憲法改正は是か非か 60年の節目に改めて問う 今年の5月3日は憲法施行60周年という節目の日となった。そして、いよいよ憲法改正が現実的な段階に入ってきた。 僕が憲法改正で思い浮かべるのは、高坂正堯さんだ。もう亡くなられたが京大の国際政治学の権威で、今でも僕が学者として一番尊敬している人物だ。民主党の前原誠司、中西寛、坂元一哉、五百旗頭真などは、みんな高坂門下生である。 130億ドルの苦い体験 高坂さんは1990年に湾岸戦争が起きたとき、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」のレギュラーコメンテーターだったが、それまでは護憲論者で、自衛隊の海外派遣は絶対反対だった。 湾岸戦争では、イラクがクウェートを侵略し、クウェートからイラクを追い出そうとする国連安保理の決議が大多数で通った。日本は、国連の多国籍軍に日本が参加するかどうかということで、大騒ぎになっていた。 当時の総理大臣は海部さ