1972年の沖縄返還をめぐり、日米両政府が交わしたとされる密約文書が存在するかどうか東京地裁で争われている訴訟で、日本政府側が密約を否定した上で、その存在を示す米側の公文書について「米側が返還交渉の途中で一方的に作成し、米側のみに存在する可能性が高い」と新たに主張することが20日、関係者への取材で分かった。 返還交渉に携わり、既に報道機関に密約の存在を認めている吉野文六・元外務省アメリカ局長(91)が、原告側証人として出廷する意向であることも判明。25日の第2回口頭弁論で証人採用が決まれば、日本政府側の主張が崩れる可能性が出てきた。 この文書は、米軍用地の原状回復補償費400万ドルを日本が肩代わりするという内容の71年6月の書簡など。 文書の情報公開請求に対し、国側が不存在を理由に開示しなかったため、作家の沢地久枝さんや元毎日新聞記者西山太吉さんら25人が処分取り消しなどを求め、3月に提訴