いつからだろう、明るく賑やかだった店の空気が澱み始めたのは。大好きだったあのメニューがなくなり、ピンと来ない新商品ばかり売るようになったのは——。時代はこのまま、終わってしまうのか。 7年で売り上げ半減 日本マクドナルドが本社をおく、東京・西新宿の超高層ビル街。そこからほど近いある店舗は、マクドナルドの「凋落」を如実に物語っていた。 席をまばらに埋めるのは、イヤホンをした青年、ギターケースを携えて髪を逆立てた若者の一団、スマホでゲームに興じる中年サラリーマン。キャリーバッグを引きずり太腿も露な女性、大声で騒ぐ高校生グループもいる。とてもではないが、心が安らぐとは言いがたい。 床にはあちこちにポテトが散乱し、踏んづけられ、こびりついている。机は濡れたまま放置され、壁際に据えられたゴミ箱の投入口は、ソースやケチャップでベトベト。外国人と思しき恰幅のいい女性店員は、明らかにそれらが目に入っている