首相は5月30日夕、首相官邸でそう語り、公明の要望を受け入れる意向を周囲に示した。公明は、政治資金パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」に引き下げるよう強く求めていた。自民内には「公開を嫌って購入者が減れば、若手が資金集めに苦労する」として、当初案の「10万円超」にとどめるべきだとする意見が根強い。 その筆頭が、政権を中枢で支える麻生副総裁と茂木幹事長だ。29日夜、東京都内の日本料理店で茂木氏とともに首相と向き合った麻生氏は、首相に「譲歩しようなんて思わないことです。党内はもちませんよ」と迫った。若手の事情を理由に説得する麻生氏らに、首相は「とにかくこの国会でまとめます」と繰り返した。