将棋の公式戦で鼻を出してマスクを着けて反則負けになり、対局停止処分を受けた日浦市郎八段(58)が、日本将棋連盟に約380万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、請求を棄却した。杜下弘記裁判長は「連盟の処分は裁量の範囲内の行為で違法とは認められない」と述べた。 判決によると、連盟は2022年2月、新型コロナウイルスの流行を受け、対局中にマスクの着用を義務づけた「臨時対局規定」を導入した。日浦八段は23年1~2月に3回、マスクから鼻を出した状態で公式戦に臨み、立会人から注意を受けても従わなかった。 連盟は臨時対局規定に違反したとして、3回の対局は日浦八段の反則負けとした上で、3カ月間の対局停止処分とした。日浦八段側は訴訟で、マスクの具体的な着用方法に定めはなかったと訴えていた。 判決は、政府が当時、鼻まで覆う方法を推奨しており、鼻出しを臨時対局規定違反とした連盟の解釈は合理的だと