はてなキーワード: 島本和彦とは
マガジン20選を決める際、一人一作しばりを外した。ちばてつやと梶原一騎(高森朝雄)はどうしても二作選ばなければならなかった。週刊少年マガジンはちばてつやに育てられ梶原一騎に鍛えられた。特にちばてつやがいなければ今日のマガジンはない。
『ちかいの魔球』1961-1963『ハチのす大将』1963『紫電改のタカ』1963-1965『ハリスの旋風』1965-1967『あしたのジョー』1968-1973『おれは鉄兵』1973-1980『あした天気になあれ』1981-1991『少年よラケットを抱け』1992-1994
と三十年以上に渡りマガジンを牽引してきた生き神様のような存在だ。新人発掘のちばてつや賞選考委員として世に送り出した漫画家たちも数多い。Wikipediaを見るとあの人もこの人もちばてつや賞出身だったのかと驚く。漫画家初の文化勲章受章者になったのも当然すぎるほど当然の偉人。
梶原一騎は他誌でも書いているがマガジンでのヒット作が多い。『空手バカ一代』も『愛と誠』もマガジン連載作。
部活漫画の開祖。ガキ大将が剣道やボクシングやサッカー等様々なスポーツに挑戦する。後世への影響力は『あしたのジョー』以上ではないだろうか。アニメ化の際はガキ大将が大山のぶ代、メガネくんが小原乃梨子という配役だった。後のドラえもんコンビの原点という意味でも重要だ。
『墓場の鬼太郎』から改題。マガジン発ではないがマガジン連載で有名になり今もアニメがリメイクされる国民的キャラクターになった。
後世への影響力は間違いなくマガジンNo.1。苦悩する主人公、激しい特訓、写実的な絵でスポ根というジャンルを確立した。漫画界に地殻変動を起こした。その分パロディの対象にされることも多い。夏目房之介『消えた魔球 熱血スポーツ漫画はいかにして燃えつきたか』と斎藤貴男『夕やけを見ていた男 評伝梶原一騎』を読むと理解が深まる。
奇跡の名作。二つの異なる才能がぶつかり合い、週刊連載による偶然が積み重なり、梶原一騎的世界ともちばてつや的世界とも違う唯一無二の作品が完成した。日本漫画史はここで一つの頂点に達する。
日本最高の漫画を選ぶなら『あしたのジョー』と『デビルマン』は有力候補になるだろう。この二作が同時に載っていた当時のマガジンの恐ろしさ。永井豪は週刊少年漫画誌5誌全てに連載を持っていた。
アウトドア漫画の魁。前代未聞の高度な画力で釣りを啓蒙した。梶原一騎や時代の影響で暗くなっていたマガジンから明るさを取り戻す好機にもなった。当時10年間連載というのは非常に稀なことだった。
少年誌のラブコメの基礎を築いたというだけでも偉大だが、その後深刻なメロドラマへと変貌する。今の瀬尾公治や流石景はこの流れの中にある。柳沢きみおは過小評価されている。永井豪同様5誌全てに連載を持っていた。
熱血の時代から熱血を笑う時代へのパラダイムシフトを象徴する一作。小林まことと島本和彦は熱血する自分を高らかに笑いながらまた熱血し続ける。三四郎は『ハリスの旋風』のようにスポーツを転々とする。『青春少年マガジン 1978〜1983』を読むと壮絶な舞台裏が垣間見える。
かつてマガジン最長連載を誇っていた。超巨大学園の抗争から異種格闘技になったかと思えば突然ロックバンドをやり出して最終章ではどシリアスな展開に突入し「新」では柔道漫画に様変わり…と融通無碍な作風。マガジンのカラーそのものだ。「L」連載中マガジンSPECIALに移籍し2004年に中断。
峠の走り屋だった高校生が世界的レーサーへと成長するまでの物語。楠みちはる『あいつとララバイ』と共に80年代のバイクブームを盛り上げた。『バリバリ伝説』をバイブルと呼ぶバイク乗りは多い。後の『頭文字D』の布石にもなった。
森川ジョージはちばてつやの正統的後継者だ。『ハリスの旋風』を読んで漫画家を志し、ちば先生が描いているからという理由でマガジンに持ち込みデビュー。ちばてつや的世界を平成風にアップデートした『はじめの一歩』は途轍もなく面白い漫画だった。そんな時代があった。
世間への悪影響ではトップクラス。今でこそ「な、なんだってー!」をネタにしていられるが当時1999年人類滅亡に本気で怯えた子供は多い。70年代の五島勉の記憶が薄らいだ頃に再びノストラダムス大予言の恐怖を植え付けた。山本弘『トンデモノストラダムス本の世界』『トンデモ大予言の後始末』は解毒剤として有効。後者でのMMR批判は傑作。
ヤンキー漫画の集大成。同時期の『湘南純愛組!』『カメレオン』等と共にマガジンの治安の悪さに貢献した。これ以上不良を熱く描くのはもう不可能かもしれない。
1億部を超えるマガジン最大のヒット作。推理漫画というマイナージャンルを一気に隆盛へと押し上げた。雨後の筍のように模倣作が乱立しその中から『名探偵コナン』というもう一つの巨星が生まれた。影響力では『巨人の星』に次ぐNo.2だろう。福井健太『本格ミステリ漫画ゼミ』は推理漫画の歴史を概観した労作。これを読むと『金田一少年の事件簿』以前以後で全く景色が違うのがわかる。
『湘南純愛組!』の主人公の一人だったヤンキーが教師になって大暴れ。マガジンがジャンプを破り日本一の発行部数に君臨する立役者にもなった。TVドラマも大ヒット。反町隆史・松嶋菜々子のビッグカップル誕生のきっかけになったという意味でも影響力は大きい。
萌えをマガジンに定着させた。雑誌のカラーを変えたという点でかなり重要。これ以後の『スクールランブル』等の恋愛漫画にもつながる。一方でヤンキー漫画は減っていった。
正確なスポーツ描写の時代を象徴する一作。同時期の『あひるの空』はスポーツ弱小校を描くことによって、『ベイビーステップ』は現実的なトレーニング理論を取り入れることによってリアリティを追求した。梶原一騎の根性主義は完全に過去のものになった。
70年代しかあり得なかったはずの週刊少年漫画誌全誌連載が10年代に甦った。『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』『FAIRY TAIL』『魔法先生ネギま!』等のファンタジー漫画隆盛の象徴としても挙げておきたい。
障害にいじめという深刻な問題を描き大反響を呼び様々な議論を巻き起こした。マガジンは塀内夏子以来女性漫画家が多い。(最初は里中満智子だが流れを作ったのは塀内夏子)『シュート!』の大島司、『Harlem Beat』の西山優里子、『ゴッドハンド輝』の山本航暉、『トッキュー!!』の久保ミツロウ、『ベイビーステップ』の勝木光、『ヤンキー君とメガネちゃん』の吉河美希、『ドメスティックな彼女』の流石景等。
今、不良は現実でも漫画でも下火になっている。その状況で不良漫画を描くにはどうしたらいいか。タイムリープで不良が盛んな時代に行けばいい!という発想の転換で大ヒットになった。時代の移り変わりを象徴する一作。
『天才バカボン』も『男おいどん』も『野球狂の詩』も『三つ目がとおる』も『ミスター味っ子』も『シュート!』も『BOYS BE…』も『サイコメトラーEIJI』も『エア・ギア』も『FAIRY TAIL』も『五等分の花嫁』も『ブルーロック』も選外になってしまったが、マガジンの歴史の流れを重視して選んだ。
追記・返信
今回の20選は「後世への影響力」「時代の象徴」という観点から選びました。
>”柳沢きみおは過小評価されている。” 同意なのですが、すっきり終わるのがないからでしょうか。
今の流行と合わないというのもありますが、本人が自分のブランド化に失敗してる感じもします。
>ミスター味っ子はグルメ漫画の演出にだいぶ影響を与えたのではないだろうか。むしろアニメ版が大きいのか?
そうですね、『ミスター味っ子』の影響力はアニメの今川演出によるところが多く、原作は割と普通なので。
>巨人の星とあしたのジョーの連載時期が重なっていることを再認識して呆気にとられる
本当に恐ろしい。よほどマガジンの風が合ったのか。
>90〜ゼロ年代の読者には「週刊少年キバヤシ」みたいな印象があるが、こうして列挙されるとそこまででもない、のかな。いや
>バリ伝が入ってるのは嬉しい。イニDのキャラクターに感じられなかった生気のようなものがまだあった。
『バリバリ伝説』は絶対入れようと思ってました。『頭文字D』よりこっちですね。
>七つの大罪ってそんなか?とか所々疑問はある。
うーん確かに。『FAIRY TAIL』の方がよかったかもしれません。
>「コータローまかりとおる!」途中で訳が分からなくなって、読むのを止めた。それまでは楽しみに読んでたよ。私は20選に選ばない
まあ名作というわけではないけど、あのなんでもありな感じが実にマガジンらしいと思います。
> 味っ子IN大罪OUTだな、スーパードクターKは面白いけどブラックジャックと北斗の拳の悪魔合体だし
うーんやっぱり『七つの大罪』は外そうかな。Kを入れなかったのはまさにその理由です。
>つのだじろう「うしろの百太郎」は外せないのではないか。当時恐怖オカルトマンガ大ブームの立役者の一つだったよ。
> 私は良き読者でないのでどれを落とせとは言えないのだけど『天才バカボン』を外すのは納得できん。友人は「当時のマガジンはガロなんかよりよっぽど前衛的だった」と言っていた。ていうか全般に赤塚評価低すぎん?
『天才バカボン』も本当は入れなきゃいけないんですが……。かなり悩みました。赤塚作品はサンデー10選にもりぼん10選にも入ってるので全般的に評価が低い訳ではないと思います。
>「ミスター味っ子」は良くも悪くも王道の少年グルメ漫画なので、個人的にマガジンならではって意味では「将太の寿司」の方が重要かな。
同感です。入れるなら味っ子より将太。しかしただでさえ90年代が多いのでこれ以上入れるのは難しかった。
>ミスター味っ子は料理漫画としてエポックメイキングだったし、オフサイドは女性作家の描くスポ根漫画としてエポックメイキングだったと思う。
塀内夏子はマガジン漫画家20選なら入ると思います。かなり重要な作家。ただ作品で見ると20選は難しいかと。
>概ね同意ではあるんだが、さすがに真島ヒロが居ないのはおかしい。 迷うが、七つの大罪→FAIRY TAILはしないといけないかと。
そうですね。真島ヒロはここ四半世紀のマガジンには欠かせない……。『七つの大罪』と『FAIRY TAIL』を入れ替えるか。
Twitterでの反応も
https://x.com/FUNDOSHIMASK/status/1851540864256065548?t=4HG7KChe6go4rpZiQoj5uA&s=19
>しかしジャンプ版でもサンデー版でもそうだったけど、通史で語るとどうしても21世紀が弱くなっちゃいがち。というか流石に21世紀マガジン作家として、ばっちょ>真島ヒロは無くない?
通史という性格上今が弱くなるのは仕方ないかと。しかし確かに鈴木央を入れて真島ヒロを入れないのはおかしいか。
https://x.com/renge_kick/status/1851544678833025184?t=5xA6twKuvH1r8CV6s02t7g&s=19
>RAVEはマガジン史においてかなり重要だと思う(ヒット規模はFAIRY TAILのほうがデカいけどマガジンに能力バトルが増えたのはRAVEからだと思ってるので)
https://x.com/renge_kick/status/1851601194126614683?t=n_MMf633SxuDnTGjJXmTUQ&s=19
>厳密にはRAVEよりも先にゲトバやKYOが始まってるんだけど、人気に火がついた早さやその後のネギまやツバサなんかのファンタジーバトルもののノリを見るとやっぱ重要なのはRAVEだよなーって
https://x.com/npeofnpe/status/1851570584460910706?t=ZqperbBdCK13dY0B_N36cg&s=19
>ごとよめって確か巻割100万いってましたよね?ラブコメ史上最強といえるので入ってない方が変かな
聲の形は単発でパッとあたったけどマガジン史においてなんか重要かと言われると別に…
というわけで改訂版を出します。00年代漫画が一作だけなのも気になっていた。
驚異的な執筆量で21世紀のマガジンを牽引する真島ヒロ。本作は海外人気も非常に高い。『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』『魔法先生ネギま!』『七つの大罪』等のファンタジー漫画隆盛の象徴としても挙げておきたい。
週刊少年ジャンプ史上最も重要なマンガ20選 https://anond.hatelabo.jp/20241012181121
週刊ビッグコミックスピリッツ史上最も重要なマンガ5選 https://anond.hatelabo.jp/20241014232424
週刊ヤングマガジン史上、最重要な漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241016182953
月刊アフタヌーン史上、最重要な漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241017235116
月刊コロコロコミック史上、最も重要な漫画10選 https://anond.hatelabo.jp/20241018225514
https://anond.hatelabo.jp/20241016210231
https://anond.hatelabo.jp/20241020163403
モーニングだけブコメ少ないぞ!まあタイトルが統一されてないのが悪いが……。
さあサンデーだ。1959年創刊、65年の歴史からたった10作選ぶなんて無茶だ。しかし無茶をやる。批判歓迎!
◇
•現代のギャグ漫画はここから始まったといっても過言ではない。60年代前半、サンデーは日本一の雑誌だった。その時の三本柱が『伊賀の影丸』『おそ松くん』『オバケのQ太郎』。牧歌的なユーモアから狂騒的なギャグへ。赤塚不二夫は世界を変えた。なお'67年で一旦終った後もまた続くのだが説明がややこしいので省略。
◇
•今読むとQちゃんのおおらかさとのどかさに癒される。FとAそして石森章太郎の合作。サンデー以外にも学年誌に連載された。この連載形式は『ドラえもん』につながる。藤子不二雄、特に藤子・F・不二雄は週刊少年サンデーの創成期の功労者であり学年誌の守護神でありコロコロコミックの創造主である。小学館にとってこれより重要な漫画家は他にいない。
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•サンデーの楳図かずおは『おろち』も『まことちゃん』も名作だがこのノンストップサスペンスを選んだ。読んでいると続きが気になって気になって仕方がない。特に主人公の母親の狂気と紙一重の行動力には圧倒された。最近フランスでも翻訳され評判になっているようだ。
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•70年代の暗いサンデーの代表格。マンガの中の学園が魔境になったのはこのあたりからだろうか?雁屋哲の何考えてんだかわからないデタラメな展開と池上遼一の美しい絵がぶつかって異様な迫力を見せる。
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•説明不要。説明不要だということが偉大さのなによりの証だ。アニメOPは「Dancing Star」推し。
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•野球マンガの達成として評価するなら『H2』だろう。今の目で見ると最高傑作は『クロスゲーム』かもしれない。しかしあだち充の一作を選ぶとなるとやはり本作だ。ありま猛『あだち勉物語』を読むと、達也と和也はあだち兄弟を投影しているのかもしれないと思えてくる。「達也はそんな男じゃない」
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•国民的、いや世界的メガヒット作。本作が凄いのは、志の低い二番煎じが本家を追い抜いてしまったことだ。マガジンの『金田一少年の事件簿』を他誌も後追いするが死屍累々、本作とマイナー誌の『Q.E.D.-証明終了-』が生き残った。モブから大出世した高木刑事と佐藤刑事、パロディキャラが大化けした安室透と赤井秀一、今年になってやっと恋人同士になった平次と和葉などキャラクターの成長が人気の秘訣。そういえば『Q.E.D.』の燈馬君と水原さんも今年になって……。
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•お世辞にも完成度の高い作品とは言えない。いきあたりばったりでツッコミどころが多い。だがコナンと本作が無かったらサンデーはとっくに休刊していたかもしれない。長い暗黒期を支えてくれた大恩人。続編『MAJOR2』は2015年から連載中。
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•生まれたと同時に古典になる作品というものがある。第一話を読んだ時の感動を忘れられない。あれだけでも充分名作だった。しかし本作は更に高みへと昇ってゆく。今日本で一番面白いマンガ。サンデーの長い夜は明けたのだと信じよう。
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さてこの10作でいいのだろうか?実はよくない。なぜなら私が最も好きなサンデー作品は『機動警察パトレイバー』だからだ。本当は『MAJOR』を外したい。しかし『パトレイバー』がなくても今のサンデーはあるだろうが『MAJOR』がなかったら今のサンデーはなかったかもしれないのだ。サンデーにとって重要なのは『パトレイバー』より『MAJOR』だ。
やはりいくらなんでも10作は少なすぎる。もし20選だったら次の10作も入ってくる。
•山田風太郎と白土三平の影響があからさまだが日本一の立役者。
•『あしたのジョー』とは正反対の設定にすることで梶原一騎の破滅の美学を振り切った。この姿勢は実にサンデーらしい。
•剣道マンガの金字塔。この緻密な絵で週刊連載とは、と改めて驚く。
•新谷かおるの魅力をどう伝えればいいのだろう。忘れられつつあるのではないか?無力感に襲われる。
15.機動警察パトレイバー(ゆうきまさみ)1988-1994
•一推し。あのなんともいえない空気感、ギャグからシリアスへの呼吸、理性的な議論、先進的なジェンダー描写、全てが好きだ。
•「サンデーらしさ」なら本作が一番ではないだろうか。
•同じヤンキーギャグでもサンデーでは本作になりマガジンでは『カメレオン』になる。これが雑誌の空気の違い。
18.GS美神極楽大作戦!!(椎名高志)1991-1999
•二推し。GS試験編〜香港編がギャグとアクションのバランスがよく一番面白かった。
•さいとう作品は本作と『雲盗り暫平』が好き。
•80年代にしか成立しなかった物語だと思うとなんだか切ない。
26.ガンバ!Fly high(森末慎二、菊田洋之)1994-2000
•編集者の所業を考えるとこの枠で名前を出すだけで失礼なのかもしれないが、傑作。
30.銀の匙 Silver Spoon(荒川弘)2011-2019
最後に。もし50選になっても入らないだろうが、浅山わかび『ラストカルテ-法獣医学者 当麻健匠の記憶-』を紹介したい。静かな感動が押し寄せてくるマンガだ。この大傑作が大ヒットせずアニメ化もせず連載終了したのは正直悔しい。いつかアニメになるよう願っている。
・確かに皆川亮二は入れるべきだった。『ARMS』を入れて『結界師』を外すか……。
・島本和彦は入らない。本人のキャラクターと『アオイホノオ』の影響は大きいが『炎の転校生』自体は小粒な佳作で、こうしたオールタイムベストに入れる性格の作品ではない。
ジャンプでやった増田(https://anond.hatelabo.jp/20241012181121)に触発されました。30年近く愛読…というよりはたまに頭を傾げながらずっと読んでいるビックコミックスピリッツ誌から独断と偏見で漫画史や社会への影響を考えて5作品をセレクト
同じくランキングではなくて連載開始順に並べました。
高橋留美子の最高傑作にして恋愛マンガにおける最重要作品。初期のスピリッツはスピリッツという雑誌名よりも『めぞん一刻』で一般的に知られていたという。
最初の頃の響子さん、可愛くも何ともなかったのにねえ。回を重ねていくうちにルックスはかわいくなって性格は反比例するように嫌らしくなるという。
こちらは料理漫画における最重要作品。料理人を主人公からあえて外すことで「料理以外の食べ物に対する多面的なアプローチ」に成功した。
山岡士郎と海原雄山という日本漫画イチ有名な親子で知られているが読んでみるとキャラクターより原作者の方がうるさいうるさい。しかも全く調べていないのがミエミエ。衝撃的だった現時点最終話は雁屋哲の限界が露呈してしまったんだろうなあと。
連載休止直後編集部の企画で花咲さんは『のぼうの城』のコミカライズを担当したが…。食べ物は上手い方ではあるが。
柔道さらに格闘マンガといえば各スポーツマンガの中でも特に汗と男臭さが強いという伝統があったがそれを江口寿史と大友克洋とのハイブリッドな画風で遥か彼方まで吹っ飛ばした。いきなり巴投げのパンチラというね。
社会的影響でいえばこの作品以上の作品はない。何せ谷亮子というモンスターがこの影響で出現してしまったのだ。あとこの後浦沢直樹はちゃんと物語をたたむことができなくなるのは余談として。
そりゃ相原コージ『コージ苑』も偉大な作品であるし中川いさみ『クマのプー太郎』も名作ではある。とはいえ実際2コマ目に「ねたみ」というプラカードを持ったカワウソくんを見たときの衝撃が忘れられない。下ネタもダジャレも少なくて笑いと恐怖の紙一重をずっと行き来する新しさ。
ファミ通の『はまり道』サンデーの『ちくちくウニウニ』ときはそこまで感じなかったしその後の『ぷりぷり県』もそこまでの凄さはなかったが『伝染るんです』はやばい。
今のサイバラを見ると悲しくなる。高須克弥の人となりが白日になった今、高須クリニックのCMの痛い姿とか気持ち悪いし娘さんの事とか鴨ちゃんのこととかいろいろ足蹴にして今を生きているのも胸糞悪い。そんなクソババなのに『ぼくんち』はやはり歴史に残る傑作なのだ。
時々一太のことを考える。連載が終わって25年ぐらい経ってもだ。そして誰もいなくなっても二太は笑ってくれた。この話は多分その事だけを描いた作品だけだったかもしれん。だけどこの頃のマンガの中で1番涙を流した作品だった。
一応5作品に厳選したが意外と異論が少ないのではないかと思う。というかこの雑誌これらの作品から「ちょっと惜しい」作品がやたらと多すぎる気がする。
今回除外した作品
知名度や社会的影響は大きいだろうがこれはマンガ単体の評価じゃないし最近どんどん画面が汚く下手になってるのが気持ち悪い
唯一無二のアート漫画。とはいえ『猿飛』『ガンモ』ほどの知名度がない。村上隆に対する批判はマンガ界でもアレが許せない人は多数いるんだなという感想に。
『ナニワ金融道』は偉大だなと読んでて思う。多分真鍋先生と青木先生は合わないよなあ。
悩んだ作品その1。国民的アニメになり損ねたアニメも含めていろいろ惜しいし最終回も唐突に終わった記憶がある。お姉さんに似てたお母さんが年月を経るに従って今のお母さんになるというシーンに腹を抱えて笑った記憶。
悩んだ作品その2。とはいえここに書いておく事が中崎さんらしいと。定年迎えて連載辞めてもう絵の道具さえも捨てられていらっしゃると聞いて少し茫然としてた。
弘兼憲史より嫌いだし苦手。原作ドラマも含めてなんで受け入れられるのかが分からない。(『東京ラブストーリー』は坂元裕二が整えたので作品になった)それでもあすなろはまだ読める。しかし続編を最近描いたときはクソババアふざけんなという感想に至り。
レースを真正面から描いた黎明期の傑作。とはいえキャラクター造形の途中で削ってきたテーマを集めて煮込んだ『ICHIGO二都物語』の方が面白いのには…。
初回が見事すぎたし、連載開始のときわざとタイトル載せなかったのは反則だよなあ。あと実は『いいひと。』の方が好きでフジテレビふざけんな。
実は次点作を書いていた途中でUPしてしまったしトラバとブコメで記述もあったので次点の続きと言われた作品や言及があったものについて。
忘れてた(その1)ただし僕がなあばす派(学研派)だったことが主な原因かと。なあばすでの耕平ちゃんはすんごい丸くなっちゃったし。
こっちは次点として書く前にアップしてしまったので。しかしながら多分これがなければ実録系マンガもエッセイマンガもマンガ批評もなかったから歴史上重要な作品ではある。
入れ替わるなら『ぼくんち』なのは激しく同意。好みの問題というかボクの責任で
これは『伝染るんです』で言及した通り僕の思い入れの差で選ばなかったという。あと相原先生の最高傑作は『ムジナ』だと思ってます。
江口寿史アンド望月峯太郎ミーツ島本和彦という鬼才。絵がキレイな人ほどかっこいいブサイクが描けるという証明。ただ僕より上の人の方が思い入れが強い気がする。
不条理ギャグブームの最中にあってその中でも素直な笑いを提供していた印象が強いし、最近のマンガ製作マンガがすごい面白かった。歴史的ではないけどいいマンガです。
個人的な感情で言えば大好きなマンガ。いずみちゃんで性癖が壊れたしウチの妹は不破くん推しだった。あ、あと『結婚しようよ』もビターで好き。
『哭きの竜』と『昭和天皇物語』のちょうど中間点に位置する作品。中原誠のその後を予期したような描写や谷川さんからクレーム出ないかなと思ったキャラ造形が良かったがその後に羽生善治が出現し現実が超えていったのには閉口。
この人ここでも大きな足跡を残してた。『宮本』『ザワールド…』に比べると知名度は薄いがキャリアを決定づけた名作。ばあさん描かせるとエグいよなあこの人も。
忘れてた(その2)『あしたのジョー』の模写もすごいが『キャンディキャンディ』を完全模写したのには戦慄が。
長期連載化し始めて逆に評価が難しくなった気がするのは俺だけか?ダレないのがただただすごい。
近年のスピリッツを支えていたと言っても過言ではない極めて真っ当なスポーツ漫画。
ロードス島戦記と間違えて塩野七生の『ロードス島攻防記』を読んで、そのままズブズブとヨーロッパ史へと行った人向け。このあと阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』が待っておる。
いやだから例えば『まことちゃん』と『漂流教室』どっちがすごいか選べるか?というと。
アイアムアヒーローはその中でも抜け出すかなあと思ってたがなあ…。
土竜はちょっと続きすぎた気もするし他はそのままヤンサンで全うできたはずマンガだからスピリッツの評価に繋がる訳ではない。
ちなみにスピリッツが死に水を取ったマンガとしてはクロサギとイキガミ以外に『ブラックジャックによろしく/佐藤秀峰』がある。
『シャカリキ!』『め組の大吾』から読めばこの人が本当に描きたいものは天才なのは分かる。ただ同時連載には向いていない。他連載の犠牲になったような終わり方。
じっくり野球を描くというタイプではないことに気づくのが遅かったなあ。『冬物語』『部屋においでよ』の方が資質だったと今思えば。
大塚英志と長崎尚志ならどっちの方が害悪なんだろうか。Happy!だって話を途中で下方修正してたぞ。
着眼点は早く『恋に落ちたシェイクスピア』よりだいぶ前。結局話をまとめ切れずヤンマガに復帰。ただいまは休載
こういうテーマのときに真っ先にダシにされる作品。しかも終わり方が『代紋take2』と全く同じという。その後『坂の上の雲』のトレースに失敗する。
二次創作の話になると、原則違法!金目当てのイナゴ!パクリでクリエイターぶるな!エロは愛がない!みたいな威勢のいいのが出てくるけど、島本和彦ほどの大物が堂々と二次創作同人誌を売ってる実状みるとそんな批判もむなしいと感じる。
今回のルックバック本は藤本タツキ(ながやまこはる)が承認してるけどさ、あれも事後承諾にすぎないわけ。無断で本出したことには変わりないからね(集英社は二次創作のガイドラインを設けてないからほぼ確実に無断)。そもそも他の作品の同人誌も無断で出しまくってるし島本先生。ベテランのプロがあれをやって好意的に受け取られるのが風潮なんだから、業界的には勝手に二次創作つくって金取るのはOKってことでしょ。嫌だと思った権利者は差し止めればいいってだけ。
島本先生のはオリジナリティがあるとか、受け狙いエロ二次創作と一緒にするなとか言われそうだけどさ、個別の良し悪しも外野が判断することじゃないよ。だからみんなOK。ガイドラインがあれば従う、なくてもやっていいけど差し止められたら引き下がる、それだけ守ればOK。権利者がちと不利に感じるけど、それである種のバランスがとれてるんだろう。
あのむちむち原作を新アニメが再現したんだけど一部に不評らしい
でも流行りはむちむちだし、あかねは原作準拠で寸胴でいいと思う
旧アニメであかねがスタイル悪いって言われるの違和感あったんだよな
ここから作品を重ねると高橋留美子のキャラは細くなっていくんだけどむちむちがいいと思うようん
なんか島本和彦がそのへんの推移生放送で突然熱弁したら後で留美子に怒られてたの思い出したわ
あああと声優の話ちょっとすると、らんまと声優は人気を切り離せない存在で声優ブームの一つであったし変えるのはないと思ってた
まぁなんだ。好き勝手自分のらんまを語るのもいいが、らんまは高橋留美子のものなんだぞと改めて確認しておきたいね
多分今更地位とか名誉とか金とか求めてなくて純粋に自分の作品がまっとうに映像化されることを応援してんじゃないかなぁ
何度でも言うが、俺がインターネット引きこもりオタクと便宜上呼ぶ属性は、オタクの歴史の中では一過性の存在にすぎない。
インターネット登場以前のオタクは自分の足で情報を稼ぐしかなかった。見逃した物は誰かに頼み込んで見せてもらうしかなかった。
そんな古いオタクたちの活動はアオイホノオ(島本和彦)やコミックマーケット40周年誌(なんと国会図書館以外では1館しか所有していない!)で見ることができるが、まあ割と普通の社会的の人らが主である(40周年誌はフォークダンス踊ってる写真が有名ですね)
当時は消費オタクですら十分な稼ぎがないと務まらないのだから当たり前のように働いていたし、創作はギリギリ師弟関係が機能していた。
他の漫画家のアシに入るか、出版社の編集にアドバイス貰うか、何かしら人伝があった。
特にコミックマーケットを始めとした同人誌即売会は各々でムラを形成していた。
それがインターネットによって広く開放され、オールジャンルイベントがまるで公共の物のように扱われ、コミケはビッグサイトで開催されるようになった。
大変素晴らしいことである。インターネットにしか居場所のなかった社会不適合者でもリアルのお祭りに参加できるのだから。
だが繰り返し言うがお前はこれらムラの歴史の一部に存在する者でしかない。
分派していった(諸説あり)女性向けオンリーなどまさしく「社会」であったし、SF本流などは「組織」であった。
オアシスはお前だけのものではない。みんな違ってみんないいのがオールジャンルイベントなのだ。
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同人作品がそのまま商業上がったり、同人からフィギュアや版権グッズが出たり、エロだとAVだのゲーム化だの横行してる。
かつて平野耕太が盛大に腐した同人ゴロ(誤用ではない)は今こそが最盛期といったところで、同人作家が別の同人作家に発注して本を作るなんてよく見る光景となった。
在野には同人編集者が溢れ、デジタル系同人は音声にせよ映像にせよプロが当たり前にいて受発注行っている。
何らなら商業商流に乗るような作品まで頒布される(まあこれは今更か。音楽系だとよくあるし)
俺はむしろこの辺の外連味にこそ眉をひそめるのだが、好きなことで食っていけるのはいいことなので黙って見ている。
ちなみに売り子のレイヤーからR18DVD写真集を渡されて「使ってください」と言われたことはありますが、粘膜の接触は一切ありませんでした。
わりとみんなコッソリ始める人が多くて全然知られてないし知られたくないのかもしれないけど、知りたいから教えて。かわりに知ってるのまとめる。
CLAMP4人がラジオ形式でいろいろ喋ってる。Xのスペースとは別。普段の生活が垣間見える。
数本の動画投稿で終わっているが超レジェンドインタビューが載っているので一度見るべき
■浦沢チャンネル
日常などで知られる作者のとんでもないクオリティの自作アニメがアップされてる
■VRYOG
横山裕二の公式チャンネル。十勝ひとりぼっち農園読んでる人は必見
とりあえず勢いで始めてるけどしっかりとした番組。勢いが凄い。山田玲司のヤンサンがサポートして始めた
■大童澄瞳
映像研には手を出すな!の作者がイケメンVTuberになってライブ配信などをしている。漫画家はVTuberになる時代
■石田衣良
石田衣良の番組。いろいろな内容があるが各著名作家へのインタビューが面白い。賞予想なども
■AkubiLR
一見しても誰のチャンネル?って感じの森博嗣チャンネル。なんと2009年からある。日々製作している庭園鉄道の記録が載っている。
追加情報
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見事に日本テレビがない
これだよ「作戦がハマった」というのは