米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」の劇場公開が、3日から東京、大阪など6都府県で始まる。日本のイルカ漁が題材である。 この映画をめぐっては、上映中止を求める抗議や妨害活動が起きている。この影響で上映を取りやめる映画館が相次ぎ、一時は公開が危ぶまれた。 言論、表現の自由にかかわる問題として受けとめ、注意深く展開を見守りたい。 「ザ・コーヴ」は和歌山県太地町に伝わるイルカ漁を撮影した作品だ。米アカデミー賞をはじめ国際的に高い評価を得ている。 映画はイルカ漁を批判する立場からつくられている。漁の現場は隠し撮りだ。抗議活動の背景には、こうした視点や手法に対する反発があるとみられる。 まだ封切り前である。実際にこの映画を見た人はほとんどいない。批判するにせよ、共感するにせよ、まずは見てからでなくては判断がつかない。 自分の考えと異なる意見にも耳を傾け、その発言の機会を保障する。多様な価