“答えがない理由”をゆっくり描いたドラマ ドラマ『いちばんすきな花』は最終話の最後、藤井風がドラマセットのなかで歌い、それが話題になっていた。 非常に上質のドラマであった。 『いちばんすきな花』のタイトルは「いちばん」も「すき」も、ひらがなである。 何も考えずに変換すると、一番好きな花、としてしまうことが多いはずだ。 ひらがなであることが大事なのだろう。 男と女に友情は成立するか、という問いには答えはない。 このドラマのテーマはたぶん、そこにはない。 なんで答えはないのか、そのことをゆっくり描いているドラマであった。 タイトルがほぼひらがなである感覚と、答えを求めないでゆっくり進む世界に感応しなかったら、たぶん、このドラマはかなりつまらなく感じられただろう。 それでいいんである。 そういう人がいないと世の中はまわっていかない。忙しい人で、ドラマにも忙しさを求める人にはこのドラマは反応してく
週プレNEWS TOPニュースエンタメ『週刊少年ジャンプ』のハガキ職人時代は採用ネタを連発!! 女性ピン芸人・赤嶺総理に聞く「大喜利力」の磨き方 赤嶺総理。『ONE PIECE』が大好きで、コミックスにイラストが掲載されたことも 神保町よしもと漫才劇場で異彩を放つ女性ピン芸人がいる。その名も「赤嶺総理」。ネタは主にフリップネタだが、彼女が一番得意とするのは「大喜利」。フリップネタはもちろん、大喜利回答にも独特の視点があふれていて、誰しもが容易に想像できるのに、誰も思い付かない回答ばかりだ。 そんな赤嶺総理の独自の視点の源は、中学・高校生時代に愛読していた『週刊少年ジャンプ』の読者投稿ページにあるという。そこで今回は彼女を集英社にお呼びし、ハガキ職人時代の思い出を振り返りながら、一般人でも役立つようなアイディアの出し方、発想力の鍛え方についてもうかがっていく。 *** 読者投稿にハマっていき
ドキュメンタリー映画監督として知られている森達也氏が、初めて劇映画を監督した『福田村事件』が9月1日公開となった。本作のキーワードは「集団化」。森氏は以前から地下鉄サリン事件以降に日本社会の「集団化」が進んだと話していた。本記事はコロナ禍の最中、コロナで変容した社会に「集団化」はどう関わっているのか、ライター姫乃たま氏が森氏にインタビューしたもの。映画『福田村事件』にも繋がる「集団化」とは何だろうか。 新型コロナで「集団化」が加速した 数カ月後に世界がまるで変わってしまうなんて、考えてもみなかった2019年の秋。森達也監督は最新のドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』を発表したばかりでした。 しかし冬から春にかけて出展が決まっていた映画祭の中で、会場に足を運べたのは、20年1月末にヘルシンキで開催されたドキュメンタリー映画祭のみ。 ほかの映画祭は軒並みオンラインでの開催に切り替
——過去のnoteを掘るとそういう文化が好きな片鱗は感じるんですよ。町山智浩さんのツイートをスクショでイジッてたり(笑)。 ぐんぴぃ そうですそうです(笑)。そんなところまで見てもらってますか、下調べの吉田豪! 自分がされたらどうなるんだろうと思ってたんですけど、やっぱすごいなあ。 ——話を戻します! ぐんぴぃさんは、いまお笑いの世界でもこれまでに前例のない、稀な成功の仕方をしつつあるじゃないですか。 ぐんぴぃ たしかに変な出方かもしれない。 ——その複雑な感情が興味深いんですよね。ABEMA NEWSの街頭インタビューで「バキバキ童貞です」と答えたのがバズッていまこうなってるわけですけど、不思議とこの状況に満足してる感じが伝わらないというか。 ぐんぴぃ もちろん満足してないですよ。いわゆるお笑い芸人になりたくて、ネタをやっておもしろくて賞レースを獲って売れていくことにあこがれてきたんで。
去る10月14日、11月4日で「東京チカラめし」東日本唯一の店舗だった新鎌ヶ谷店が閉店し、残るは大阪日本橋店のみとなるというニュースがありました。チカラめしといえば、11年に登場するや翌年には100店舗を達成するなど牛丼界の風雲児となるも、「あそこマズくない?」「いや、最初はちゃんとしてたが急拡大にオペレーションが追っつかなくなったのだ」などといった議論を起こしつつあっという間に衰退、数年で店舗数は一桁にまで落ちると、22年には「東京」の名に反し都内から店舗がなくなってしまい、そしてついに東京どころか関東からもなくなってしまうという、入れ替わりの激しい外食業界の中でもひときわ栄枯盛衰が目立ったチェーンでした。というわけで今回の紹介は、そんなチカラめし(が明らかにモデルの店)が連載第1話で取り上げられている時代の証人的漫画、土山しげる『怒りのグルメ』(連載時タイトル「噴飯男」)です。 『怒り
『熱笑!!花沢高校』 先日、映画『HiGH&LOW THE WORST X CROSS』(以下ザワクロ)を見ました。『HiGH&LOW(以下ハイロー)については皆さん見ていらっしゃるでしょうが……、や、見てないって人もいるかも知れませんが、『邦キチ! 映子さん』とか『シネマこんぷれっくす!』とかの映画紹介系漫画でも絶賛されてたでしょ! 見ろ! 見てください! とりあえずこの「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」Action Special Trailerを見ていただければ、「よくわからんがとにかくアクションが凄い」ということは分かっていただけるのではないかと思います。「ダンスやってる人は運動能力がガチで凄い」という話を聞いたことがありますが、それが納得のアクション。5分32秒からの格ゲーみたいな動きとかほんと劇場で見てビビりましたもん。あと多数対多数の集団戦
今年もなんとか年末までたどり着きましたね。毎年書いている今年面白かった本を紹介する記事です。 今年は本屋(蟹ブックス)で働き始めたということもあって、今までよりも幅広い本を手に取った一年だったように思います。あと、去年はなぜか短歌くらいしか読めなくなっていたけど、今年はエッセイとかをまた楽しく読めるようになってきました。うれしい。エッセイを書く気力もわりと戻ってきたので、2024年はまたエッセイ本を出したいなと思っています。まあ、できる範囲でやっていきたいですね。無理せず、死なないように。 マンガ 鶴崎いづみ『私のアルバイト放浪記』(観察と編集) 大山海『令和元年のえずくろしい』(リイド社) 大白小蟹『うみべのストーブ』(リイド社) 坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし』(リイド社) 岩波れんじ『コーポ・ア・コーポ』(ジーオーティー) 新井英樹『SPUNK - スパンク!』(KADOKAWA)
麻雀漫画というジャンルの中には、SF要素を含んだものが少なからずあります(それこそ『咲-Saki-』とかだって「麻雀人口が1億人を突破した世界」という並行世界ものと言えんことはない)。その中でも、筆者が勝手に「三大SF麻雀漫画」と呼んでいる作品があります。一つは以前に記事を書いた『ナイトストーン 危険な扇動者』、一つは『トーキョーゲーム』(青山広美特集の記事とインタビューを参照)、そしてもう一つが、今回紹介する志村裕次+みやぞえ郁雄『真・麻雀伝説 風の雀吾』です。連載は徳間書店の『漫画タウン』(徳間書店)82〜83年。単行本はグリーンアローコミックスから全2巻が出ており、今は電書もあります(紙の本だと巻数表記がなくて「雷鳴編」「灼熱編」というどっちが1巻か分からない謎の仕様だったのが、電書版は巻数表記があって親切)。原作の志村は70〜80年代に麻雀漫画原作を書きまくった(読切数だとたぶん日
トップインタビュー・対談“学歴厨ホイホイ漫画”で話題! 『かしこい男は恋しかしない』作者・凹沢みなみ×タワマン文学作家・外山薫スペシャル対談 異色の学歴×男子校ラブコメディとして「別冊マーガレット」にて大人気連載中の『かしこい男は恋しかしない』。通称「かし恋」と呼ばれている本作だが、2023年12月25日に待望の単行本第1巻が発売された。発売を記念して、作者・凹沢みなみ先生と、連載当初より本作を「学歴厨ホイホイ漫画」と称し、Xでラブコールを送り続けているタワマン文学作家・外山薫先生との対談が実現。実は、担当編集・高峰氏は名門男子校出身者であることが判明した今回の対談。異色の少女漫画家、タワマン文学の先駆者、名門男子校出身の編集者……各々の目線で本作の魅力はもちろん、学歴厨の正体に迫る。 外山薫が絶賛! “私文いじり”はどこから生まれた? ――外山先生が初めて「かし恋」を読んだ時、どんな感想
12月26日にマーロン・タパレスとの歴史的一戦を控えた「モンスター」井上尚弥。彼と対戦した選手たちの人生を追ったノンフィクション『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』が多くの人に感動を呼び、4刷3万3000部のヒットとなっている。 小説家の塩田武士氏も、同書に心をつかまれた一人だ。『罪の声』『存在のすべてを』などの話題作を執筆し、ボクシング小説『拳に聞け!』の書き手でもある塩田氏は、本書を「今年読んだ中で一番のノンフィクション作品」と絶賛する。 「『勝敗』という二項対立を描きながら、『勝敗』を超越したリングを描いている」と熱っぽく語る塩田氏。『怪物に出会った日』の読みどころについて聞いた。 奇跡から逃げない ――塩田武士さんが2023年のベストブックに選んだのは、森合正範著『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』でした。「モンスター」に敗北を喫したボクサーたちを徹底取材するこ
2023年アニメもそろそろ終わりが見えてきました。今年は1年を通じて大作も意外な伏兵も愛すべき作品も多く、いつにも増して満足度が高い1年だったと感じます。 さて、年末にはさまざまな雑誌やサイト、サービスなどで1年間のアニメを振り返る企画がありますが、今回は制作会社単位で振り返り、特によかった会社を勝手に褒めようという試みです。ただし、MAPPAやWIT STUDIO、A-1 Picturesといった毎年すごい(語彙力!)制作会社は殿堂入りとして選考対象から除外しています。「今年は特にすごかった!」と言える、相撲の三賞における敢闘賞的な意味合いでの企画と捉えていただければ幸いです。 また筆者はアニメ制作に関してはズブの素人であり、あくまでいち視聴者として年間220本程度のTVアニメなどを観続けたうえでの感想という前提でご笑覧ください。 動画工房 「動画工房も毎年すごいだろ!」と言う声も聞こえ
有吉弘行さんが、橋本環奈さん、浜辺美波さん、高瀬耕造アナウンサーとともに、NHK紅白歌合戦の司会を務めます。司会が発表されたとき、有吉さんは、2022年に亡くなった上島竜兵さんのことを思い浮かべていました。 「うれしいことがあったら、必ず上島さんが電話をかけてきてくれたので」 不遇時代の有吉さんの支えだった上島さんの言葉。2022年の紅白にゲスト出演したとき、ステージでこみあげた思いなど、紅白の放送を前に聞きました。 1994年にお笑いコンビ「猿岩石」を結成し、民放の番組「進め!電波少年」のヒッチハイク企画に出演して大ブレイクした有吉さん。 歌手デビューも果たし、「白い雲のように」がミリオンセラーの大ヒット。一躍、時の人となりました。 しかし、人気が続かず仕事は激減。食べることもままならない状況に陥ったといいます。 有吉弘行さん 「全く仕事がなくなったような状態で、何ならもう芸人をやめなき
人気番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)にて、12月6日と13日の2週に渡って放送された企画「S-1(スベリワン)グランプリ」。これは、“もっともスベっている芸人”を決めるという、前代未聞の大会だ。 優勝したのは、モグライダーが推薦したピン芸人・エンジンコータロー氏(41歳)だった。これまでの芸歴で脚光を浴びることは皆無だったなか、不名誉な形ではあるものの、日本中から注目されるという事態に。本人は何を思うのか。“優勝者インタビュー”をお届けする。 ――この企画は「S-1(シングルワン)グランプリ」という、「新しいピン芸人の大会」のていで招集されていたようですね。 エンジンコータロー(以下、エンジン):数ヶ月前、モグライダーの芝(大輔)君から「TBSの方に連絡先を教えていいですか?」と言われたんです。最初はモグライダーがメインの企画で、「僕なんて顔も映らないんだろうな」と思っていました。
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