自民党総裁選に高市早苗氏が出馬を表明した。政策は「日本をてっぺんに」などの精神論ばかりで論評に値しないが、唯一話題になったのが選択的夫婦別姓だった。石破・河野・茂木・小泉氏が賛成する中で、高市氏は反対を明確にした。これは彼女の家父長主義の信念によるものだ(2013年12月の記事の修正版)。 結婚していない両親から生まれた婚外子の遺産相続を嫡出子と同等にする民法の改正案が2013年12月に成立した。これは同年9月に最高裁が、婚外子の遺産相続を嫡出子の半分と定めた民法の規定を違憲と判断したことを受けたものだが、高市早苗政務調査会長(当時)は最高裁判決について「ものすごく悔しい」とコメントし、選択的夫婦別姓にも反対して「日本の伝統を守る」と主張した。 婚外子の差別は「家」制度の遺物 戸籍という制度は古代中国からあり、一時は東アジア全体に広がったが、今は日本以外は形骸化している(韓国は2008年に