シンカー:ネットの資金需要が消滅してしまっている現在、財政緊縮は異常であると言え、財政拡大に転じ、ネットの資金需要を復活・拡大させる必要がある。少子高齢化対策と格差是正のため、「教育国債」による教育の無償化が政策の論点になりつつある。実現すれば、GDP対比1%程度のネットの資金需要となり、ネットの資金需要の誘導水準が0%程度であるかのような過度に緊縮な財政スタンスから、マイナス(拡大)に恒常的に改善する適正なスタンスに変化させることができるかもしれない。安倍首相が指摘しているように、「将来、活躍して収入を得て、税収が上がり、新たな富をつくる」形でもあり、ネットの資金需要をマイナスにできるという管理通貨制度の利点を使うことを含め、実質的な財政負担はほとんどないと考えられる。「教育国債」による教育の無償化は、デフレ完全脱却と持続的な成長のためのマクロ政策ロジックでも支持される。「未来の世代にツ