「地域の大学」が岐路に立たされた。千葉県銚子市が誘致し、来春で開学20年を迎える千葉科学大学について、経営する加計学園(岡山市)が市に公立化を求めていたことが明らかになった。越川信一市長は15日、有識者でつくる検討会議を設置し、可否を判断する方針を表明した。同大の経営難が背景にあるが、市財政への影響も懸念され、公立化の判断は容易ではない。(大久保泰、近藤咲子) 「社会環境の変化に対し、大学が銚子市を中心とした東総地区の知の拠点として存続し、地域活性の一翼を担う役割を果たすため、公立大学法人化を実現して頂きたい」 市には10月11日付で、加計学園の加計孝太郎理事長名の要望書が届いた。要望書では、公立化による授業料値下げで学生が集まり、地方交付税も入るといった利点を指摘。他大学の事例も挙げて公立化を求めた。市の説明によると、学園側は2025年4月の公立化を求めたという。 大学は02年に当時の市