1965年生まれ。1988年、音楽雑誌「ロッキング・オン」にてライター・デビュー。1993年、インディー雑誌「米国音楽」を創刊。執筆のほか、編集やデザイン、DJ、レコード・プロデュースもおこなう。近著に長篇小説「素浪人刑事 東京のふたつの城」、音楽書「僕と魚のブルース 評伝フィッシュマンズ」がある。 ニュースな本 ビジネス・経済から、エンタメに教育、政治まで…。世の中には山のように書籍が存在する。その中から「読んでためになる」「成長できる」「思わずうなる」ような書籍を厳選し、その一部をお届けする連載。話題の新刊から埋もれた名著まで、きっと素敵な発見があるはずだ。気になる書籍があれば、ぜひ元の書籍を読んでほしい。 バックナンバー一覧 地球上すべてのパンク・ロックの基礎を決定づけた怪物バンド、セックス・ピストルズのフロントマン「ジョニー・ロットン」。この伝説のキャラクターを自らプロデュースした
平日は会社員、休日はバンドマン。自己流スタイルを貫き続けた、the原爆オナニーズTAYLOWと「パンクの本質」 元「smart」編集長・佐藤誠二朗によるカルチャー・ノンフィクション連載「Don't trust under 50」。 有頂天のKERA、ラフィンノーズのチャーミー、ニューロティカのATSUSHI、ザ・スター・クラブのHIKAGEに続いて登場するのはthe原爆オナニーズのTAYLOW。1982年にバンドを結成して42年。いまも変わらず地元・名古屋を拠点に活動を続けるリアルパンクバンドのフロントマン、TAYLOWの貴重なロングインタビューをお届けする。全4回にわたって、TAYLOWの現在、過去、そして未来に迫る。 (全4回の1回目 #1 #2 #3 #4) “売れる”ことを想定していないようなバンド名 取材は5月25日(土)下北沢QLUB Queでのライブイベントにて。リハ後のポー
TOSHI-LOW 撮影/河西遼 吉田豪がTOSHI-LOWにインタビューを実施。BRAHMANをはじめとするバンド活動で生き様としてきたパンクの精神、その出会いから現在に至るまでの変化を語った。 パンク・ロック最後の扉 ――実は初対面じゃないんですよ。 TOSHI‐LOW ……うそっ!? いつ? ――20年ぐらい前、たぶん媒体は『Gb』(注1)だったと思うんですけど、BRAHMANのМVとか作っているタナカノリユキさんとの対談をボクが仕切ったことがあったんです。 TOSHI‐LOW あ、あったかも! ――検索したけどネット上に情報は何も残ってなくて。そのとき、おっぱいパブの話ですごい盛り上がったのに、後から「これは使わないでね」って言われたのが印象的 でした。 TOSHI‐LOW じゃあ使えないじゃない! ――ダハハハハ! いや、その頃と比べたら相当オープンな人になったんだろうなって。
2022年春に1stアルバム『Growing Up』を発表し、SUMMER SONIC 2022で初来日を果たして以降もリンダ・リンダズ(The Linda Lindas)は(学業にも追われながら)精力的に活動を続けてきた。 まずは2022年末にクリスマス・ソングの「Groovy Xmas」をリリース。2023年は「Too Many Things」「Resolution/Revolution」と2つの新曲をリリースしつつ、レイ・チャールズのバージョンが有名な「Drown In My Own Tears」や、ミュージック・エクスプロージョンのバージョンが有名な「Little Bit 'O Soul」といった気の利いたカバー曲もリリース。ゴーゴーズの「Our Lips Are Sealed」とバングルスの「Manic Monday」のコピーから始まったというリンダ・リンダズのカバー・バンドとし
17thアルバム『HEY!WONDER』発売 ザ・クロマニヨンズの17枚目のアルバム『HEY!WONDER』が2月7日にリリースされた。昨年12月13日に27枚目のシングルとして発売された「あいのロックンロール」をはじめ全12曲が収録されている。甲本ヒロトがバンド活動を始めて約40年。ずっとロックンロールをかき鳴らし続けているキャリアがあるバンドが、こんなにも瑞々しいロックンロールを聴かせてくれることは奇跡だ。何にも、誰にも囚われず、自分達が楽しいと思うことをとことん楽しむバンドがザ・クロマニヨンズだ。楽しさを追求したその先にあるのが音源でありライヴだ。12月のある日、甲本ヒロトに新作について、そして年齢と創作活動の関係、バンドの将来についてなど、様々のことをたっぷりと聞かせてもらった。 「久々にフルでお客さんを入れてライヴをやった時は、お客さんの中に“待ってました”という感じがあった気が
町田康『INU/メシ喰うな!』を語る 町田康が、1981年にリリースされた自身が率いたINUのデビューアルバム『メシ喰うな!』を語る。 『INU/メシ喰うな!』 町田町蔵率いるINUのメジャー・デビューアルバムであり、同バンド唯一のオリジナルアルバム。 INUはこのアルバムリリースの3ヵ月後に解散。 1981年3月1日にジャパンレコーズよりリリース。 2020年10月28日、徳間ジャパンコミュニケーションズ創立55周年企画の一環で、UHQCD(高音質CD)でリリース/TKCA10522 ジャケットは無地黄色の背景に町田のモノクローム顔写真のアップというもの。 INU:メンバー(1979年結成) ボーカル:町田町蔵 ギター&パーカッション:北田昌宏 ベース:西川成子 ドラム&パーカッション:東浦真一 Producer:鳥井ガク Director:玉置悟 Engineer:鈴木隆一
インディーズの聖地で前人未到のライブ数! 史上“最遅”武道館公演実現! 実はものすごいバンド、ニューロティカ 元「smart」編集長・佐藤誠二朗によるカルチャー・ノンフィクション連載「Don't trust under 50」。 ニューロティカのヴォーカル“あっちゃん”ことATSUSHIの物語。前回は、世代性別問わず多くのファンや友人を持つ、あっちゃんのコミュニケーション力の秘密についてお伝えした。最終回となる今回は、結成38年目にして初の日本武道館ライブや、いまも記録を更新し続ける新宿ロフトでのライブなど、ライブにこだわり続けてきたニューロティカとあっちゃんの軌跡について。 (全4回の4回目 #1 #2 #3 #4) ファンからご近所さんまで。取材中、藤屋にやってきた人たち ニューロティカのヴォーカリスト“あっちゃん”ことATSUSHIへの取材は、2023年7月某日の午前中、店主を務める
昼は街のお菓子屋さん、夜はパンクでロックな優しいピエロ。これがニューロティカ・あっちゃんの“普通の生活” 元「smart」編集長・佐藤誠二朗によるカルチャー・ノンフィクション連載「Don't trust under 50」。 有頂天のKERA、ラフィンノーズのチャーミーに続く、3人目のゲストはニューロティカのヴォーカル“あっちゃん”ことATSUSHI。2022年1月には、史上“最遅”で初の日本武道館ライブを成功させ、大きな話題となった。 1984年の結成時からバンドのフロントマンであり続けるあっちゃんに、自宅である八王子の『藤屋菓子店』にてロングインタビュー。4回にわたって、あっちゃんの現在、過去、そして未来に迫る。 (全4回の1回目 #1 #2 #3 #4) バンドブーム全盛期でも月給は15万円。あの頃はそれで十分満足だった 世界広しといえども、誰もがこれほど簡単に接触できる“ロックスタ
反骨精神に貫かれた活動で数々の伝説を残したロック・バンド、頭脳警察のPANTA。ムーンライダーズの中心人物で、最近では映画音楽の作曲家としても活躍する鈴木慶一。日本のロック・シーンの黎明期から、二人はお互いに刺激を与えあってきた親友だ。 頭脳警察はドキュメンタリー映画『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』が7月18日から公開され、主題歌となる新曲「絶景かな」を発表したばかり。一方、鈴木慶一はKERAとのユニット、No Lie-Senseの新作『駄々録~Dadalogue』をリリースするなど、どちらも今なお現役で自分の道を走り続けている。そんな二人がコロナに揺れるライブハウスで対談。その日、頭脳警察は無観客で配信ライブを予定していて取材はその直前に行われた。伝説の三田祭事件の「その後」からロックの未来まで、二人のレジェンドが熱く語り合った! 三田祭事件の「その後」 ー慶一さんは出演もされていま
ザ・クロマニヨンズが16枚目のオリジナルアルバム『MOUNTAIN BANANA』を2023年1月18日に発売する。冒頭から強烈なビートによる「ランラン」「暴走ジェリーロック」「ズボン」が続き、「カマキリ階段部長」「でんでんむし」「一反木綿」と気になるワードをテーマにメロウだったりフォーキーだったりと変化球で聴かせ、後半はマイナー調でシリアスさも感じさせる等、怒涛の展開で「何だかわからないけど、カッコイイし面白い!」という曲が詰まった傑作だ。 今作について、ボーカルの甲本ヒロトにインタビューを行った。アルバムについての取材ではあるものの、きっと彼はいつもと変わらないはず。。そこで今回は、アルバムのことのみならず、先行シングル「イノチノマーチ」でジャケットイラストを手掛けたさかなクンとの交流や、デビュー前のバイト先「珉亭」での松重豊との知られざるエピソード、新曲をメンバーに発表するときの方法
いろんな理屈は全部言い訳 伊集院光 こうやってヒロトさんに会うとやっぱり緊張しますね。ずっと曲を聴いてる側だし、なんかこう、嫌われたくない気持ちといい格好を見せたい気持ちが空回りして。 甲本ヒロト 僕も伊集院さんのラジオいつも聴いてますからね。実は毎回録音もしてて気に入った回は残してたりするんです。「ヨーソロー」は編集してあそこだけ残してある(笑)。 伊集院 これ読んでる人に説明すると、この間僕のやっている深夜のラジオ番組で“稲川渕剛(いながわぶちつよし)”っていう稲川淳二から長渕剛になっていくネタがあったんですよ。「怖いなあ怖いなあ、ヨーソローヨーソロー」っていう、それをヒロトさんが気に入ったらしくて、明け方突然「稲川渕剛」とだけ書いたメールをもらったことがありまして。 甲本 あったね(笑)。 伊集院 そのメールに「ヨーソローヨーソロー」ってだけ返信したときに「よし、ちゃんとやりとりでき
2019年12月にこの世を去った、ロックバンド・オナニーマシーンのイノマー。 彼が遺した5冊の闘病日記を手書きの状態のまま書籍化した『BAKA IS NOT DEAD!! イノマーGAN日記 2018-2019』(国書刊行会)が出版された。発売日は、命日にあたる2022年12月19日。 日記はイノマーが口腔底がんを宣告された2018年7月18日に始まり、死のひと月前、2019年11月18日までつづき、病を得た心境、体の痛み、不安、音楽にかける熱意、仲間たちや恋人への率直な思いが綴られている。 日記のほかには、最後まで彼に連れ添った恋人のヒロ、ライターとしての“一番弟子”フジジュン、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』(テレビ東京)などで知られる上出遼平、そして盟友・峯田和伸(銀杏BOYZ)が寄稿。 QJWebでは、本書の一部を抜粋して紹介する。
そのむかし、冨士夫から こんな手紙をもらったことがある。 『ダイナマイツ以前は、 (ルーズながらも)オレは静かで、無口で、 別にとりたてて 毒にも薬にもならない人間だったけど、 それはそれで、 すごくきれいに生きていたんだと思う。 (誰にでも“ あの頃(エデンの園) ” っていうのがあるようにね…) …………………… それが、村八分になって 初めて自分が育った土地を離れたんだ。 旅をし、精神的にもトリップをして、 要するに知恵の実である “ りんご ”を食べたってわけです。』 そう綴られた冨士夫の文章には、 すこしずつ浅い夢から醒めていくような、 うつろな自己分析が書かれていた。 いきなりのカウンターカルチャーの中に身を置き、 まるで実験のように“ りんご(禁断の果実) ”を食べ、 自分ではない自分を発見した人たち。 その、めくるめく時代の流れの中に 村八分が身を置くことは、 ある意味必然
日本最高のロック・バンドはと訊かれたら、最高かはともかく村八分の存在は絶対に落とせないのではないかと、村八分のアルバムを聴いたことのある多くのリスナーが考えていると思われます。村八分の映像は断片的なサイレント8mmフィルム類しか残っておらず、ボックス・セットの予告編にまとめられた上のリンクの5分ほどの8mm映像のコラージュ(音はライヴ音源とシンクロさせたもの)がすべてになるそうですが、この短い労作のプロモーション用ライヴ映像だけでも特別な存在感が伝わってきます。のちに述べる理由でバンド存続時・全盛期の村八分のライヴを観ることのできたリスナーは本当に少ないようですが、日本ロック史の生き証人・近田春夫氏によると「東京でやったライヴはほとんど観てるけど、たいがいは駄目だったのに、凄い時は本当に凄かった」(大意)と、点の辛い近田氏としては激賞とも言える賛辞が送られています。また日本のパンク・ロック
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