音楽にときめいていたあの頃を繋いで──新星ポップメイカー、GOODWARP両A面EPハイレゾ配信!
90'sポップスからシティポップ、クラブ・ミュージック等への愛着を感じさせるサウンドメイクで、ドラマチックな歌詞を人懐こい歌声で綴る。新たなポップメイカーとして注目を浴びる4人組、GOODWARPよりEPがリリースされた。
バンドの新たなライヴチューンとなるであろう鮮やかなポップ・ナンバーと、TVアニメ『うどんの国の金色毛鞠』EDテーマのために書き下ろされたバンド初のスローバラード。とっておきの切り札とも言える2曲を生み出し、さらにダンサブルなビートに体が揺れるカップリング2曲とリミックス曲を収録。
サウンド・プロデュースは、supercellやfhána等のアニメと親和性の高いアーティストからTAKUYA(ex JUDY AND MARY)、中田裕二など、ジャンルを超えて幅広いアーティストを手掛ける檜谷瞬六がエンジニアリング・プロデュースワークを担当。
OTOTOYでは今作を記念して発売日の1週間前となる11月9日に「GOODWARP 新作Doube A Side EP『bravo ! bravo ! bravo ! / Sweet Darwin』先行ハイレゾ試聴会」を開催。そこで行われた公開インタヴューの模様を、今作のハイレゾ配信と共にお届けする。
GOODWARP / bravo ! bravo ! bravo ! / Sweet Darwin
【Track List】
[左]うどん盤
01. Sweet Darwin
02. bravo ! bravo ! bravo !
03. Answer
04. Tonight is the night
05. bravo ! bravo ! bravo ! CBSMTGMX mix (Remixed by CHABE+TGMX)
[右]通常盤
※収録曲1、2曲目の曲順がうどん盤と異なります。
【配信形態 / 価格】
24bit/88.2kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 540円(税込) / アルバム 1,500円(税込)
INTERVIEW : GOODWARP
試聴会を行っていて、話を聞くほどにGOODWARPが好きになっていった。バンドが醸し出す雰囲気がめちゃくちゃ良いのだ。会話の端々からメンバー同士の仲が良さを感じさせる部分も多く、会場では笑いが絶えなかったが、そこで身内ノリになることもない。根っからのエンターテイナーなのかもしれない。人を楽しませるという意識、それは彼らの音楽への姿勢にも言えることだ。人間性と音楽が地続きになっていると、裏表がない感じというか、とにかく彼らに接していると気持ちが良いので、どんどん好きになり、応援したくなる…。さらに公開インタヴューの最後に「GOODWARPはどこを目指しているのか」と聞くと、ヴォーカル / ギターの吉崎拓也が「心の話でいうと…」とものすごく純粋で熱い願いを語ってくれた。それを聞いて、本当に良いバンドだ。絶対に広めなくては、と思わせられた。
読みやすいように多少削った部分もあるが、試聴会の日に行われた公開インタヴューの内容をほぼ全部お届けする。ここから彼らの人間性、音楽への純粋な愛や敬意を感じ取ってもらえたら、ちょっとおかしいぐらいのGOODWARPへの好意を分かち合えるはずだ。
インタヴュー : 飯田仁一郎
編集 : 宮尾茉実 / 梶山春菜子
写真 : 関口佳代
人きりになりたいあの子と、人ごみから外れて少し寝静まった街にしんとした中にいると気づいて、ふと「よっしゃー!」って走り出したくなるあの衝動
──さっそくですがリード曲の2曲について、ここに注目して聴いてほしいなどあれば聞かせていただけますか?
吉崎拓也(以下、吉崎) : どちらもGOODWARPにとって色んなトライが集まった2曲になっています。「bravo ! bravo ! bravo ! 」はドラムから作った曲で、“ダツダツダツ”っていうビートの曲を作ろうってところから始めたんですけど、最初から大体のテンポ感とビートを決めて作ったのは新しい試みでした。GOODWARPではこれまで4つ打ちのビートはあまりやってこなかったので。でも有ちゃん(有安)は、“ダツダツダツ”だと賑やかになるから歌を聴かせるにはうるさいんじゃないか、とかアドバイスをくれて。
有安祐二(以下、有安) : 1番最初は“タンタンタタタン”みたいな感じだったよね?
吉崎 : そう、スネアが頭打ちなのに対してタンバリンを入れてたんです。シンガーの人がやる“シャンシャンシャンッ”みたいなの。あれを1回やりたいという妄想から始まって(笑)。そのドラムに関してはそこからほぼ変わらなかったけど、ギターやコード進行は俺が最初に作ったアレンジはほぼ白紙になったと言ってもいいくらい、めちゃくちゃ変わりましたね。
──それは最初のイメージとだいぶ変わったということですか?
吉崎 : 大きな意味でのイメージは変わってないんですけど、聴き触りというか、サウンドの世界は変わったと思います。最初は音数が少なくてシンプルで、もうちょっとギターロックっぽかった。それが結果、金管楽器が入り、ストリングスが入り、今までやってなかった感じでよりポップに振り切れましたね。
──あのストリングスめちゃくちゃきいてますよね。歌詞についてはどうですか?
吉崎 : 「bravo ! bravo ! bravo ! 」には、〈君の遺伝子は〉とか〈一個上の君は肌荒れを気にして〉っていう歌詞が出てくるんですけど、この歌詞をどのメロディで歌うかとかは全く決まっていない段階のメモだけが書き溜めてあったんです。単純に表現したい風景を少しずつためていて、それぞれが繋がっていって。この曲は深夜1時とか2時くらいに、2人きりになりたいあの子と、人ごみから外れて少し寝静まった街にしんとした中にいると気づいて、ふと「よっしゃー!」って走り出したくなるあの衝動。世の男子はそんな日が来ねえかなってそういうことを妄想しながら生きてと思うんですけど(笑)。サビを聴いた瞬間バーーーって走り出したくなる感じを表現したかったんです。
──いつごろ書かれたんですか?
吉崎 : これは今年の初夏に本格的に書き始めたもので、その段階で熱帯夜の曲にしてたんですね。実は今だから言えるんですが、サビを「さぁねったーいやの」って歌詞にしてたんですけど、リリースするときはとっくに夏終わってるってことにあとから気付いて(笑)。
萩原“チャー”尚史(以下、チャー) : そのイメージが僕らもずっと抜けなくなって。
吉崎 : そこだけがどうしてもね。
有安 : 俺らの中ではもう熱帯夜だったよね。
吉崎 : 仮タイトルも「熱帯夜」だったしね(笑)。けど、そこが「ないとわんだーず」や「bravo ! bravo ! bravo !」になった今も、さっき話したように、楽曲の根本にあったテーマや世界観は変わってないんですよ。
メロンパンの歌を皆で聴きながらぼーっとしてて、あの優しい気持ちになれる感じ。あれは確実に曲に詰め込みました
──では「Sweet Darwin」はアニメ『うどんの国の金色毛鞠』のEDテーマとなりましたが、これはどのような経緯で決まったんですか?
吉崎 : アニメのEDテーマに応募してみないかってお話をもらって、是非やらせてください! と。でもこういう作品だからこういう曲にしてくださいとは言われなくて、わりとスローナンバーがいいんじゃないかっていうくらいでしたね。
——曲が生まれる前にチャレンジするのを決めていたんですね。
吉崎 : そうです。それが今年の春をすぎたくらいなんですけど、たまたまそのあと初の香川遠征があったので、街並みを観察しようと機材車で徘徊していたら、ちょうど踏み切り待ちしてる時にそのアニメのペイントが施された電車が通って。
有安 : 結構珍しいらしいんですよ、その電車。
吉崎 : 縁起がいいでしょう? だから車の中でテンション上がりましたね。
──その段階ではタイアップは決まってなかったんですよね?
吉崎 : そうです。「Sweet Darwin」のスの字も生まれてないです。
有安 : あれを見てね。「これはきっと何か起こるぞ」って思いましたね。
吉崎 : そうそう。縁起がいいしね。
有安 : そしたらいけちゃいましたね。
──へええ。GOODWARPにとっては嬉しいことですね。 この「うどんの国の金色毛鞠」は皆さんご存知だったんですか?
チャー : お話をいただいてからすぐに買って読みました。
──初めてのタイアップで、しかも描き下ろしだったんですよね。皆さんでどのように世界観を合わせていったんですか?
チャー : 香川は、東京と違って景色がすごい広いんですよね。この景色が広い感じを表現したくて…
吉崎 : それ前に俺がラジオで言ったやつじゃん(笑)
チャー : ちょっ。最後まで言わせて! それを、最後まで詰め込んだ… 作ひ… あぁもうだめだ(笑)
藤田朋生(以下、藤田) : (笑)。香川の瀬戸大橋を渡ったときに、とにかく海が広かったんですよ。その印象が1番強くて。あとはライヴハウス近くの商店街で2時間くらい俺ら何もしないでぼーっとしたりしたんです。
吉崎 : 交番の前でね(笑)。
藤田 : そうそう。あの、のどかであったかい感じとか、そういうのを表現したいって思ってましたね。
吉崎 : 瀬戸大橋沿いのサービスエリアに1回停めて、海まで下りて皆で徘徊したりしてたんですけど、「メロンパンだけどメロンが入ってない、残念っ♪」ってメロンパンの曲がサービスエリア中に響き渡っていて、それがすごく可愛かったし、おもしろすぎて(笑)。
一同 : (笑)。
──GOODWARPのツアーって楽しそうですね(笑)。
吉崎 : すごい楽しかったんですよ、そのツアー。そのメロンパンの歌を皆で聴きながらぼーっとしてて、あの優しい気持ちになれる感じ。あれは確実に曲に詰め込みましたね。(その時のツイートがこちら)
有安 : 最初によっしー(吉崎)が出してくれたものからどんどんのどかになっていったもんね。
吉崎 : そうだね。テンポもどんどん落ちたし。最初つくったデモでも十分だと思っていたのに、それよりよっぽどバラードらしくなりました。それでいてダンサブルポップバンドを名乗る自分たちの”らしさ”をどこに込められるか、ってことはより意識するようになりましたね。
藤田 : 1番のAメロなんかは、デモの段階であったベースとドラムが結局なくなったんだよね。
吉崎 : デモの段階ではイントロからベースもドラムもあって、バラードっていっても体は動かせる感じを少し入れたかったんです。でもやるんだったら徹底的にバラードにしようっていうことで、まずイントロからベースとドラムがなくなり、そのあと「ここもいっそ」ってAメロからドラムがなくなり、チャーがレコーディングした上で1番気に入っていた渾身のBメロのベースラインすらボツになり(笑)。
チャー : 「ここ聴いてっ!!」みたいなところね。
吉崎 : 「あーーここエモいっ!」とか言ってたのにね(笑)。
チャー : そう、作品のために断念しました(笑)。「最後にもう1回聴かせてもらっていいですか!? …あーーまじいいわーー。でも消すんですよね!?」とかいいながら(笑)。
吉崎 : 本当にかっこよかったんだけどね。サビまで静かにしておこうってなったんです(笑)。その甲斐あって、サビで一気に広がった。
ダフトパンクに『ランダム・アクセス・メモリーズ』っていうアルバムがあるんですけど、あれは生楽器と機械の融合なんです
──カップリングの曲についても聞かせてください。「Answer」はどのような曲になりましたか?
吉崎 : 4曲すべて「夜」が舞台の歌なんですけど、「Answer」は車の中で過ごす「夜」の曲になりました。車って足先をちょっと動かすだけで、歩くより消費カロリーは少ないけどずっと早く移動できるじゃないですか。なんて夢のようなマシーンなんだろうっていつも僕は思うんです。車の、自由でどこでもいけちゃうところに夢を感じて好きだし、その中で誰かと過ごす夜を想像するとときめくし、ここではないどこか感がつきまとっていてすごくロマンチックだなって思うんですよね。だからいつか車が舞台の曲を作ってみたいと思っていたので、それが実現した思い入れの強い曲になってます。
──「Answer」というタイトルはどこから付けたんですか?
吉崎 : これは車の中でね、フられてるんです。相手の「答え」っていう意味ですね。
──そうなんですね。吉崎さんの歌詞ってぱっとシチュエーションがわからないけどしっかり設定されているのが、すごくおもしろいですね。楽曲のアレンジはどのように進めていったんですか?
有安 : これはシンプルだったよね。
吉崎 : リフをデモの段階でメンバーに聴いてもらって、その音に足すんじゃなくて、できるだけ削ぎ落としていこうっていうことにしました。
チャー : 最初はもっといっぱい音が入っていて、賑やかだったんです。そこからもっと聴かせたい音をシンプルにした感じですね。最終的には歌がしっかり聴こえる楽曲になったんじゃないかと、俺は…思うな(笑)!
──チャーさんがなにか言ってるときは空気がふわっとしますね(笑)。ちなみにみなさんが楽曲を作る際に参考にしているアーティストとかはいますか?
吉崎 : たくさんいるよね。
有安 : でも楽曲を作る際に意識したことはあんまりないかもしれない。
吉崎 : 確かに具体的なアレンジ作業に入っちゃうとないかも。でもイメージ共有っていう最初の最初の段階では聴かせ合ったりとかはあったりしますかね。ダフトパンクとか。
──へえ、ダフトパンク!
吉崎 : よく聴いてました。曲によるんですけどね。
──みなさんはダフトパンクのようなダンサブルな音楽をやりたいと思っているんですか?
藤田 : ダフトパンクに『ランダム・アクセス・メモリーズ』っていうアルバムがあるんですけど、あれは生楽器と機械の融合なんです。機械をずっとやってた人が2000年代になって生楽器を使うんですよ。その昔からある生楽器の確かさ、常に新しいことが出来るという可能性に気づけたところに僕らは感動したんです。
──それはいつごろなんですか?
吉崎 : 『ランダム・アクセス・メモリーズ』はリリースされてから今に至るまでメンバーずっと聴き返していますね。移動中とかもそうですし、何回聴いたかわからない。
チャー : レコーディングする度に、こんな感じの音質っていいよねって話はしますね。
それくらい強烈だったんですよ、有ちゃんの声が
──原点なんですね。「Tonight is the night」ももちろん「夜」の曲だと思うんですが、どのように作られたんですか?
吉崎 : この曲はメロディから作りました。ライヴでメンバーとフロアの人たち全員と歌ってる景色が思い浮かんで、それを曲にしたいと思ったところからのスタートです。歌詞はバンドで日々共有してるドラマを書きました。この曲はアレンジが2〜3転したんですけど、朋生が作ってきてくれたイントロのギターで「これでいこう!」って思いました。あとはとにかくレコーディングがとても楽しい曲でした。
──クラップのところですか?
吉崎 : クラップもそうなんですけど、合唱がね、楽しかったです。普段あまりやれないことをいっぱいやれて、バンドマンなら誰しも憧れるマイクを1本立て男4人でマイクを囲むっていう(笑)。それを存分にやれた。
有安 : やりすぎたね。何回やったかわからない。
チャー : マイク1本に対してメンバー4人のフォーメーションがいちいち変わるんですよ(笑)。
吉崎 : これがね、奥が深いんですよ。マイクが真ん中にあって、それに対してみんなが同じ距離にいればいいかっていうとそういうわけでもなくて。あえてアンバランス感があった方がガヤガヤ感が出たりするので「有ちゃんもう少し後ろ行こうか」とか「あーちがうな、朋生がちょっと前でてみようか」とか、何回も録り直しました(笑)。
──普通ガヤって何回も録り直さないですよね(笑)。
チャー : またね、有安のソロのガヤが最高でしたよ。
吉崎 : これはねぇ… もう、これだけで聴かせたい(笑)。
有安 : 俺が歌うと、皆の笑い声が入って録音がストップしましたからね。
吉崎 : 密室に4人、マイクを囲んで歌っているんですけど、もちろん誰かが歌ってるときに誰かが話しちゃうとその会話が入っちゃうのでダメなんですよ。でも有ちゃんのときはなんでかわかんないけどおもしろすぎて…。超喉声なんですよ。発声のなってなさがすごくて(笑)。
有安 : よかった、ドラムで(笑)。
チャー : 結構俺は我慢してたんだけど朋生とか突っ伏してて、それを見て笑っちゃう。誰の顔も見れないんですよ(笑)。
藤田 : 笑わないようにしていることすらおもしろいからね。
吉崎 : 俺はもう壁と壁の間に顔を埋めてた(笑)。それくらい強烈だったんですよ、有ちゃんの声が。
有安 : 楽しいレコーディングでしたね。ほかのことが全部終わってたというもあるから、楽しめたよね。
吉崎 : リラックスしてできましたね。
──有安さんの声は使われたんですか?
吉崎 : もちろん使われましたよ! ガヤに紛れているので、相当いいヘッドホンじゃないと聴こえないくらいですね(笑)。
──なるほど(笑)。最後の曲は「bravo ! bravo ! bravo ! 」のリミックスで、松田“CHABE”岳二さんとFRONTIER BACKYARDのTGMXさん依頼をされたんですよね。これはどういう経緯でお願いされたんですか?
吉崎 : 前作のアルバムにレコメンドしていただいたLOW IQ の01さんとTGMXさんのライヴに僕らがお伺いさせていただく機会がありまして、楽屋でTGMXさんに挨拶させていただいたときにCHABEさんもいらしていたんです。お二人に挨拶をしながら『FOCUS』を渡したら後日聴いてくださって、いいねって言ってくださって舞い上がってしまって。これは是非リミックスをご相談したいとお伝えしたら快く承諾していただいて。
──みなさんから聴いてどんなリミックスになったと思いますか?
有安 : 一言で言うと大人だなぁって思いました。
吉崎 : 二言でいうと?
有安 : それは朋生が言ってくれると思います(笑)。
藤田 : えぇ、二言は難しいな(笑)。渋谷系や90年代の音楽シーンを実際に作ってきた方だから本物なんです。色んな楽しみ方ができるなと思いました。
チャー : 自分たちもこれ以上ないというところまで仕上げたつもりだったけど、リミックスを聴いてると「こういう感じがあったんだ!」って新しい発見ができたよね。
「こんな楽しい世界があるんだ、音楽と出会えてよかったな」って思えたこの気持ちや経験を、自分たちを介してしてくれる誰かが1人でもいてくれたら
──少し話は変わりますが、『FOCUS』のリリース後、SHIBUYA CLUB QUATTROで開催したワンマンライヴについてお聞きしたいです。皆さんにとってあのライヴはどういう体験でしたか?
吉崎 : あの日のことはすごく覚えていて、一言で言うと本当にホッとしましたね。QUATTROは僕らにとって初めての舞台だったし、QUATTROでワンマンをやってるバンドは、なんとなく僕の中では、僕らよりも知名度がある人だなと思っていて。そこを考えるとチャレンジでしたね。どれくらいの人が来てくれるかも当日ギリギリまでわからなくて、寂しくないくらいに入ってくれたらもう万歳だなって思っていたんです。でも本番を迎えたら奥まで人がいっぱい入ってくれていて、みんな楽しそうにしてくれていたのは純粋に嬉しかったです。やってよかったなって思えたのが1番大きかったですね。
──有安さんはどうですか?
有安 : 同じ意見です。ワンマンライヴの「みんな味方だ!」っていうあの感じ、いいですよね。
藤田 : 本当によっしーが言うように、僕らもステージに出るまでどのくらいお客さんがいるのかわからないんですよ。でも舞台袖でSEが鳴ったときにスタッフさんから「埋まってますよ」って言われて。
吉崎 : まさに入場する直前に言われて「っしゃ!」ってなったね。
チャー : 俺は前説が自分で作ったものだったので、それが流れて笑い声が聞こえたときに安心しました。
吉崎 : 笑い声の数がひとつやふたつじゃないぞと(笑)。
チャー : そう(笑)。楽しんでくれてるなって思ったからそれがすごく嬉しかったです。
──渾身のライヴができたと思いますか?
吉崎 : そうですね、100点はまだあげられないですけど、あのとき出来ることはすべてやったと思いますね。踊ったし(笑)
チャー : 本当にお前は踊りを覚えるのが下手だよな。
吉崎 : お前もやってみろって!
有安 : でも頑張ってたよね!
吉崎 : 頑張ったよー。夜な夜なダンサーのみなさんに付き合ってもらって練習してたんですけど、すごく難しいんですね、ダンスって。
チャー : ずっとやってたよね。
吉崎 : 俺の出来の悪さにどんどんレベルを落としてもらったの。本当はもっと高等技術が入ってたんです(笑)。
藤田 : リハではもっと踊ってたもんね。本番になったらなくなってたフリがあった(笑)。
吉崎 : 相当滑ること覚悟してたので、みんなが笑ってくれてよかったなって思いました。
──そのワンマンライヴを終えて、みなさんは今どんなモードですか?
吉崎 : いっぱいありますね。またワンマンをやりたいなと思っていますし、やる以上は大勢の人に集まってもらえる日にしたいです。あと前回のアルバムをきっかけに、ツアーで行ったことがなかった場所にも行って、俺らのことを全く知らない人たちの前でライヴする機会が今までと比べてすごく多くなったんです。当然うまくいく日もあればうまくいかない日もあって、帰りの車で反省会をするって感じが、今年のバンドのムードを作ったんじゃないかなって思います。僕らのことをすでに知って来てくれているみんなから貰った自信を、僕らのことを知らない人たちに対してもぶつける機会が、いかにスリリングで楽しいかを感じましたね。みんなが楽しそうに見てくれてると自分も元気になるっていうのは本当にあるし、それを信じてやっていけば曲を知っていても知らなくても関係ないライヴがいつか出来るんじゃないかなってすごく思いました。
──なるほど。最後に、皆さんで目指している目標があれば教えてください。
吉崎 : バンドマンの憧れである武道館を目指しています。その先も道は続きますが、もっと心の話でいうと、音楽にときめいていたあの頃があるから今があって、それを信じられているからまだバンドをやっているっていうことが確実に僕らにはあって。それぞれ誰かしらをきっかけに音楽を知って、広がっていって、「こんな楽しい世界があるんだ、音楽と出会えてよかったな」って思えたこの気持ちや経験を、自分たちを介して話してくれる誰かが1人でも多く増えてくれたら本当に幸せだなって思うし、そうありたいなって思います。そういう存在にいつかなりたいですね。
過去配信中の作品
PROFILE
GOODWARP
90‘sポップス、シティポップ、クラブミュージック等への愛着を感じさせるダンサブルなサウンドメイクの中に、温もりある日常ドラマを唄う4人組バンド。結成後すぐに「出れんの!?サマソニ!?2012」を勝ち抜き、その後も「MINAMI WHEEL」や 「COMIN‘KOBE」をはじめとする各地のイベントへ勢力的に出演。フロアには仕事帰りのOLから家族連れ、音楽好きの大人世代まで幅広い世代が集う。東京を拠点とする自主企画イベント「YOASOBI」では、2015年9月にVol.6を代官山UNITで開催。シンパシーを感じるバンドとともに規模を拡大し、ダンサブルにメロウな夜を揺らしている。作詩作曲のみならず、作品のアートワーク等も手掛けるVo.吉崎拓也が描く、どこか男臭くて遊び心のある歌詞とメロディーの世界観、そして人懐っこい歌声、ポップ且つハッピーグルーヴィーなバンドサウンドは老若男女の垣根を越えて心を軽やかに踊らせる。