アルコール依存症が疑われる被災者の仮設住宅を訪問する「震災こころのケア・ネットワークみやぎ」のスタッフら=15日、石巻市内 東日本大震災の被災地で、アルコール依存症となる被災者の増加が懸念されている。家や仕事を失い、先行きへの不安や不眠症状などを解消しようと飲酒に走るケースが目立つ。1995年の阪神大震災でも、アルコールの問題は孤独死につながる重要な要素と指摘された。深刻な事態に陥るのを未然に防ごうと、医療関係者らが対策に乗り出している。(成田浩二) ◎専門家、孤独死を懸念 「災害とアディクション(依存症)」をテーマに、仙台市内で5、6日に開かれた「東北アルコール関連問題研究会」。東北各地の医療関係者ら約140人が集まった会場は重い空気に包まれた。 「酒浸りの男性が仮設住宅に引きこもっている」「妻子へのドメスティックバイオレンス(DV)の問題が起きた」「現場スタッフだけでは対応しきれな