科学の科学―コレージュ・ド・フランス最終講義 科学の科学―コレージュ・ド・...の他のレビューをみる» 評価: ブルデュー 藤原書店 ¥ 3,780 (2010-10) ブルデューの科学社会学講義録であり、生前に出版された最後の著書。本書は主に3つの章からなり、第1章では、マートンの科学社会学、クーンの科学革命論、ストロング・プログラム、ラトゥールの科学論、の4つが批判される。第2章では、ブルデュー自身の界、ハビトゥス、性向、といった概念を使った科学の記述がなされ、第3章では、社会科学(者)にとっての自己分析の重要性が説かれ、ブルデュー自身の自己分析が開陳される。2章はいつもの議論が繰り返されているだけであるし、特に新しさを感じなかったので、1章と3章を中心に紹介する。マートンの科学社会学は、科学界の共同体的側面のみを強調し、その内部での対立、闘争を無視しているため、批判されている。いっぽ