もうけが少ない賭け事にも積極的に参加する傾向のある人は、驚きや恐れの感覚を保つ脳内の神経伝達物質ノルアドレナリンの働きが抑えられていた。賭けに負けて身にふりかかる危険に対する恐れを抱けず、「損をするかも……」という心理が働きにくくなるらしい。21日の米科学誌に発表した。 高橋准教授らは20~40歳代の男性19人に対し、コインを投げて表裏を当てる賭けの実験を計画。もうけの幅を1万~10万円で設定し、もうけの額がどの程度なら参加するかを尋ねた。そのうえで、回答結果を、画像診断装置で調べた脳内でのノルアドレナリンの働き具合と比較した。 その結果、もうけが「1万円」しかなくても賭けに踏み切る人は、「10万円」であれば参加を表明した人に比べ、ノルアドレナリンを吸収してその働きを止める物質が活発に働いていることがわかった。 高橋准教授は「ギャンブル依存症は『賭け事を絶つ』ことでしか治療できないが、原因