米大統領選ではトランプの言葉を報じる際に、メディアが「sanewashing」の罠に陥っていたことが問題視されている。このsanewashingとはどんな現象なのか? そして日本のメディアも政治報道で同様の「印象操作」をしていると、元NHK解説主幹でジャーナリストの池畑修平氏は指摘する。 記者たちの「通訳」が裏目に出たか いったい、なぜ──。米国ではドナルド・トランプ前大統領が再選されたこと、しかも事前の予想を裏切る大勝を収めることができた理由は何であったのか、分析と議論が続いている。 前回(2020年)の大統領選と比較すると、トランプが全米で大きく獲得票数を増やしたわけではなく、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領が得た票が前回のジョー・バイデン大統領の票をかなり下回ったのが実体だ。 つまり、民主党側が「負けた」のであり、同党とその支持者たちの議論はおのずと「犯人探し」の色合いが濃くなって