時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ 作者:劉 慈欣早川書房Amazonこの『時間移民』は、『円』に続く劉慈欣のSF短篇集だ(早川書房から刊行のものとしては)。収録作は13篇で、90年代に書かれた作品から、2018年発表の現時点では最新作となる短篇まで幅広くおさめられている。劉慈欣の短篇が長篇に負けず劣らずおもしろいのはKADOKAWAの二冊を含む短篇群でよくわかっていたつもりだったが、本作を読んであらためて劉慈欣ってやっぱ短篇もうめえなあと驚くことになった。 ちなみに、KADOKAWAの二冊と合わせて、劉慈欣の全短篇はこれで全部訳されているらしい。四冊読むだけで劉慈欣の全短篇を読んだといえるのだから、比較的追いつきやすい作家といえるだろう。短篇集としては『円』の続きにあたるので、順番を気にするのであれば『円』から読むべきだろうが、別に相互に繋がりのある内容があったりするわけではないので、本作から劉慈