SundayカミデによるWonderful Orchestra Band始動!──脳内トリップする新たなヒーリングミュージック
バンド、ワンダフルボーイズをメインに、奇妙礼太郎との天才バンドや、やついいちろうとのライトガールズ、そしてソロとしても活動。さらにあいみょんの名曲「ふたりの世界」など多数の楽曲のサウンドプロデューサーを務めるほか、様々なアーティストへの楽曲提供など、多岐にわたって活躍しているSundayカミデ。そして今回「配信ライヴ中の転換曲が欲しい」という発想から、新たにWonderful Orchestra Bandをスタート。新作『The answer to the trip』は、ジャズとヒップホップをベースに、サンプリングにもこだわりのあるインスト全10曲が収録されている。これは、旅をした気分になれる新しいヒーリングミュージックとのこと。多彩なSundayカミデ自身が好きなフレーズをたっぷり収録した新作となっている。
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INTERVIEW : Wonderful Orchestra Band
ワンダフルボーイズをはじめ、天才バンド、ライトガールズなど、いくつもの顔を持つSundayカミデ。そんな彼が新しくはじめたプロジェクトは「Wonderful Orchestra Band」。歌ではなく、全てがインストの曲になっている。しかし、ただのインストではない。各楽曲の中には街で聴こえる車が行き交う音、信号音、人々の会話などが随所に盛り込まれており、歌詞がなくてもハッキリと情景が浮かんでくる。そんな不思議な作品はどのようにして生まれたのか、Sundayに話をきいた。
インタヴュー・文 : 真貝聡
写真 : 山川哲矢
ひたすら気持ちの良いフレーズやエフェクティングにこだわっていて、一言で言うと「優しい音しかない」
──新プロジェクト・Wonderful Orchestra Bandを立ち上げたきっかけはなんですか?
Sundayカミデ(以下、Sunday): 2020年は僕の主宰しているイベント〈Love sofa〉の20周年だったんですよ。だけど3月ごろにコロナが拡大して、ステイホームになったじゃないですか。そのときに配信にすればなんとかイベントが出来るかも、という話が浮上しました。ただ大きな問題があったんです。DJはどうすんねん、と。YouTube配信にすると、著作権の問題も起こるわけで。
──DJの流す楽曲が著作権に引っかかるかもしれない、ということですね。
Sunday : そう。DJの代わりに自分で音を作るしかないと思ったのが事の発端で。本当はDJの人にお願いしたいけど、それができないから「こんな感じの音楽がかかってるといいな」と思いながら作ったのが先行配信した“Good morning beach”でした。ただ、数時間のイベントに1曲では足りないので、最低でも10曲くらいは欲しいなと思って。それが今回の『The answer to the trip』に繋がったというわけですね。
──逆に、コロナがなかったら今回のアルバムは生まれなかった。
Sunday : そう、絶対に作ってない。ジャズとかヒップホップでもインストっぽい音楽はよく聴いていたから好きなんですけど、まさか自分がやるとは思っていなかったです。いざ作ってみたら、シンセサイザーもオルガンもピアノもベースも弾けるし、ひたすら曲が出来た。作業は全然滞ってなかったんですけど、なぜか2年かかったんですよね。
──どうしてですかね?
Sunday : なんでかな。どんどん曲が出来る分、「ここは変えよう」とか、めちゃくちゃ楽しんで楽器を弾きまくったからかな? もっとベースが上手かったはずや!と思って途中で練習したりして、突き詰める作業に時間がかかりました。そもそもリリースする予定じゃなかったので、マイペースに進めていたのもありますね。
──先日のインスタライヴで「今日こそアルバムを全曲聴くぞ!と思っても、いつも途中で寝ちゃう」と言ってましたよね。
Sunday : それを念頭に置いて作ったんです。ひたすら気持ちの良いフレーズやエフェクティングにこだわっていて、一言で言うと「優しい音しかない音楽」。ワンダフルボーイズで作っていた曲とは違うし、天才バンドのように楽器や本人自体の凄みを強調するのとも違う。10人くらいの演奏隊がいて、オーケストラをするイメージですね。