線路の上を滑らかに走ってきた鮮やかな赤色の車体が静かに止まった。8月5日朝、海陽町の宍喰駅に、道路と線路の両方を走るデュアル・モード・ビークル(DMV)が姿を現した。【共同通信論説委員 高山一郎】 前部のタイヤ車輪を引き上げ、代わりに下ろした前後4輪の金属製車輪が線路をとらえる「鉄道モード」だ。だが、金属製車輪は自らは回っていない。専ら脱線防止のためで、動力源はエンジンで回す後部のタイヤ車輪だ。これが線路に働きかけ、車体を推進している。ハンドルは固定、運転手は自動車と同じように足でアクセルとブレーキを操作する。