さまざまなジャンルで執筆活動をした作家の橋本治さんが、2019年1月29日、肺炎のために亡くなりました。 一周忌を迎え、本日1月30日には都内で「橋本治さんを偲ぶ会」が開かれます。いくつもの病気も、億単位の借金も抗わずに受け入れる。橋本さんの言葉にはブレない姿勢が垣間見えます。先行きの不透明な時代において、その言葉は読む者の心に突き刺さります。亡くなる1年半前、弊誌にご登場いただいた際の記事を、再掲します(構成=山田真理、撮影=本社写真部) 心配できるのも贅沢のうち 「人生100年」と聞いて、無条件に「それは素晴らしい」って喜べる人が世の中にどれだけいるんでしょう(笑)。長生きが珍しかった時代なら、紅白饅頭でも配ってお祝いしたかもしれないけれど。現代の私たちの気分としては、「ついうっかり、100歳まで長生きしちゃったらどうしよう」という心配のほうが先に立つんじゃないかな。 心配の第一は、そ