「マクラーレン」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、22歳の若さでF1で優勝を飾った伝説のドライバー、ブルース・マクラーレンの生き様である。F1へのデビューを果たしたその年に初優勝を飾り、40年以上にわたって最年少優勝記録として輝き続けた。自らの名を冠したレーシング・チームを創設し、オーナー自ら駆るマシンでチームに勝利をもたらした。テスト中の事故で帰らぬ人となるが、その後を継いだロン・デニスが司令塔となり、レース・シーンでの栄光を勝ち取ってきた。 マクラーレンがF1での活躍に甘んじることなく、高性能の市販車を造るべく立ち上げたのがマクラーレン・カーズだ。鬼才、ゴードン・マーレイの手になるロードゴーイング・カー、マクラーレン「F1」をベースにしたプロトタイプでは、ル・マン24時間耐久レースで総合優勝するなど、“市販車”でも、レースで磨かれた遺伝子を受け継ぐ。 2009年に“自動車メーカー”とし