毎年支払うサポート費を合計すると、システム・コストが商用ソフトよりも高くつく――。ソフトそのものはオープンソースでも、企業が使うために必要なサポートは、ベンダーに頼らざるを得ない。すでにサポート期限切れの問題も顕在化している。オープンソースを利用する多くの企業が今、こうした事態に直面している(図1)。 早稲田大学は2005年4月に、オープンソース・ソフトを採用した「履修科目申請システム」の運用を開始した。だが1年半が経過した今、開発を担当した神馬豊彦・早稲田総研 情報事業部システムアナリストは、「オープンソースを採用したのはシステム・コストを抑える狙いだった。だが現時点では、本当に安かったのかどうか分からない」と語る。 このシステムは、OSにMIRACLE LINUX、WebサーバーにApache、データベース・ソフトにPostgreSQL、開発環境にPHPを採用したフルオープンソースの構