第2部では、森栄子氏(2025年日本国際博覧会協会 機運醸成局地域観光部 審議役兼観光推進課長)、伊藤真人氏(株式会社パソナグループ 常務執行役員)、内橋洋喜さん(本学情報社会学部4年生)の3名をパネリストに迎え、「いのち輝く共創社会」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
パネリストがそれぞれの取り組みを紹介した後、個人や地域、社会で継続して共創に取り組んでいくためのヒントや考えなどを語り合いました。大阪・関西万博の開催に向けてさまざまな共創の取り組みに関わっている森氏は、「共創の活動に対し、自分たちには関係のない、特定の人の集まりだと思っている人がまだ多いのではないか」と指摘。大阪・関西万博では“いのち輝く未来社会”をテーマとして、皆で考えてつくり上げていくことをコンセプトとしており、関連した取り組みが多く実施されていることから「ぜひそれらを活用し、まず行動してつながることから始めてほしい」と語りかけます。
パソナグループの伊藤氏は、「コロナ禍が人との関わりに影響を与えましたが、一方でオンラインやアバターの技術を活用した、新しい形での人とのつながりが生まれています。このような人とのつながりが増えることで人同士の理解が深まっていけば、世界にあるさまざまな対立も減っていくのではないでしょうか」と発言。大阪・関西万博のパビリオン『Natureverse(Nature×Universe)』では、そうした未来の実現を願い、「 “ありがとう”が響き合う世界を共につくろうという世界観で展示を行います」と話します。
内橋さんはゼミ活動で、福祉事業所と大学が地域で連携してお互いの課題解決を目指す、福学地域連携プロジェクトの代表を務めています。福祉事業所でつくる製品を学内等で販売する「くすのきエール・マルシェ」を開催するなどの活動を行い、「事業所は売上が増え、学生は今までにない主体的な学びができ、双方にメリットがあるからこそ継続できたのではないか」と考察します。「活動をする中で、感謝の気持ち、人とのつながり、相手を知ることの大切さに気づけました。また、まわりの多くの人を巻き込んで活動することによって、新しいものが生み出せたと感じています」と、経験から得られた学びについて語りました。
パネリストの発言を受けてファシリテーターを務めた本学森詩恵副学長は、「本学でも共創の重要性を実感しています。共創しながら新たなものを生み出していく“創発”の場となり、新しい価値観をもって社会課題に向き合う学生を育てる大学でありたいと考えています」との決意を語り、パネルディスカッションを締めくくりました。