第183回国会において成立した「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の検討経緯および概要を解説するとともに,行政機関の間で個人番号を用いて情報交換を行うに際しての行政統制のあり方と3種類の個人識別子(見える番号,連携符号,認証識別子)の利用に伴うプライバシーインパクトについて国際比較を試みた。具体的には,分野によらず共通の番号を用いるフラットモデルの代表国として米国,分野毎に異なる番号を用いながら分野間での連携を可能とするセクトラルモデルの代表国としてオーストリアとの比較を試みた。 2013年5月24日,第183回国会において「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)」が成立した。番号法は,日本の住民1人1人に固有の番号(個人番号)を付番する番号制度を導入する法律である(そのほかに法人番号の導入も規定されている)。番号制度