日本橋川に沿って上空を通る首都高の都心環状線は、前回の東京五輪直前の1963年に開通した。以来50年以上が経過。1日当たり約10万台の自動車が走行するため構造物の損傷が著しく進む。首都高の地下への移設と既存高架橋の撤去によって、道路を次世代へつなぐことが急務になっている。 一方で日本橋川周辺は国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置づけられ、2020年に都市計画事業として認可された。道路敷地の上下空間に建物の建設を可能にする「立体道路制度」を活用して、建物の地下にトンネルを整備し、まちづくりと一体で地下化事業に取り組む。 日本橋区間の地下化事業の範囲は、都心環状線の神田橋ジャンクション(JCT)─江戸橋JCT間の延長約1.8km。構造別の内訳は、トンネル約1.1km、高架橋約0.4km、擁壁・掘割約0.3kmとなっている。トンネル内の換気は既設の常盤橋換気所を改築して対応する予定だ。 事業