タグ

:村上春樹に関するakihiko810のブックマーク (205)

  • 村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した

    駆け出しの時期に書いたストーリーの2度目の書き直しを発表した村上春樹(2023年10月、スペインのアストゥリアス皇太子賞授賞式で) SAMUEL DE ROMAN/GETTY IMAGES <村上春樹の『街とその不確かな壁』英訳版がこの冬に刊行された。壁に囲まれた街にこだわった理由とは?> たいていのアーティストには、何度も立ち返るアイデアやテーマがあるものだ。それを練り直したり、書き直したりして、新しい作品に昇華させる。それはこだわりというよりも、どこか取りつかれている感じに近いかもしれない。 だが、小説家が駆け出しの頃に書いたストーリーを、キャリア半ばに書き直して発表し、さらに円熟期もかなり入ってから、磨きをかけて、三たび発表するのは珍しい。 村上春樹が『街とその不確かな壁』(2023年4月刊)でやったことは、まさにそれだ。初期に書いた中編小説『街と、その不確かな壁』を、1985年に『

    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 村上春樹『騎士団長殺し』論|佐々木敦

    凡庸ならざる肖像画家の肖像 何もないものをいったいどのように造形すればいいのだろう? 『騎士団長殺し』を読み始めて、最初に気になったのは、「これは一体いつの話なのか?」ということだった。その答えは小説の終わり近くになってようやく与えられるのだが、それがわかったとき、やはりそうか、そういうことかと、暫しの衝撃の後、すぐさま深く納得したのは私だけではあるまい。この小説が要するにどういう作品なのかを考えてみようとする時、最終的な、もっとも重要な、と言っていい問題は、疑いなくこのことだ。だがもちろん、そこに辿り着くまでには、それなりの道筋が必要となる。 『騎士団長殺し』を読み終えて、最初に思ったことは、これは村上春樹自身による「村上春樹論」だ、ということだった。彼の小説はしばしば謎に満ちているといわれる。解けない謎、解かれないままで終わる謎また謎に。それゆえに読者や評論家は謎を解こうと躍起になり、

    村上春樹『騎士団長殺し』論|佐々木敦
  • 村上春樹 原作初のアニメ映画『めくらやなぎと眠る女』|芦田央(DJ GANDHI)

    そもそも村上春樹先生はアニメが苦手だそうだ。過去のエッセイに、あまり良い印象を持っていないことを綴っている。 それは業界的にも有名らしく、事実『めくらやなぎと眠る女』のピエール・フォルデス監督が原作権の取得のためにパリのエージェントにコンタクトを取った際には、「村上春樹がアニメーション化を許すわけがない」と門前払いをらったそうだ。 だがアニメ化は実現した。どんなポイントが、かの村上春樹の許しを得る要因となったのだろうか。 (C)2022 Cinema Defacto - Miyu Prodcutions - Doghouse Films - 9402-9238 Quebec inc. (micro_scope - Prodcutions l’unite centrale) - An Origianl Pictures - Studio Ma - Arte France Cinema -

    村上春樹 原作初のアニメ映画『めくらやなぎと眠る女』|芦田央(DJ GANDHI)
  • 村上春樹「雨の降りしきる緑豊かな五月のポーランドを旅しながら」 『「グレート・ギャツビー」を追え』を翻訳した理由|教養|婦人公論.jp

    フィッツジェラルドの直筆原稿が強奪された! 事件の鍵を握るのは独立系書店の店主!? 全米ベストセラーとなった、作家ジョン・グリシャムの『「グレート・ギャツビー」を追え』。昨月刊行された日語版の翻訳者は、村上春樹さんだ。翻訳を手がけるきっかけとなったのは不思議な縁からだそうで……。『「グレート・ギャツビー」を追え』(中央公論新社)の「訳者あとがき」を特別に配信する。 二年ほど前、ポーランドを旅行しているとき、途中で読むが尽きてしまった。それでクラクフの街の書店にふらりと入って、英語が並んだコーナーを物色していたら、たまたままだ読んだことのないジョン・グリシャムのペーパーバックが目についた。タイトルは “Camino Island” という、どちらかという素っ気ないものだったけれど、裏表紙に書かれている内容要約を読んで、強く興味を引かれることになった。こういうものだ。 「文学史上最も大

    村上春樹「雨の降りしきる緑豊かな五月のポーランドを旅しながら」 『「グレート・ギャツビー」を追え』を翻訳した理由|教養|婦人公論.jp
  • 村上春樹は作品だけでなく、その「生き方」でも世界のファンを魅了する | 2023年に世界が注目した日本人100

    最新作『街と、その不確かな壁』の韓国語版が2023年9月に発行されたのを機に、「朝鮮日報」が作者の村上春樹にインタビューした。 約6年ぶりとなる長編作品は韓国でも大きな反響を呼び、韓国の大手オンライン書店「アラジン」による「2023年の今年の」で、読者投票1位(総投票数45万票)となった。 韓国の各書店サイトで、『街と、その不確かな壁』は予約販売で連日総合1位を記録している。過去には『1Q84』や『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』などでも同じような現象が見られた。 作品が発売前から毎回話題になる秘訣は何かという記者の質問に、村上はこう答えている。 「秘訣のようなものは一切ありません。44年かけて熱心に小説を書いてきましたし、その過程で読者の信頼を得たのだと思います。一作一作、少しずつ、信頼を積み上げてきたのです。もちろん言うまでもなく、長い年月が必要な作業です」

    村上春樹は作品だけでなく、その「生き方」でも世界のファンを魅了する | 2023年に世界が注目した日本人100
  • 村上春樹『職業としての小説家』書評|「創作」をいったん「作業」にすること - Trash and No Star

    ただ通り過ぎていく時間、取り返しのつかない甘い夏の夢、それをただ眺めていることしかできない無口な少年、ビールと煙草、冷たいワイン、古臭いアメリカン・ポップス、そして微かな予感――。村上春樹のすべてが詰まったデビュー作、『風の歌を聴け』を久しぶりに読んだ。学生時代に戻ったような気分で、ほぼ一晩で読み切ってしまった。 久しぶりというのもあっただろうし、村上春樹が小説家になった経緯や、小説家で「あり続けること」について語り下ろした疑似講演録『職業としての小説家』から続けて読んだというのもあっただろうが、とにかく新鮮で、目の前に果てしない草原が広がっていくような読書体験だった。 もっと自由でいいのだと思えたし、もっと自由であるべきなのだと思えた。そんな気分にさせてくれるはそう多くはない。 Wikipediaにも載っているかもしれないが、一応、繰り返しておくと、『風の歌を聴け』は、1978年の神宮

    村上春樹『職業としての小説家』書評|「創作」をいったん「作業」にすること - Trash and No Star
  • 村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」、識者はどう読んだか 「対談」独文学者・松永美穂さん×英米文学者・阿部公彦さん | 47NEWS

    村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」、識者はどう読んだか 「対談」独文学者・松永美穂さん×英米文学者・阿部公彦さん 人気作家、村上春樹さん(74)の6年ぶりとなる新作長編小説「街とその不確かな壁」が4月13日に発売された。発売日には書店でカウントダウンイベントが行われるなど話題を集め、出版取次大手の日出版販売とトーハンが発表した2023年上半期のベストセラーランキングでいずれも1位に輝いた。書は1985年の長編「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と同様、80年に文芸誌に発表した中編が下敷きになっている。ドイツ文学者の松永美穂さん(64)と英米文学者の阿部公彦さん(56)が、新作について率直に語り合った。(司会・聞き手は田村文・共同通信編集委員) ▽「最近の村上作品には違和感を覚えることが多かったが…」 ―「街とその不確かな壁」は村上春樹さんの6年ぶりの長編小説です。3部構

    村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」、識者はどう読んだか 「対談」独文学者・松永美穂さん×英米文学者・阿部公彦さん | 47NEWS
  • 村上春樹による村上春樹のリマスターは成功したのか――『街とその不確かな壁 』評

    私は村上春樹の小説を比較的熱心に読んできたほうだと思うが、特に2010年前後に出た『1Q84』三部作以後の作品には、毎度首をかしげざるを得なかった。なぜこの小説が書かれねばならなかったのか、その動機やコンセプトが判然としないまま、いかにも村上春樹的なキャラクターが村上春樹的な性愛と村上春樹的な壁抜けをひたすら擦り切れるまで反復するばかり――しかも、文体はかつての弾力性やスピード感を失い、キャラクターも総じて精彩を欠く。宇野常寛もnoteの記事(『街とその不確かな壁』と「老い」の問題ーー村上春樹はなぜ「コミット」しなくなったのか(4月17日追記))で同じようなことを書いているが、私も村上のこの低調な自己模倣モードには耐え難いものを感じていた。 むろん、以前の作品と似ていることが一概に悪いわけではない。例えば、小津安二郎の映画は毎回どれも似たようなキャラクターばかり登場するが、それでも十分面白

    村上春樹による村上春樹のリマスターは成功したのか――『街とその不確かな壁 』評
  • 『輪るピングドラム』や『すずめの戸締まり』にも影響を与え、海外でアニメ映画化も果たした「かえるくん、東京を救う」とはなにか? | ムービーナーズ

    あの世界的にも有名な村上春樹さんの作品が、昨年2022年に海外でまさかのアニメーション映画化を果たしていたのをご存知でしょうか。その名も『めくらやなぎと眠る女(Blind Willow,Sleeping Woman)』です。 作は複数の村上春樹が手がけた短編を一の長編映画にまとめた内容となっているのですが、実はその短編の一つとして「かえるくん、東京を救う」が収録されているのが注目のポイント。この「かえるくん、東京を救う」は曰く付きの作品でありTVアニメ『輪るピングドラム』や『すずめの戸締まり』といった作品とも深い縁のある作品なのですが、どんな繋がりがあるのでしょうか。 映画『めくらやなぎと眠る女』が日上陸を果たしたのは、今年2023年に初めての開催を迎えた新潟国際アニメーション映画祭でした。様々なプログラムが催される中、特に貴重な上映企画となったのが長編作品を対象としたコンペティショ

    『輪るピングドラム』や『すずめの戸締まり』にも影響を与え、海外でアニメ映画化も果たした「かえるくん、東京を救う」とはなにか? | ムービーナーズ
  • 村上春樹新作「文芸のプロ」が読んだ驚く深い感想

    コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

    村上春樹新作「文芸のプロ」が読んだ驚く深い感想
  • 村上春樹「残りの人生、いくつ長編を書けるだろう」世界的小説家が70歳を超えて変わったこと、考え始めたこと

    Search, watch, and cook every single Tasty recipe and video ever - all in one place! News, Politics, Culture, Life, Entertainment, and more. Stories that matter to you.

    村上春樹「残りの人生、いくつ長編を書けるだろう」世界的小説家が70歳を超えて変わったこと、考え始めたこと
  • イッセー尾形は村上春樹作品をどう朗読(よ)んだか? Amazonオーディブル『東京奇譚集』収録秘話 | BANGER!!!(バンガー) 映画愛、爆発!!!

    「イッセーさんの朗読が、どんなオーディオの旅になるか」 ―今回、初めてオーディブル作品を朗読した率直な感想を教えてください。 イッセー尾形(以下、尾形):難しかったです。一編目の「偶然の旅人」を最後に回し、「ハナレイ・ベイ」から朗読が始まったんです。「ハナレイ・ベイ」にはキャラクターがたくさん登場するので、キャラクターごとに差をつけたいと思いました。 母と息子の差、あるいはどうしようもない若者二人の差、現地の人の差など、小さな差異を声で表現することを発見しました。5編のうち一番振幅が大きかったのが、「ハナレイ・ベイ」だったと思います。 ―「ハナレイ・ベイ」は2018年に映画化されていますし、鮮やかな映像が文字からでも浮かびます。 尾形:確かに映像が浮かびますよね。 ―イッセーさんの朗読を聴いて、宮川さんはどんなことを感じましたか? 宮川もとみ(以下、宮川):最高でした。一人芝居はもちろん、

    イッセー尾形は村上春樹作品をどう朗読(よ)んだか? Amazonオーディブル『東京奇譚集』収録秘話 | BANGER!!!(バンガー) 映画愛、爆発!!!
  • 村上春樹を育てた翻訳文化、あるいは藤本和子の若さについて——邵丹インタビュー|ヒルズライフ

    CULTURE translation and creation 村上春樹を育てた翻訳文化、あるいは藤和子の若さについて——邵丹インタビュー 2022.06.25 SAT テクノロジーによる翻訳は、とても便利だ。だからこそ考えておきたいのは、そもそも翻訳という営みは、現代社会を根底から考え直させるような、ラディカルな問いを含んでいるということだ。村上春樹を育んだ1970年代日の翻訳文化にフォーカスし、既に話題を呼びつつある邵丹(ショウ タン)の『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳 / 藤和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち』(松柏社、2022年3月)は、先人たちが紡いできた問いの輪へと、私たちを手招きしている。著者の邵に話を訊いた。 TEXT BY Fumihisa Miyata PHOTO BY Kaori Nishida ——『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳』は、村上春樹の世界

    村上春樹を育てた翻訳文化、あるいは藤本和子の若さについて——邵丹インタビュー|ヒルズライフ
  • 村上春樹、ストーリーを決めずに長編を執筆「本当に楽しい」 スガ シカオが驚愕 | J-WAVE NEWS

    作家の村上春樹とスガ シカオが、J-WAVEで対談。ザ・ビーチ・ボーイズの音楽性やハワイ・カウアイ島で暮らした日々、最近のJ-POPや、長編小説の制作の面白さについて語った。 J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。村上が登場したのは、6月12日(日)のオンエア。 番組の公式サイトでは、ふたりの選曲も公開中。 ・公式サイト https://www.j-wave.co.jp/original/experience/220612.html 年齢を重ねて魅力に気づいた、ビーチ・ボーイズの一曲 スガは学生時代に村上の著書『羊をめぐる冒険』(講

    村上春樹、ストーリーを決めずに長編を執筆「本当に楽しい」 スガ シカオが驚愕 | J-WAVE NEWS
  • 村上春樹「僕は基本的に『理想主義』というものを信じている」 | 仏誌のインタビュー「日本語全文」を独占公開

    フランス誌が「世界で最も読まれ、世界で最も謎めく作家の一人」と評する村上春樹にインタビューをおこなった。語られたのは、父のこと、小説のこと、そしてある一日の過ごし方まで──日語の全訳を独占公開する。 現代日で最も有名な作家は、控えめに言っても、メディアに出ることがあまりない。完全にミュート状態というわけでもないのだが、それに近いところがある。そのことについて尋ねられるのも嫌だというところを隠そうともしない。 「小説家にとっては『良い小説を書く』というのがいちばん重要な事柄であって、それ以外のことはだいたい全部『おまけ』みたいなものだ。しゃべりたい人はしゃべればいいし、黙っていたい人は黙っていればいい。それだけ」 だからフランスの読者がこれまで知れたのは、彼がところどころでしぶしぶ書き記したような伝記的事実の幾つかだけだ。音楽が好きで、趣味はランニングと野球。それ以外はを通してわかるこ

    村上春樹「僕は基本的に『理想主義』というものを信じている」 | 仏誌のインタビュー「日本語全文」を独占公開
  • 「村上作品を映画にしませんか?」米アカデミー賞4部門ノミネート…『ドライブ・マイ・カー』歴史的快挙の舞台裏 | 文春オンライン

    『ドライブ・マイ・カー』は米アカデミー賞に作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞の4部門でノミネートされた。作品賞・脚色賞は日映画史上初の快挙。監督賞は『乱』の黒澤明監督以来、36年ぶりという。 昨年8月からロングランを続けていたが、ノミネートが明らかとなってから上映館数は240館に達し、興行収入も6億円を突破した。コロナ禍に苦しむ邦画界にとって、まさに一筋の明るい話題となっている。 『ドライブ・マイ・カー』はどのように生まれ、どうしてここまで評価されたのか。 ◆ ◆ ◆ ここに至る軌跡を山晃久プロデューサーが語る。 「もともと僕が村上春樹さんの小説が大好きで、映画を志した中学生の頃からいつか映画化したいと思っていたんです。濱口竜介監督にある時、『村上作品を映画にしませんか』と提案したところ、監督も村上作品を読んでいて、『思ってもいなかったけど興味があります』という返事でした」 村上作

    「村上作品を映画にしませんか?」米アカデミー賞4部門ノミネート…『ドライブ・マイ・カー』歴史的快挙の舞台裏 | 文春オンライン
  • 映画『ドライブ・マイ・カー』と小説『女のいない男たち』の意外な相違点〜村上春樹作品と「非モテ性」(杉田 俊介) @gendai_biz

    米アカデミー賞に作品賞などにノミネートされ話題を呼んでいる、映画『ドライブ・マイ・カー』。じつは同作と、原作である村上春樹『女のいない男たち』の間には、見逃せない相違があると批評家の杉田俊介氏は指摘する。そしてその違いからは、村上春樹作品と「非モテ性」の関係が浮かび上がってくる。 女性の「心」と対峙できない 以前、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』について男性学/メンズリブ的な視点から読み解いてみた(「『ドライブ・マイ・カー』が「自分の傷つきに気づきにくい男性」に与えてくれる“大切なヒント”」」)が、ここでは、村上春樹原作の小説『女のいない男たち』と映画『ドライブ・マイ・カー』の違いに注目してみたい。 というのは、映画『ドライブ・マイ・カー』は極めて完成度の高い原作の改変・翻案(adaptation)を行っているのだが、それによってかえって小説『女のいない男たち』における重要な問

    映画『ドライブ・マイ・カー』と小説『女のいない男たち』の意外な相違点〜村上春樹作品と「非モテ性」(杉田 俊介) @gendai_biz
  • 『ドライブ・マイ・カー』が「自分の傷つきに気づきにくい男性」に与えてくれる“大切なヒント”(杉田 俊介) @gendai_biz

    濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が米アカデミー賞の作品賞など4部門にノミネートされた。日映画が作品賞にノミネートされるのは初めてのことだ。 同作の一つの特徴は「男性性」を繊細に描いている点にある。男性性について研究する「男性学」や、男性性の解放を考える「メンズリブ」の視点からは、同作がどう見えるのか。『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』(集英社新書)などの著書がある批評家の杉田俊介氏が読み解く。 (※稿は『ドライブ・マイ・カー』の物語の展開の重要な部分に触れているところがあります) 男性にかけられた呪い? ――僕は、正しく傷つくべきだった。 濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)は、村上春樹の短編集『女のいない男たち』(2014年)所収の「ドライブ・マイ・カー」を原作とし(他にも同短編集の「シェエラザード」「木野」を題材として取り込んでいる)、濱口監督

    『ドライブ・マイ・カー』が「自分の傷つきに気づきにくい男性」に与えてくれる“大切なヒント”(杉田 俊介) @gendai_biz
  • 村上春樹とTシャツと──モノと人との、切っても切れない関係性への考察 | モノを生かし、モノに生かされる人生

    11月23日に英語版が発売された、村上春樹のエッセイ『村上T 僕の愛したTシャツたち』。「控えめなTシャツへのラブレター」とも言えるその言葉の連なりからは、私たちがいかに身の回りのモノを生かし、またそうしたモノたちに生かされているかが見えてくる──米誌「アトランティック」による、モノと人との切っても切れない関係性への考察。 ノベルティーTシャツの2つの役割 ノベルティーTシャツの愛好家、かつ、生まれついての収集家である私は、長いことTシャツを集めてきた。1990年代、家族で「ベン&ジェリーズ」のアイスクリーム工場に行ったときには、派手なタイダイ柄のTシャツを手に入れたし、最近では、パンデミックのさなかに出会った濃い緑色の長袖Tシャツがある。りんごのケーキで有名なトロントのレストラン「ミスティック・マフィン」のものだ。タイダイ柄の方はどこにしまい込んだか忘れたが、緑色の方は涼しくなるといつも

    村上春樹とTシャツと──モノと人との、切っても切れない関係性への考察 | モノを生かし、モノに生かされる人生
  • 映画『ドライブ・マイ・カー』で村上春樹の世界観は問い直されたのか 西森路代×ハン・トンヒョン - wezzy|ウェジー

    西森路代 1972年、愛媛県生まれのライター。大学卒業後は地元テレビ局に勤め、30 歳で上京。東京では派遣社員や編集プロダクション勤務、ラジオディレクターなどを経てフリーランスに。香港、台湾韓国、日のエンターテインメントについて執筆している。数々のドラマ評などを執筆していた実績から、2016 年から4 年間、ギャラクシー賞の委員を務めた。著書に『K-POP がアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK 出版)など。Twitter:@mijiyooon 「男らしさ」の手放し方が原作と違っているハン:『ドライブ・マイ・カー』は映画として構造的によく出来ているし、評価されているのもよくわかります。私も瀬戸内海をドライブするシーンはものすごく好きで、あそこだけで泣きそうになるくらいでした。でも、全体としてはうーん、というところも多くて……。なんというか、冒頭からもそうなんです

    映画『ドライブ・マイ・カー』で村上春樹の世界観は問い直されたのか 西森路代×ハン・トンヒョン - wezzy|ウェジー