■社会学の基礎概念を紹介する連載の第一五回です。前回は「役割とは何か」を説明しました。「役割」とはヒトに付与されるカテゴリーのことです。例えば私は、男として、宮台真司として、都立大教員として認識されます。因みにヒトとは心を持つ存在のことです。 ■ヒトとは(1)内側から世界を分節していると想像され、(2)その分節がエンパシー可能だと信じられる存在です。前回を補えば、コミュニケーションの相手となり得る存在のことです。原初的社会では万物がコミュニケーション可能ですから、ヒト概念は拡がり得ます。 ■役割の中で最も重要なのが「個人役割」と「制度役割」です。前者は、固有名で呼ばれうる「その人」性のことで、後者は、医者や都立大教員など資格該当が制度的に決まったカテゴリーです。「制度的」とは、任意の第三者がそう認定すると、予期できることです。 ■この他に行為ならびに体験を割り振られた当体のカテゴリーとして