リーマン・ブラザーズ崩壊後、ムダに費やされた悲劇の年月 『現代ビジネスブレイブ グローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より 負債を恐れるより経済強化に重点を置くべき ここで政治のことはさておき、この5年間で、仮に米国政府がマクロ経済学に基づいた政策の実現に向けて実際に行動していたら、どうなっていたか考えてみよう。 つまり、財政逼迫と不動産の破綻の影響の穴埋めのため、雇用創出に力を入れ、民間セクターが景気後退に対応できるようになるまで、金融引き締めと増税を延期していたら、どうなっていたか。――その計画による結果を計算してみた。その計算によれば、投入額は実際に景気刺激策に使われた約3倍で、減税よりも支出に重きを置いた政策となっていたはずだ。 そのような政策はうまくいっただろうか? 過去5年の証拠を見ると、答えはイエスだ。オバマの景気刺激策は不十分ではあったが、2009