貿易戦争のダメージ このところ、メディアで「米中貿易戦争」の話題を目にしない日はない。この「米中貿易戦争」に関する議論は論者によって色々な切り口があって面白いが、ほとんどが、「反トランプ・中国擁護論」、もしくは「中国経済崩壊論」という極論に二分される。 この問題に限らず、確かに勇ましい極論が好まれるのが最近のメディアの風潮である。そして、極論を支持する層が敵対する層に対し、SNSなどを通じて罵声を浴びせ炎上するような状況はさながら宗教戦争のようである。 このように極論を「消費」して日頃の鬱憤を晴らすというのも確かにメディアの「ニーズ」であろう。だが、会社の経営や株式投資などの意思決定をする立場の人がこれらの極論を信じるのはあまりに危険である。とりかえしのつかない損失を被るリスクも出てくる。 そこで、今回の当コラムでは、米中貿易戦争の推移をデータで確認しながら今後の状況を考えてみたい。 筆者