インフレ率の上昇はまだか 5月18日に2017年1-3月期のGDP速報値が発表される。最近では、このGDP速報値の結果が株価の材料になることは滅多にないが、エコノミストにとっては一大イベントである。 今回の1-3月期GDPでは、輸出の好調と回復傾向にある消費が寄与し、その成長率は少なくともプラス成長は維持し、年率換算で2%超の「高成長」を予想するエコノミストも少なからず存在するようだ。 このように、GDPの数字をみるかぎり、少なくとも最近の日本経済の状況は「危機的」という感じではないのは確かだ。それどころか、失業率の低下などの雇用環境の改善を考えると、「デフレ脱却に向けて再び歩み始めた」とする強気の論者もいる。 実際、雇用環境が極めて良好であるのは確かだ。 だが、その一方で、インフレ率は一向に上昇する気配がない。 どこからかとはあえて言わないが、ここ数年、毎年この時期には、「夏頃にはインフ