痺号やSUPERDUMBが出ていた〈Less than TV〉のイベントでした。FEVERでtoldとCrypt Cityを観たのって高校生だっけ?
大武 : そうだね。あとはskillkills、toddle、PENs+とかもいた。そういえば、僕よりも3歳年上のお姉さんで中学生のときにTHE BACK HORNを教えてくれた人がいるんですけど、はじめてFEVERへ行ったらその人と数年ぶりに再会して。「あ、久しぶり!」「ああ! 先輩は誰を聴きに来たんですか?」「Crypt Cityだよ!」という会話をしました。おしとやかそうな人なのにCrypt Cityを聴くんだ、と思って驚いたのを覚えてます。それぐらいはじめてのFEVERは濃い思い出が詰まってますね。
全部の感情が生まれるのがライヴで、それを鳴らせる場所がライヴハウス
──新作『心の中の怪獣たちよ』に収録されている“フロムアンダーグラウンド”でも、ライヴハウスは非日常の場所であると歌っているように、思いも寄らないドラマが起きますよね。
大武 : いまになって思うと、非日常なものが僕らバンドにとっては日常だったんです。それが当たり前になっていた。コロナになって気づかされたんですけど、楽しい感情はなんとか作り出せるなって思うんですよ。部屋に閉じこもって音楽を聴いたりとか、ゲームをやったり、YouTubeを観たりすれば。だけど「悔しい」って感情を抱くことは、バンドをやるまであんまりなかった。そうやって全部の感情が生まれるのがライヴで、それを鳴らせる場所がライヴハウス。だからステージに立てなくなったときに、どこか張り合いがなくなったというか。
──今回のコロナ禍によって、ライヴハウスではどのようなことが起こりましたか。
西村 : 単純にいつもやっていたルーティーンがなくなって、最初は掃除くらいしかないわけですよね。でも、それだとお金は生まれない。
──それで配信をするようになった。ライヴハウスの中でもFEVERは特に早かった印象があって。
西村 : 最近になって言われることが多いですけど、決していち早く配信をするぞ、と意識していたわけでもなかったです。たまたまウチのスタッフでPCに詳しい人間がいたから出来ただけで。他のライヴハウスはやり方も分からないから、実施してないこともあったみたいですね。たまたまやってみたら功を奏したのかなと思います。とはいえ、配信をやっているだけでお店がキープすることは難しいんですけどね。バンドにもお金が生まれて、ライヴハウスにもお金が生まれて、お客さんが喜んでくれる形を作るのは簡単ではないと分かりました。
──少しずつですけど、人数制限をしながらライヴを行うアーティストが増えていますよね。
西村 : ウチはいま最大50人キャパでやっています。もうちょっとお客さんの人数を増やしていきたい気持ちと、まだまだセーブした方が良いよなと思う気持ちとどっちもあって。ほかのライヴハウスのやり方はわからないですけど、この状況があと1年続いたらどこもヤバいことになるのは分かってて。いや、もうヤバいんですけど、さらに持たなくなるのは分かってます。だからこそ「来年どうするか?」という意識が自分の中では高くなっています。違う形でおもしろいことが出来ないかなと考えて、1ヶ月前からバンドのTシャツの受注と制作と発送までFEVERで行う取り組みをはじめました。全バンドのアイテムが飛ぶように売れているわけではないし、お客さんの遣えるお金が決まっているのも分かっているので、無理強いしない程度におもしろいことが今後出来ていったらなと。
──アーティスト側の意見もお聞きしたいんですけど、コロナになるまで突然少年は年間150本以上のライヴを行なっていました。今回の一件で、いままでと違う音楽の届け方をしようとか、新しい取り組みは考えていますか。
戸田 : 逆に、新しいことはぜんぜん考えてなくて。いかにライヴができなくなる前と今で変わらないことが出来るかを意識してます。曲を作って披露させてもらえる場所や待ってくれてる人達が居るならば力尽きるまではどこへでも行きたい。というかライヴハウスで音を鳴らすのがやっぱ好きだからそれが出来るならどんな形でもやりたい。この期間に再確認したりはしますが、やれることはバンドをはじめてから今も何も変わらない気がしています。
大武 : いかにいまの現状に押しつぶされないようにタフにやるかが大切だと思います。いまこういう状況だからこそ、僕らもお客さんも「配信ライヴもありがたいけど、やっぱりこの音を身体中で浴びたい」という欲求が増幅しているんじゃないかなと思うんですよ。だからお客さんや友だちが久しぶりに観に来てくれた時には「すごい音を浴びたな」と感じてもらえるように鍛えておかなきゃと思ってます。
──今作にいまの状況は反映されていますか?
大武 : 良いのか悪いのか、昔の生活を立ち返ってそういう日々を思い出したり、会いたいけど会えない人のことを思い浮かべたりとか、いままで気にしないようにしていた普段の生活とか。僕はライヴがないとこんなにだらしない感じなんだなと気づいたし、背を向けていたことで直視しないといけないものがいっぱい出てきたので、それが自ずとテーマになっていったと思いますね。自分自身はどういう人間で、突然少年はどういうバンドなんだっけ? ということはすごい考えました。
──FEVERで配信ライヴを行ったとき「“台風一過”はいまの状況だからこそ作れた」と話してましたよね。
戸田 : はい。ただ僕からすればこのタイミングというよりかは、毎日自分についてとか、何かについて考えることはずっと変わらないことで。変に心配性なんですね。だから自然とそのときに感じたことを書いたっていう。あの時のMCもきっとそうで意識的にこの時期だからとか、ライヴができないから生まれた曲というよりかは、いまの感情だなって。
──アルバム『心の中の怪獣たちよ』を聴いて、西村さんはどんなことを感じましたか?
西村 : 先ほどお話しした突然少年が突然少年をしているなっていう感じでしたね。今日もそうなんですけど、少しずつ知らない大人が絡み出してきたでしょ?
大武 : ハハハハ、そうですね。
西村 : そういうときに構えちゃったり、ちょっと気取っちゃったりする人もいるかもしれないけど、この4人はそのまんまだった。そこはすごく安心しました。決して若い子だけに刺さるアルバムになってないのが良いところだなって。僕は45歳なんですけど、ちゃんと共感できたし、中身がこもっている印象を受けました。
大武 : なかなか、こういう感想って聞けないからうれしいです。
別れた彼女に対するエネルギーはバンドをやる上で、ずっと燃えている
──せっかくの対談なので、せんちゃんから西村さんに聞いてみたいことってありますか。
大武 : 最近会う人みんなに聞いていることなんですけど、西村さんの初恋の話を聞きたいです。はじめて付き合ったのはいつですか?
西村 : 中学生のときは弓道部に入ってて。同じ部活の子に告白をされて付き合ったのがはじめての彼女だった。
大武 : どういうところが一番好きでした?
西村 : 俗にいう一歩引くタイプの子だった。ガンガン来るんじゃなくて、常にニュートラルなところが好きだったと思う。
大武 : それはいまに活きている感じですか?
西村 : ん?
大武 : いまのお仕事にも活きてますか?
西村 : 活きているんじゃないかな。10年間付き合ったからね。
大武 : へえ! じゃあSHELTERで店長をしていたときも付き合っていたんですか。
西村 : そうだね。SHELTERで働いていた時は365日、打ち上げをしているような感じだったの。とりあえず酒がどんどん売れて、飲み屋みたいな状況になってた。当時、俺は店長になったばかりで、頑張りすぎて心が不安定になっていたときに「俺は飲み屋の店長になりたくていまの仕事に就いたんじゃねえ!」と彼女の目の前で一度だけ泣いたことがあった。…… まあ、そういう愚痴を聞いてくれる彼女でした。別れてから一度も連絡を取ってないし、元気にしているか分からないけどね。
大武 : 会いたいですか?
西村 : 長い時間を過ごした人だから、会えたら会いたいけどね。ただ、会ったところで何を話そう? って感じじゃないかな。
大武 : そうだったんですね……。
西村 : せんちゃんはそういうことばっかり聞いてるの?
大武 : 最近は聞くようにしてて。というのも恋愛の経験から、その人の人となりや人生が見えてくるなと思って。とても勉強になりました。
──ちなみに、せんちゃんは何年経っても忘れられない女性っています?
大武 : いますね、います。その子は一生忘れられないというか、毎年冬になると夢に出てきますね。
──その人との思い出はいつ頃ですか?
大武 : それは高校のときに付き合っていた子です…… はい。
──ふふふ、それだけですか?
大武 : ふふふ。散々人の初恋を聞いておいて、すいません。メンバーの前だと恥ずかしくて(笑)。
──僕の仲間内では「恋愛話はギブアンドテイク」という言葉がありまして。相手から聞き出した分、自分もお返しするという(笑)。
大武 : まあ、そうですよね。高校を卒業して「バイトをしながらバンドでやっていくぞ」と決めて、もはや頭の中がバンドのことだけになっちゃって。僕の方から連絡をしなくなっちゃって、結果的に向こうから「別れましょう」と言われました。それから時間が経って一呼吸をおいたときに、彼女のことを思い返すと「すごい好きだったなぁ」と思って。だけど気づいた頃にはもう遅い。ちゃんと伝えられなかったというか、未だに悔いが残っているんです。そのエネルギーはバンドをやる上で、ずっと燃えている感じはあります。
──彼女のどこが好きだったんですか。
大武 : 僕が人を好きになる上で、声ってすごい大事なポイントになってて。その子の声がすごく好きでした。あの…… いま思い出したことがあるんですけど、ある日、カニからMASONNAを教えてもらってMVとかを観てみたんですけど、最初はよく分からなかったんですよ。だけど、別れて「俺は初恋の子をこんなにも好きだったんだな」と気づいたときから、MASONNAの良さが分かるようになりました。
カニ : それってすごい前の話じゃない?
大武 : そうだね。僕は一聴して魅力を理解できる音楽が好きになりがちなんですけど、MASONNAを聴いたときは、ごちゃ混ぜになったいろんなものをドンっと突きつけられた感じがして自分の中で受け止めきれなかったんです。だけどあの女の子に対して、いまの気持ちを伝えられなくて感情がごちゃ混ぜになった瞬間に、MASONNAが刺さったというか。
西村 : その子といまは連絡取れないの?
大武 : 取れます。MVが公開されるときに「今度、突然少年の新しい映像が流れるよ」と伝えるようにしてて、一応チェックしてくれているなんですけど。ただ、向こうにはどうやら彼氏がいるみたいで……。
西村 : まあ、いるわな。
大武 : 一度、どうにか会えないか試行錯誤したんですけど、たぶん会ってくれない感じでしたね。
──ちょっと話題を変えましょうか。岩本さんは突然少年の正規メンバーになって3ヶ月が経ちましたけど、バンドの印象って変わりましたか。
岩本斗尉(ドラムコーラス / 以下、岩本) : 最初に何となく感じていたことが、どんどん拡大されて細かく見えてきている最中という感じで。改めてすごくビックリみたいなことも多々。プラスやマイナスに考えちゃって、混乱の日々です。
──岩本さんの方から、メンバーや西村さんに聞いてみたことや話してみたいことってありますか?
岩本 : そうですね…………。入ってまだまだ手探りが続くので…… これといっては。
(そのまま1分間の沈黙)
岩本 : 逆に、何か聞きたいことあります?
カニ : アハハハ、なにそれ(笑)。
戸田 : アルバムは完成したんですけど、(岩本が)入って3ヶ月なので、いまはもっともっと互いが知りたくて知りたくて仕方がありません。これから長い付き合いになるといいな。
──…… 今日の対談も踏まえて、西村さんからみた突然少年の印象を聞かせてください。
西村 : このように普通に対談をやっても会話の弾まないなかなかな4人組なんだけど(笑)、ステージに立つと輝いて見えるんですよ。だからこそバンドは良いなって。特に、ここ数ヶ月で改めてバンドって良いなと思うんです。デスクトップ1台でやっているヒーリング・ミュージックやダンス・ミュージックも大好きですけど、やっぱりロック・バンドに大きな音で演奏してもらうために僕はFEVERを作ったので、バンド感がちゃんとあって、真正面からぶつかっていく突然少年のようなバンドに出てもらえるとうれしいんですよね。俗にいう純粋培養が高いというか。
──僕は突然少年に対しては輝いてるときの印象が強かったので、こうやってお話しするとすごい素朴な4人組で。今日は良い意味でギャップを感じてます。
西村 : 次に対談する機会があったとして、みんなが流暢に話していたら、それはそれでおもしろいですけどね。
戸田 : 僕らがうまく話せるようになったら、曲が作れなくなっちゃうかもしれないですね(笑)。いろいろな場所でうまく話せないなと思うことがあって、その伝えきれなかった分がエネルギーに代わってるなって思います。さっき(岩本)斗尉のなにも言えない感じも含めて、そう思いました。初恋が叶わないことに似ています。
大武 : 今日は西村さんのことを3cmくらいは知れたかなと思いました。
──残り何cmあるんですか?
大武 : どのくらいだろうな? 2mくらいあると思います(笑)。
西村 : まだまだだなぁ。
編集 : 鈴木雄希
『心の中の怪獣たちよ』のご購入はこちらから
過去作もチェック!
新→古
過去の特集ページ
LIVE SCHEDULE
2nd Album『心の中の怪獣たちよ』RELEASE STREAMING TOUR “Finding KAIJU Tour 2020”
2020年10月22日(木)@東京 新代田FEVER
時間 : START 20:00
出演 : 突然少年 / the band apart
配信URL : https://fever.zaiko.io/_item/331504
2020年10月25日(日)@ 京都nano
時間 : OPEN 18:00 / START 18:30
出演 : 突然少年 / 五味岳久(LOSTAGE) / THE L.B.
チケット予約(15名限定) : http://livehouse-nano.com/reserve1.php
2020年11月08日(日)@山形 酒田hope
出演 : 突然少年 / FRIDAYZ
2020年11月10日(火)@宮城 enn 2nd
時間 : START 20:00
出演 : 突然少年 / KUDANZ
配信URL : https://twitcasting.tv/livehouseenn/shopcart/28931
2020年11月15日(日)@東京 下北沢SHELTER
出演 : 突然少年 / 赤い疑惑
2020年11月23日(月・祝)@愛知県 HUCK FINN
出演 : 突然少年 / mudy on the 昨晩
2020年11月28日(土)@北海道 Spiritual Lounge
出演 : 突然少年 / Pampas Fields Noise Found art
配信URL : https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01khfj118jww8.html
2020年12月6日(日)@鹿児島県 SR HALL
出演 : 突然少年 / ZOKUDAMS
【詳しいライヴ情報はこちら】
https://suddenlyboyz.tumblr.com/live
PROFILE
突然少年 (とつぜんしょうねん)
西東京出身。己をさらけ出し、ただ無心に突き進む姿が観る者の心を突き動かす生来のライヴ・バンド。日本全国津々浦々のライヴハウスが彼らのホーム。
2014年都立高校の軽音楽部で結成。2014年、最後の〈閃光ライオット〉優勝。〈FUJIROCK FESTIVAL‘18〉《ROOKIE A GO-GO》の覇者となり、〈FUJIROCK FESTIVAL'19〉初日の《RED MARQUEE》出演を果たすも、直後にオリジナル・ドラマー脱退。数々のドラマーとの出会いを経て10か月。2020年7月、新メンバーに横須賀出身 21歳のドラマー岩本斗尉を迎え、新しいスタートラインに立つ。
【公式HP】
https://suddenlyboyz.tumblr.com/
【公式ツイッター】
https://twitter.com/memorytrain2012