OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.235
毎週金曜日に編集部セレクトのプレイリスト&コラムをお届けしている『OTOTOY EDITOR’S CHOICE』。8月恒例のOTOTOY Contributorsスペシャルもあっという間に最終回です。夏も終わってしまいますね。はたして暑さも一息つくのか。第4回はフリーライターの岡本貴之が選ぶ “カリスマを感じる” アーティストです。今年の超暑かった夏にも負けない力強い存在たちの楽曲を。
2023 CONTRIBUTORS SPECIAL
自分にとっての “カリスマ的存在”
2023年上半期で一番の話題といえば、BiSHの解散でしょう。僕自身は清掃員ではなかったのですが、イベントで何度かライヴは観ていましたし、デビュー直前にフェス絡みでWACKの渡辺淳之介さんに取材したり、そのフェスの1曲目でBiSの “nerve” のイントロが鳴った瞬間のどよめきと爆発的な盛り上がりなどは、鮮明に覚えています。長年OTOTOYニュースに携わっていることもあり、どんどん昇り詰めていく様子は見てきました。彼女たちがカリスマ的存在だったことは、その後の個人活動への注目度からも伺えます。
アーティストがそういう存在になっていく過程を目撃できることは、滅多にないことだと思いますが、音楽の世界のみならず、今多くの人が自分にとっての強烈な拠り所になる存在を求めているような気もします。そこで今回は、夏休みの中学生のような気持ちになって、自分にとってのカリスマ的存在を頭に浮かべながら10曲をセレクトしてみました。
自由且つ意志の強さを持った2人組illiomoteや、多くの大物アーティストから引く手あまたのギタリストにしてシンガーソングライターとしても才能を発揮するDURAN、大阪を拠点に斬新なバンドサウンドを作り続ける愛はズボーン、海水魚を飼育している人間にとって特別な存在・さかなクン等を選んでみましたが、最近自分が一番気になっているのが、霜降り明星の粗品です。絶対音感を持ちピアノ、ギター演奏も卓越した腕前、ボカロPとしても曲作りをしており、ユニバーサルミュージック内にレーベル〈soshina〉を立ち上げてアーティストとしても活躍している粗品。アニメ『青のオーケストラ』ED曲 “夕さりのカノン feat.『ユイカ』” を手掛けたりと、随所で才能を発揮しています。恐れ知らずで奔放な発言がニュースになったりしていますが、1人2役の「粗品と粗品」で2時間を駆け抜けた先日のオールナイトニッポンはアンチも平伏すしかない超絶話芸で、まさに神がかっていました。プレイリストでは、あのちゃんに「語感が良くて好き」と褒められていた曲を選んでいます。
文・岡本貴之