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実際に被災もした先生、のお話(破傷風ワクチン)

2012-11-30 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
オーストラリアのクイーンズランド大学に留学された林先生から災害体験とワクチンのお話を教えていただきました。

ブリスベーンはオーストラリア第3の都市。ここでは2011年1月(南半球なので夏)に、大洪水がおきました。

当時の写真はこちら

このときは林先生のご自宅も被災。10日間は自宅に戻れなかったそうです。
(小さなお子さんもいらして大変だったと思います)

そして、洪水の数日後に、ご近所のGPの前を採った時に見つけた看板をパチリ!

"Tetanus Shot, Available here" 破傷風ワクチン、接種できます。



オーストラリアのお医者さんは、災害時にすべきことなどを学び、必要に応じて提供するのか、スゴいな,,と思っていたらそれだけではありませんでした。

Brisbane City Council offers free vaccinations as flood disease risk grows

市がワクチンを確保し、希望者は無料で接種が可能となっていました。

林先生によると、避難所では集団接種もしてもらえたそうです。

ちなみに、林先生が日本の病院のICUで働いていたときは、年に1回ほど破傷風を経験していたそうです。
ICUに入院、人工呼吸器が必要になることが多いですから、なるほど、であります。

林先生「オーストラリアのICU(日本にいた時のICUの5倍のサイズ)では2年間でまだ一例も経験がありません。」
とのことです。


災害時もそうですが、公園や自然の中でケガをすることも多いですから、破傷風のワクチンについては、広く知識や情報が広まる事を願っています。

一切ワクチンをしていない/しません、という親御さんは、お子さんが外のケガなどで受診したときに、医師に必ずそのことを伝えてください。

日本ではよく「在庫不足」パニックもおこるので、問題が発生する前の備えが大事です。
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