1980年になった。 70年代から80年代へ。字面上は「7」が「8」になっただけのことだが、しかし、当時を知る者として、その変化は劇的だった。 「長髪」から「短髪」へ、「かっこいい」から「かわいい」へ、「フォーク」から「ニューミュージック」、そして「ロック」へ。まさに大きなパラダイムチェンジ。 そんな劇的変化に臆することなく、むしろ先頭となって80年代に乗り込み、当時「ニューウエーブ」と呼ばれた、まさに新しい波を自ら主導して巻き起こしたのが、沢田研二だった。 ここで、しばらく本連載の頻出語となる「ニューウエーブ」について説明しておこう。機械的、無機的、(重厚長大の対義語としての)軽薄短小な価値観をめでるムーブメント、くらいの意味なのだが、これ、つまりは「1980年の沢田研二」そのものだと解釈してもらっていいだろう。 シングルリリースは、おおよそ3カ月おき。上半期は「作詞・糸井重里、作曲・加