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2018年12月31日月曜日

上海「独身の日」にみる勢い

■上海「独身の日」にみる勢い

渡辺直美さんをかぶりつき。上海万博跡地、18000満席のメルセデス・ベンツアリーナで。
中国を代表するイベントに成長した「天猫双11狂夜」2018。
11月11日「独身の日」のカウントダウンイベントです。
そのステージの空気を独り占めにしました。

独身の日は、1993年に南京大学の学生たちが独身者が集まってパーティーを開き贈り物をするなどの活動を始めたのが起源。
アリババがCtoCのEC淘宝(Taobao)を使って2009年にキャンペーンを仕掛け、同社のBtoCサイト「天猫(Tmall)テンマオ」に広げて今年で10年目。

中国のビッグデータ分析会社によると、2017年の独身の日は、一日の売上が総額4兆1666億円!
天猫だけで2.87兆円。この1日だけで楽天の年間売上に匹敵します。
「3割4割は当たり前」というかつてのビックカメラ並み値下げセールとはいえ、すさまじく桁が違います。

天猫のライバルである京東やAmazonなど多様なEC業者が参入しています。
天猫には世界各国から18万のブランドが参加し、日本からは資生堂、花王、ムーニー、カルビー、ライオンなどが出店しています。
中国がネットのプラットフォームになっていることを実感します。


そしてこの日、「アリババの取引額は2135億元(約3兆4900億円)と過去最高を更新した」という速報が流れました。
中国全体では5兆円ぐらい行ったでしょうかね?

万博のころに感じた上海の勢いは健在で、すっかり規模が大きくなりました。


今回確かめたかったのは、ビル壁いちめんをスクリーンにしたりプロジェクションしたりするのが健在かどうか。
北京では禁止されている。日本の都市でもムリ。その勢いは顕在か。
はい。上海はもっと派手になっていました。
ポップ・テック特区CiP竹芝は水辺でコレを実現したいんです。
勢いを分けて!

情趣礼品。
大人のおもちゃ
よりも、情も趣もある呼び方だな。
上海。勢いだけでなく、大人の風情も感じました。
スタバも増えた。
だいいち、あれだけうるさかったクラクションが聞こえず、道が静か。

と思ったら、クラクションは禁止されたんだそうです。
禁止かい!


そんな中、渡辺直美さんは圧倒的でした。
中国の(知らない)アイドル、マライア·キャリー、シルクドソレイユらが登場するステージ、日本代表です。
勢いで、空気を持っていきました。
でもこういうプラットフォーム的なイベントを日本でやりたいなぁ。
やれますよ。
ぼくらも、勢いで。

2018年12月27日木曜日

CEATEC2018

■CEATEC2018

「CEATEC JAPAN 2018」@幕張メッセ。
出展社数は昨年より58多い725。
しかも初出展が345。
半分近く顔ぶれが入れ替わったんですね。
家電展からIoT展へと大きく舵を切っています。

2009-10年はマルチ端末の3D、11-12年はスマート化、13-14年はクルマに軸が置かれていました。
2015年にIoTが台頭し、2016年には「脱家電」を宣言しました。
今年は「Society5.0」を標榜し、IoT、ロボット、AIに軸を移しました。
すっかり変身しましたね。

家電や通信だけでなく、金融、物流、流通、観光、建設など産業界全体にわたる参加が見られます。
コマツ、ダイキン工業、ローソン、竹中工務店、三菱地所などが初出展。トヨタや京セラも復活です。
そして、IoTやAIが提案から実装へとステージが移ったことが実感できます。
(福井産業支援センターの医療用アシストスーツ。)

昨年までのぼくの観測はこちらに。
「CEATEC2017」

NTT。360度どこからでも3Dに動画を表示。
スクリーン自体は1mmで、10cmぐらいの厚みを持つ映像が見えます。
上部から60台の小型プロジェクタで投影される仕組み。
「サッカーのフィールドを立体で表示する、という広がりが考えられます。」
うむ、さすが。

KDDIは5G押し。
360度VR観光。
VR体感型スタジアム。
ARシューティング。

そしてテレイグジスタンス。
裏側はわれらがチャリス社長が差配していました。
カッコいいぞチャリス。

シャープは8KとIoT押し。
触れる8Kに目が止まりました。
そう、8Kは超大画面のパブリックビューイング没入か、超接近でインタラクティブか、だと思うんです。
触っていじって拡大して、でもどこまでもキレイ。
教育利用が有望では。

富士通、コミュニケーションロボットRobopin。
プロのダンサーの踊りを取り込み自然な動きを見せます。
「他社もコミュニケーションロボットに力を入れているが、まだトップランナーがいない。チャンス。」
とのこと。

NECの顔認証は空港にも、オリパラにも納入されるんですよね。
技術的には某社のほうがリードしていたはずですが。
「老若男女のユーザテストを徹底的に繰り返し、ユーザサイドに立った使い勝手を改善した結果です。」

パナソニック。
位置測定無線プラットフォーム。
位置とIDをセンシングしてそれぞれのロボットを制御します。
表情や熱、姿勢をセンシングしてストレスや寒暖を表示するシステムも。

テクノロジーを駆使した未来型のサービスをデモする特別エリア「IoT TOWN」。
三井住友のSMBCと日本総研は昨年に続きIoT+農業。
DONKEYも健在です。

三菱UFJ。
移動ATM。
「銀行は、行く、から、来る、へ。」
もうフェスなどで使われているそうです。


バンダイナムコもIoT押し。
デスクトップライブスペース。
「デスクトップにあなただけのステージを!」
RFIDを内蔵したフィギュアがスマホと連動して歌ったり、ステージの照明が変化したり。
フィギュアも受け身から双方向の時代へ!という触れ込み。
フィギュアが動くようになるといいのにね。ライブの実演。

ファナックは、シスコ、ロックウェル、PFN、NTT、NTTコミュニケーションズ、NTTデータの7社を主要メンバーとする「FIELD system」を進め、製造現場のスマート化を加速するとのこと。
1年前のCEATECで運用を発表したものです。


初出展、ローソン。
最も賑やかな人だかり。
ウォークスルー決済。
AI搭載のバーチャルクルー。
RFIDを用いた商品の在庫管理。
あちこちで「人が要らないね」という声。
さらに「デジタルコンシェルジュ」。遠隔地にいる医師や弁護士に相談したりできる。人は遠くにいる。
「実装」を見せてくれました。

初出展、ダイキン工業。
空気を固めて飛ばす空気砲。
空気を風として流すのではなくポンと塊として出し、触覚として作用したり匂いを届けたりする。
快眠サポートを提案。
空気砲とエアコンを組み合わせ、一定のリズムで空気が触れることで、ゆりかご効果で眠らせてくれたり優しく起こしてくれたり。

これも初出展、コマツ。
建設現場向けICTソリューション「スマートコンストラクション」。
「3DデータとICT建機の組み合わせや現場から発信されるデータの活用によって、労働力不足やオペレータの高齢化、安全やコスト、工期にかかわる課題の解決に取り組んでいます。」

米国、英国、フランスの各パビリオンを展開する「Co-Creation Park」。
先日、フランスのインキュベーション施設「Station F」を訪問してきたのですが、フランスのIT系、AI系のスタートアッパーには勢いがあります。
世界市場を見据えているんですよね。

情報通信研究機構NICT。
5Gでのスマートオフィス、無線アクセス技術STABLE。
AIの音声対話エージェント WEKDA。
IoTの総合的エミュレート基盤 StarBED。
ぼくが機構の根拠法を作ったのは25年以上前のことですが、いよいよ時代が来ました。

放送サービス高度化推進協会A-PAB。
12月に新4K8K衛星放送が始まります。
受信環境の整備と、普及啓発に余念がない。
がんばってください。

われらがビッグクラッピー君も参加したCEATEC。
おつかれさまでした。

2018年12月24日月曜日

京都国際映画祭2018

■京都国際映画祭2018

京都国際映画祭2018。
今年も西本願寺南能楽堂でオープンしました。
祗園甲部の芸妓さんたちによる「ありゃありゃありゃありゃ」の手打ちで始まりました。

映画祭イベントを行った全37会場に4日間で約20万人がご来場。
約242人のアーティストが参加し、映画上映109本、489のアート作品展示などが実施されました。
「三船敏郎賞」は佐藤浩市さんが受賞。「牧野省三賞」は降旗康男さんが選ばれました。

実行委員長としてごあいさついたしました。
「映画祭のようで映画祭でない。
アート展のようでアート展でない。
それは何かと尋ねたら、京都国際映画祭。
映画もアートもその他もぜんぶ。
今回、映画もアートもその他も、ずいぶん広がり、形が整ってまいりました。

日本で初めて映画が上映された京都。
マンガ・アニメ・ゲームの拠点でもある京都。
大学とハイテク企業が集積する京都。
伝統とパンクが同居する京都。
その京都の街、東西南北を使ってみんなで楽しむ世界的にもユニークな映画祭。

その記念すべき5回目の映画祭に、中島貞夫監督20年ぶりの作品「多十郎殉愛記」をワールドプレミア上映できる。こんなに光栄なことはありません。
しかも幕末の京都を舞台にした、京都弁満載の、チャンバラに次ぐチャンバラという、まさに京都の映画です。
世界のみなさまにご覧いただきたい。


アートもその他もぜんぶ。
会場も内容も充実してまいりました。
今回、ワークショップコレクションを開催します。
子どもがプログラミングなどで創作する活動を集めたイベントです。
デジタル創作活動を全国に広げていく、そのきっかけをこの映画祭で作ります。
(今年のアンバサダー、三田佳子さん。)

今回のキャッチは「京都、上映中。」
中島監督、多十郎殉愛記の一シーンをお借りして、上映中、上映中、上映中を演出しました。
京都の、映画の精神性をこのデザインでも味わっていただければ。
京都、上映スタートです。
みなさんでお楽しみください。
よろしゅうに。」

さて、映画祭を見て回りましょう。
今回の目玉は「多十郎殉愛記」ワールドプレミア上映。
84歳になる中島貞夫監督の20年ぶり新作、ちゃんばら映画。
良健吾さん村了さんを交えて思いを語られました。
中島監督には創設された「京都映画大賞」が門川京都市長から授与されました。


「HOT HOT GUMBO」。
92年、ボ・ガンボスの京都大学西部講堂でのライブ映画を祇園会館で上映。
MCのバンさんと、ダイノジ大谷さんに言いました。
ぼくは京大軽音で、どんとの2年上でDr.Kyonの2年下ですねん。
2020はどんと20周忌ですよ。
2020、京都国際映画祭@西部講堂ジャック、やりまへんか。

宇治茶監督「バイオレンス・ボイジャー」上映。
世界初の長編ゲキメーションアニメ。
原画総数3000枚、作画、撮影、脚本、監督をほぼ一人でこなす至高のアナログアーティスト。
宮川一夫生誕110年特集「ぼんち」「ある殺し屋」「朱雀門」「新・平家物語」も行いました。
その他109作品を上映。


アートも充実。
昨年の映画祭・京都府立植物園で「穀」を展示した作家、Yottaによる伝統こけしをモチーフにした全長12mのバルーン作品『花子』@岡崎公園。
日本の美意識と慈愛の表情。
しゃべるんです。
早朝、人気のないところでしゃべりだして、事情を知らない警備員さんがパニックったそうで。


でっかいこけしの次は、でっかい歯。
山本麻紀子『巨人の歯』
巨人伝説「だいだらぼっち」の滋賀県版「ダダボシ伝説」では、近江国でダダボシが掘り起こした土は積み上がって富士山となり、堀られた跡は琵琶湖となった。
その歯が鴨川をどんぶらこと流れていく。
んだそうです。


ファッションもアートです。
中村真鈴『プリそなゑ 2018A/W』。
新・和服ブランドです。
和装に洋装の要素を加え、いままでにない新しい形で気軽に日常的に着られる女性の袴式和服(袴スタイル)を提案。
新たな文明開化を巻き起こす。


今回のアートは、西本願寺近くの昨年3月に閉校となった元・淳風小学校を中心に展示しました。
前回までの元・立誠小学校は改築中で、会田誠さんの映画「PAEASOL」の上映などに使いましたが、かように京都は小学校も歴史建造物が多く、あちこちの場が見栄えよく使える。
これもまた京都イベントの魅力です。


padGALLERY『ART FEST P.A.D. in 崇仁新町』。
京都駅近辺のコンテナを利用したコミュニティスペース「崇仁新町」をアートジャック!
あの場所を知ってるひとは、あの場所がこうなるのか!と驚く場所で、驚くアートです。
こういう場の広げ方もステキ。
京都競馬場など含め計14か所で展示しました。


岡崎公園では多数のブースを並べ、お笑いやらアートやらSDGsやらスマホchやら食べ物やらの祝祭。
子どもからシニアまで楽しむ芸人参加のスポーツイベントも実施されました。
映画もアートもその他もぜんぶ、にスポーツも入ってきたんです。
舞台ではとろサーモンや天竺鼠が暴れてます。
芸人総動員。


吉本興業はSDGsを本業にしているのです。
国連のかたがたもお越しになり、SDGsイベントをあれこれ開催。
スタンプラリーも賑やかです。
SDGs花月も開催。
SDGsを即興でネタに盛り込んで優勝者を決定する「SDGs-1グランプリ」やSDGsをテーマにした「SDGs吉本新喜劇」公演も。
国連、太っ腹。


外務省も、法務省も、消費者庁も、文化庁も参加してるんです。
京都市長も京都府知事もです。
芸人も、芸者さんも、舞妓さんもどす。
おじいちゃんも、子どももです。

今回、ようやく、ワークショップコレクションを開催しました。
デジタル時代の子どもの創作イベント。
プログラミングや電子工作などでものづくりと表現を行う活動を集めます。
CANVASと吉本興業の協働です。イオンモールにて。

ワークショップコレクションはかつて慶応大学で実施した際、2日間で10万人の動員を見せた世界最大の子ども創作イベント。
これまでペナルティ、トータルテンボス、レーザーラモン、2700など多くの芸人がワークショップを展開してくれていて、芸人+子ども+つくる、というのは親和性が高い。


ワークショップコレクションは課外学習ではあるのですが、「つくる」活動に集中しています。
塾のような「勉強する」キッザニアのような「体験する」とは一線を画しています。
プログラミングも早くから導入していますが、プログラミング「を」学ぶのではなく、プログラミング「で」つくる。

元・淳風小学校でもワークショップやデジタルえほん展を開催しました。
デジタルとアナログを融和した教育分野に吉本興業は力を入れています。
沖縄に学校を作ったり、ぼくが設立するi大と連携したり。
クリエイティブを広げる大きな活動を一緒に進めていきたい。

岡崎公園でのマンザイワークショップ。
芸人と子どもがともに学び、ともにつくる。
住みます芸人という資源を使って全国に広げていく。
海外にも広げていく。
この映画祭をそのきっかけにしたい。

吉本興業が「少女歌劇団」を現代に蘇らせるプロジェクトを始めます。
「天外魔境」「サクラ大戦」の広井王子さん!が責任者。
学天即、尼神インター、ゆりやんレトリィバァらと記者会見。
年内に第一期募集です。
表現領域を広げる取組というだけでなく、教育プロジェクトでもあります。

閉会あいさつ。
「映画もアートもその他もぜんぶ。無事、お開きを迎えます。
映画関係者のみなさま、アート関係者のみなさま、その他の出展者のみなさま。
京都市、京都府、文化庁、外務省、法務省、消費者庁はじめ行政のみなさま。
国連のみなさま。
おおきに。

京都新聞・KBS京都はじめメディアのみなさま。
教育委員会・交通局ほか後援者のみなさま。
44社のスポンサーのみなさま。
おおきに。
起こし頂いた、おとうさんおかあさん。おじいさんおばあさん。
学生さん子どもたち。
芸人さん、芸者さん、舞妓さん、みなさん。
おおきに。
また来年、よろしゅうに。」


よーい、スタート!「京都国際映画祭2018」世界遺産・西本願寺で開幕

三田佳子「最後まで女優でいたい」桂文枝「来年は映画を作る」 『京都国際映画祭』開幕 

京都国際映画祭が開幕 名画上映やアート展示

浅田美代子、樹木希林さんと来たかった 京都国際映画祭が開幕

第5回「京都国際映画祭」4日間で20万人動員

京都国際映画祭2018 開催の結果報告


前回までのぼくのブログ
■京都国際映画祭2017 前編
■京都国際映画祭2017 後編
■京都国際映画祭2016