アルツハイマー病治療に慎重な期待感、レカネマブ承認で-QuickTake Robert Langreth ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマー博士は1906年、記憶障害のあった患者の死後に行われた病理解剖で、脳内に異常な沈着物を発見したと発表した。これが世界初のアルツハイマー病患者の症例報告だった。「アミロイド・ベータ」と呼ばれるタンパク質から成る異常沈着物が蓄積されると脳が徐々に萎縮し、認知機能が低下するとされる。現代の研究は主に、治療にはこうした沈着物を除去する必要があるとの説に基づいて進められてきた。 アミロイド・ベータを標的とする仕組みの医薬品は、物議を醸しながらも2021年に米食品医薬品局(FDA)に承認されたものを含め、数多く開発されてきたが、いずれも期待されていたほどの効果は示さなかった。しかし、「レカネマブ」と呼ばれる新薬は、22年後半に発表された大規模臨床試験の結果、
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