■IT復興円卓会議ニコ生「メディア」 -4/4
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③展望
視聴者からの質問:雑誌の原発報道が扇情的ではなかったか?
(佐々木)中身は、意外とまともだった。真面目な記事を書いたのに、表紙で台無しにされたという風に記者は言っている。一週間ぐらい経ってくると国民の心情としては非常に不安な記事に流されがちである。そこを突かれたと思う。怖い情報だらけになっている今やもうあまり気にならない。雑誌も被災地の避難所等はかなり、売上が伸びている。情報への渇望もあるのかもしれない。雑誌に新しい情報はあまりなかった。雑誌情報に専門性は無い。デスクが書こうとしている方向性に対して裏付けのコメントが欲しいだけ。ただ、その方向性が間違っている場合も多い。そうなると雑誌の位置づけは際どい物も多い。生半可な情報はいらないし、ネットでは専門家が集まっている。
(池田)特徴的ではあったのが、週刊朝日。不安を煽るという編集方針だとユーザーもわかっているのでもはや怖くない。
(中村)今日の議論は、マスメディアvsネットメディアという視点で進むかと思ったが、そうした区分はもはや適当でないという話の流れになってきている。ではメディア全体をどう展望するか。
(関口)日本のネット上では本当のことを日本で発言する土壌がなかった。専門家がネット上で喋るという風習がなかったが、そういった土壌をそろそろ作る必要がある。
(田村)それぞれのメディアの役割分担は必要だと思うが、それぞれそんなものだと思う。TVはそのチャンネルを見ているだけで情報が把握できるようになっている。これはTV別に福島担当、仙台担当になるとは思えない。TVはこんなものだとすると、それ以外のメディアがどうするか。県域では放送範囲として広すぎる。
(藤)マスメディアで一括りにして同じ要求をするのは無理がある。メディア毎に被災地にできることを考え、新しい役割を与えていくべきだと思う。正解はひとつではないと思うので、そういう情報をどうやって噛み砕いていくか、それを理解度が足りない方にどのように届けていくかを検討するべきである。
(池田)ここまでインフラが整ってくるとハードがどうこうよりも、何を伝えるかというコンテンツの中身、信頼性があるかどうかということに尽きる。ソニーやパナソニックというブランドから、ジョブズの作ったものという個人ブランドへ移りつつある。メルマガをやっている人が、言ってたが雑誌の名前を冠したメルマガは売れていない。佐々木さん、上杉さん、堀江さんといったような個人で売れている。雑誌というブランドではなく、個人の専門性で勝負していく時代になってきたのだと思う。
(関口)震災の時のNHKのUst事件もある。あの時、ネット融合の理想が見えたが、今やもとに戻ってしまった。
④まとめ
(中村)各自から提言をお願いする。
藤:横から目線も、制度の見直し
—報道としてのあり方、マスメディアとは?そういう緊急時にはどういう体制でやるのかという、仕組を検討する必要があるだろう。
田村:放送も通信も教訓を活かして備えよ
—東北の復興も勿論だが、次の震災にどう備えるかを議論しないといけない
関口:情報の開示と共有
—政府の情報開示、マスとソーシャルが一緒になって情報を開示する場、共有する場を創っていくべきである。
池田:専門性を大事にせよ
—ジャーナリストに専門性がない。いつまでもぶら下がりの質問がしょうもない。素人集団の役所とマスメディアの愚かさが取り沙汰された。
佐々木:
—均質な日本人、均質な日本というのがバラバラになりつつある。多様化する日本にどのように情報を届けていくか。様々なメディアが様々な形で人に届けていくことが出来るようになるべきだと思う。
(この回おわり)
(この回おわり)