日本の教科書に記載されていない事項を中心にした個人的見解ですが、環境に恵まれず孤独に研鑽に励んでいる方に。 戦後の画像診断装置の進歩は臨床の風景を一変させた。時間をかけて丁寧に理学所見をとることが少なくなったことを憂い叱責する論もあるが、それは懐旧の念を多分に混じえた決まり文句か臨床現場を知らない者の戯言ではないだろうか。現実の医療を取り巻く環境はもはやそのような余裕を許さなくなっていることにも目を向けなければ公平とは言えないと思う。しかも昔の大教授がいかに聴診技術に長けていたとしてもその情報の質と量は現代の医療機器にはかなわない。そのような状況の中でむしろ臨床医に問われているのは画像所見の意味するところを正確に理解し、病態の中に位置づける能力である。 たとえば教科書に高分解能CTはsubmacroscopicな病理像を反映すると記載されている。とすれば、解像度の大きく劣る旧式の装置による